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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十三章 王都アルカディア

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2度あることは3度ある

 

「安心なさいフローネ。御主兄様はすでにキトラとナディアを助けているそうですよ」


 安心させるように優しくフローネに語りかけるクロエ。


 カケルの眷族となったクロエは、念話による会話や、視覚共有も可能だ。さらには眷族召喚によって、カケルの元へ瞬時に行くことも出来る。



「ほ、本当ですか? 良かった……でもどうして?」


 安心して涙を流すフローネ。


「そんなこと決まっています。御主兄様だからです!」


 誇らしげなクロエにポカーンとしているフローネ。




「まあ、フローネも旦那様に逢えば意味がわかると思うぞ」


「貴方様だからだよ!」

『主様だからです!』

『お兄様さすがです!』


「お前たち……呼び方が違うだけじゃな……」


「先輩……マジで半端ないって……でもフローネの胸を隠す貝殻エロいわ~」


 貝殻を触ろうとして拒否される美琴。


「美琴さん……お兄ちゃんみたい……」

「美琴……気持ちは分かる……」


 落ち込む美琴を憐れむアリサと刹那。



***



 海賊団の島


「ところでカケルさま、キトラさまはどちらに?」


 ナディアの巧妙な罠から何とか脱出した俺は、シードラゴンのシードラを呼ぶ。そのままの名前だが、個人的には気に入っているから許して欲しい。



 港からキトラを乗せたシードラがやってくるが、やはりでかい。50メートルぐらいあるからな。



「ナディア!!」

「キトラさま!!」


 泣きながら抱き合う2人に胸が熱くなる。


 一歩間違えば、助けられなかったかもしれない。いや……これも巡り合わせかな。これが偶然なんて思えない。きっと運命の導きなのだと最近は考えている。



『……主様、元の姿に戻ってよろしいですか?』

「ああ、ありがとうシードラ」

 

 シードラゴンの巨体がみるみる縮んでゆき、シーブルーの髪と瞳の美女の姿になる。


 シードラゴンのシードラは、眷族化したことで、神獣となったのだ。


「うーん、シードラ、さすがに人型で全裸はまずいな。ちょっと待ってろ」


 妄想スケッチで、シードラ専用のメイド服を創り出して渡す。耐水性があり、魔物化した際には、服は首輪になる優れものだ。


『私はこのままでも構わないのですが……』


「いや、俺が嫌なんだ。シードラの裸を他人に見せたくない」


『ふえっ!? そ、そうなのですか? よくわかりませんが、私が大事だということですね、そうですね? そういうことならば喜んで着させていただきます』


 嬉しそうにメイド服を手に取るシードラ。


 とはいえ、初めてではメイド服の着方も分からないだろう。よし、手取り足取り手伝ってあげよう! えっ? 神獣だから大丈夫? ……そうか。


『あ、あの……こちらの紺色の布はなんでしょうか?』


「それは水着だ、シードラ。特別な時に着て欲しい」 

『と、特別な時とは?』

「うむ、追って指示を出す」

『かしこまりました、主様』


 クールビューティーのシードラには絶対にスク水は似合う。だが召喚獣にスク水を着させる変態主という評価は避けたい。


 タイミングを慎重に見極める必要があるだろうな。



「旦那!! 出航の準備出来たぜ」


 代表団の船の準備が整ったようだ。


「分かったイサナ。今行くよ」


 

