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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第二章 異変の兆候

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23 炎 姫

 神水の力ですっかり綺麗な身体になったサラ。双子なので見た目はシルフィにそっくりだが、サラは、燃えるようなガーネットレッドにオレンジのメッシュが入っている珍しい髪色をしている。


 ところで、助け出した時は夢中で気にしなかったが、サラは今全裸である。


 普通なら、目のやり場に困る――などと言いながらチラ見をするのだろうが、俺には安心安全の瞬間記憶がある。そんな格好悪いまねはしない。


 そもそも、これは医療行為だから、何もやましいことなどない。万一異常があったらまずいのでしっかりと確認しておこう。


 シルフィを呼ぶわけにはいかなかったので、これは仕方がなかったんだと言い訳しておく。


 とりあえず予備の服と外套を取り出し、サラに着せようと思う。男物の服を着た女の子っていいよね。


 全裸のサラがパチリと目を開ける。


 おおっ、やはり瞳も燃えるようなガーネットレッドだ――って感心している場合じゃなかった。これでは全裸を観賞していた不審者だと思われてしまう――努めて冷静に服をサラに差し出す。


「じぃー……」 


 サラはじぃーと言いながら、じぃーっと見つめてくる。なかなか面白い娘だね君。


 そして、俺の差し出した服を受けと――らないで、全裸のまま俺の首に手を廻し、全裸のまま抱きついて、全裸のまま情熱的なキスをした。大事なポイントなので、3回言いました。


「ボクを助けてくれてありがとう。貴方様」 


 えっ、君もその呼び方なの? 何、二人の中で流行ってるの?



【名 前】サラ=ガーランド(女)

【種 族】 エルフ族

【年 齢】 37

【身 分】 神聖ガーランド王国第二王女

【職 業】 精霊使い

【状 態】 良好


【レベル】 77

【体 力】 3968

【魔 力】 9777

【攻撃力】 2536

【耐久力】 2183

【素早さ】 4405

【知 力】 8997

【幸 運】 90


【スキル】 精霊魔法(炎)火魔法(上級)精霊語 情熱の癒やし 礼儀作法〈10〉


【加 護】 精霊の加護(精霊に愛されしもの) 


 唖然とする俺に構わず、サラが続ける。


「ボクたち姉妹は、離れていても繋がってるの。近くにいるときは、記憶やステータスまで共有してる」


 確かにサラのステータスはシルフィと同じだ。シルフィが来ていることも、俺が助けたことも知っていた。


「だから……ボクは貴方様に恋してる。この燃える想いは決して消えることはないからね」


 文脈おかしくないですか?だからって何? 


「いや、気持ちはとても嬉しいんだが、とりあえず、服を着ような?」


「えーっ、やだ。もっとこうしていたいの……」


 ぎゅっと力を込めて、抱きつくサラ。くそっ、何で俺はもっと薄着じゃなかったんだ……


「……貴方様、私には、ちょっと刺激が強すぎるのだけれど……」


 振り返ると、茹でだこのように、真っ赤になったシルフィが、羞恥心でガクガクブルブルしながら立っていた。なるほど、記憶の共有しちゃったのか。


 同じ双子でも、ずいぶん性格が違うんだな。


「ほら、早く服を着なさいサラ。もうすぐ、他の冒険者たちが来るのよ」


「わかったよ姉様、貴方様以外の人に裸を見せるのは嫌だからね」


 サラは渋々服を着る。サイズが合っていないので、歩きにくそうだ。


「ほら、乗れよ」


 しゃがんでサラに背中を見せる。


「うん!」


 サラが、嬉しそうに背中におぶさった。


「あの……貴方様、私も足がまだ本調子ではないのですが……」


「……しょうがないな、ほら、おいで」


 シルフィを片手で抱っこする。顔を真っ赤にして震えているのがかわいい。


 部屋を出るとクラウスと目が合った。おいクラウス、生暖かい目で見るのは止めるんだ! 元はと言えば、お前のせいなんだからな。


*** 


(御主人様、あと少しです。どうかご無事で) 


 クロエたちは、現在小休止中だ。


 プリメーラを出発してから、それなりの速度でここまで飛ばしてきたが、さすがにA級冒険者パーティーだけあって、全員遅れることなくついてきている。


 気持ちは焦るが、しっかり体を休めることの重要性も、クロエは十分理解している。


「クロエちゃん、御主人様が心配?」

 

 話しかけてきたのは、ウサギの耳のリーダー、カタリナだ。


 クロエと行動を共にするパーティーウサギの耳とネコの尻尾は、ともに女性のリーダーと男4人で構成される異色のパーティーだ。リーダー同士の仲が良く、一緒に行動することが多いので、ほぼ同じパーティーといっても良いのだが、ウサギ派とネコ派の譲れない価値観の違いから別のパーティーとなっている。


「私はオークなんかより、クロエちゃんにこんな顔させる色男の方が気になるけどね」


 ネコの尻尾のリーダー、セシリアが、ちゃちゃを入れる。


「御主人様は、いろいろと規格外のお方ですので、心配はないと思うのですが、もし捕まっている女性たちがいた場合、御主人様は絶対見過ごさない方ですので……」


「そう……あなたの御主人様はとても優しい人なのね。心配になる気持ちもわかるわ」

「まあ、オークどもを皆殺しにすれば、万事解決だ。野郎ども、そろそろ出発するよ」


「……野郎どもって、セシリア、俺たち山賊じゃないんだからよ……」


 休憩を終え、再び移動を開始したクロエたち。日が沈む頃には、目的のエリアに到着することが出来た。

 

 ここからは、オークたちの縄張りになるため、全員が気を引き締め、真剣な表情になる。


「いいか、狙いはオークジェネラルだ。頭さえ潰せば、群れは烏合の衆になる。一気にいくぞ!」

「クロエちゃんは、捕まっている女性の確認をお願いね。御主人様が見つかったら合流してもらって構わないわ」


「わかりました。御武運を――っ! ちょっと待ってください……この匂いは」

「どうしたクロエちゃん。ん? 何か来るぞ! かなり大きくて強い魔物の気配だ」


 全員が武器を構えて臨戦態勢に入る。


「待ってください。味方です。御主人様の召喚獣です」


 クロエが慌てて前に出る。


「召喚獣? 御主人様は魔物を使役できるのか?」

「はい、ラビ、出てきても大丈夫ですよ」


 森の木々を押し分けて、巨大な牛サイズの角ウサギが姿を現す。


「で、でけえ! こんな大きな角ウサギ見たことないぞ」

「はわわわわ、か、可愛い!! クロエちゃん、触っても良い? モフモフしてもいいよね?」


 目がハートマークになったカタリナが、はあはあ言いながらラビに抱きついて恍惚の表情を浮かべる。


「あちゃー、よりによって角ウサギかよ。こりゃ、カタリナは使い物にならねえぞ……」


 ラビをモフるカタリナを全員そろって苦笑いしながら見守る。


 仕方ないなあといった感じで、ラビは、カタリナを背中に乗せたまま、歩き始める。


「クロエちゃん、私もあなたの御主人様のパーティーに入るわ。趣味が合いそうだし、モフり放題……」

「……お断りします」

「即答!? そんな~」


(ラビが迎えに来たということは、御主人様は無事なのですね。良かった……)


 クロエたちは、ラビを先導に、暗い森の中を歩き始めるのだった。 


   

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i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[一言] モフモフは無敵よな( ´∀` )
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