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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2583年(1923年)

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ハバロフスクに日は落ちて……<前>

皇紀2583年(1923年)10月3日 ハバロフスク


 極東共和国軍の行動開始によって窮地に立たされた浦塩派遣軍だったが、コムソモリスク周辺からの怒涛の快進撃によってハバロフスクが電撃占領されたことでシベリア出兵は目的を達し、遂に決着がついたのであった。


 ビキン北方に布陣する極東共和国軍は第7師団が補給困難となったことで大慌てで敗走し始めたことを確認するとこれを追撃したのであった。


 これが9月21日の夕方のことである。


 だが、第7師団の敗走は欺瞞工作の一環であり、極東共和国軍はこれに引っ掛かったのである。


 第7師団はビキンから旧仮称第一要塞線南方裾野を通過し旧重砲陣地付近まで後退し、要塞線南面の山中にて埋伏し様子を窺っていた第8旅団は第7師団が誘引した極東共和国軍が完全に要塞線南面の裾野を通過したその時に極東共和国軍の退路を完全に絶つ形で街道沿いに展開したのであった。


 23日の日の出とともに旧重砲陣地にて体制を整えた第7師団は同じく攻撃開始した極東共和国軍へ猛反撃を始める。


 旧重砲陣地の警戒線に設営された縦深陣地を利用する形で第7師団は塹壕戦を展開するが、極東共和国軍も外郭の塹壕に乗り込み、ここを拠点として塹壕戦で応戦するのであった。


 今までであれば極東共和国軍やパルチザンは帝国陸軍に配備された試製自動小銃や試製機関短銃、三年式機関銃などに制圧されるがままだったが、彼らもどこから調達したのか定かではないが、フェドロフM1916を装備し帝国陸軍と同様に果敢に撃ち返してくるのであった。


 また、フランス製FM mle1915軽機関銃やアメリカ製ブローニングM1918自動小銃を装備している部隊もあり、多種多様な銃火器を投入し、それらを用いて同じように塹壕戦を仕掛けてくることに第7師団は優位にある状態でありながら焦りを感じつつ戦っていたのであった。


 しかし、第7師団が塹壕において時間稼ぎをしている間、第8旅団は無為に時間を過ごしていたわけではなかった。


 極東共和国軍への補給のために馬匹が後方から送られていたが、彼らはあまりにも前進し過ぎたためにこれを受け取ることはなかった。それどころか、第7師団の後退に合わせてさらに前進したため、輜重兵たちとの距離は開く一方であったのだ。


 極東共和国軍の輜重部隊がやっと戦場付近に到着したのは23日の昼頃だった。だが、彼らはそこで鬼神の如く襲い来る第8旅団の餌食となってしまったのだ。


 第8旅団は返す刀で第7師団と交戦中だった極東共和国軍主力へ突撃を敢行、突然背後から攻撃を受けた極東共和国軍は恐慌状態に陥り、前後から挟撃され遂に夕刻に至り降伏したのであった。


 ウスリー川方面での極東共和国軍はこれで壊滅したかに見えたが、実際は戦力の半数が壊滅したに過ぎなかった。


 第8旅団によって背後から急襲される少し前、塹壕戦は膠着状態に陥っていた。この状況に極東共和国軍の司令官はハバロフスクに残る兵力を追加投入するように使者を送り出していたのだ。


 実際、第8旅団が背後におらず、第7師団と協同して塹壕戦をしていた場合、補給に支障がある帝国陸軍は敗退していた可能性が高かった。ハバロフスクには準備が完了していた3個師団相当の戦力が存在していたからだ。これが援軍として駆け付けた場合、単純に戦力差と弾薬量で圧倒的に不利だからである。


 しかし、幸運にも第7師団と第8旅団は約1個師団相当の敵を包囲殲滅することに成功したのだ。

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