 帰りは簡単だ。代表団が乗り込んだ船に手を触れて、転移を発動する。



「本当にアルカディアの港だ……」

「ハハハッ! さすがは英雄さまだ」

「……もう考えるだけ無駄だな……」


 目の前に王都アルカディアが現れると、代表団全員が驚きを通り越して呆れている。



 突然港に出現した代表団の船に港は大騒ぎとなり、騎士団のカイルたちがすぐに飛んできた。


「閣下、これは一体?」

「船ごと転移で運んで来たんだ。悪いが、海賊団を大量に捕まえたから、手配を頼む」


「た、大量ですか……何人ぐらいでしょうか?」

「全部で3046人だな」


「さ、さんぜん……わ、分かりました! すぐに手配します」


 うんうん、カイルは有能な騎士だな。話が早くて助かるよ。



 海賊団の島から捕虜を運んで来る。


 暴れられると面倒なので、全員奴隷契約スキルで静かにさせている。


 奴隷契約には本人の承諾が必要だが、死ぬのと奴隷どちらが良いか聞いたら、みんな喜んで承諾してくれた。


 あまり使いたくないスキルだったけど、今回は仕方ないかな。



「旦那、本当にありがとな。みんなを助けてくれてさ……」


 イサナが照れくさそうに頭を掻く。


「気にするな。でもみんな無事で良かったな」


「その……格好良かったぜ……すごく」


 褐色に日焼けした肌でも分かるぐらい真っ赤なイサナ。


「それでさ、約束通り、報酬を渡したいんだけど……」


 上目遣いで身体を預けるイサナ。


 上気した顔に潤んだ瞳。全身が熱を帯び、彼女の鼓動が早くなるのが分かる。


 だが――――


「ちょっとお待ち下さい、抜け駆けは許しません」

「さあ、キトラさま、イサナは私が抑えておりますので、今のうちに……」


 イサナは、半魚人族のキトラとナディアに捕まってしまう。


「ちょっと待て! 俺の方が先約だぜ」


 イサナも負けじと言い返すが――――



「いや、私たちの方が先約だ」


 いつの間にか、セレスティーナたちが、フローネを連れて現れた。



「キトラさま、ナディア!!」

「無事で良かった、フローネ!」

「心配かけましたね、フローネ」


 ようやく再会した3人の姿を、みな涙を浮かべながら見守る。こうしてみると、まるで三姉妹みたいに見えるな。




「カケルさま……キトラさまとナディアを助けて頂きありがとうございました!」


 ふわふわしたエメラルドグリーンの髪と瞳が可愛らしいフローネが深々と頭を下げる。


「良かったなフローネ。エメロードラグーンも取り戻すし、王女さまも必ず助けるから安心してくれ」 


「……どうやったらこの御恩をお返し出来るでしょうか。カケルさま、もしよろしければ、私の貝殻を――――」


 来たか……恒例の罠が。2度あることは3度あるとはよく言ったものだな。


 だが、仏の顔も3度まで。ここは甘んじて受けようではないか!


「先輩! 私も私も!」

「駆……私も興味がある」

「大海原さん……」

「んふふ、大海原くん私も混ざるわ!」


 美琴……刹那……ありす……ひめか……お前ら最高だな!


「よし、みんなで一緒にフローネの秘密を覗こうか!」


「ふぇっ!? あ、あの……ちょっと待って……」


「んふふ……覚悟しなさいフローネ。この勇者に任せておけばいいの!」

「……一体どうやってくっついているのか、じっくり調べさせてもらう……」


「い、いやあああ!?」



「ごめんなさい……フローネ。頑張るのですよ」

「ふふっ、フローネったら、あんなにはしゃいじゃって……」


 遠い目をして距離を取るキトラとナディア。



「……ねぇ、アリサ……異世界人ってみんなあんな感じなの?」


 呆れ顔のリーゼロッテ。


「うぇ!? そ、そんなことないと思うけど……多分?」



「うぇ〜ん、もうお嫁に行けない!!」 


「大丈夫だフローネ、どうせみんな結婚して家族になるんだからセーフだ!」


「ふぇっ!? ま、まあ、それなら良いかも?」 


 フローネはついそんなことを言ってしまうが、直後に後悔することになる。


 結局、女性たち全員に、じっくり見られてしまう羽目に。



「だ、誰か助けてえええぇっ!?」


 だが、フローネの味方は当然いなかった。




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i566029
(作/秋の桜子さま)
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