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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十三章 王都アルカディア

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女神の独り言

 

 病院から戻り、午餐会まで少し時間があったので、ミヤビと王宮内を散策している。


「ところでミヤビ、そもそも魔王って何?」


 我ながら今更な質問だと思うが、はっきりさせておきたい。


「……今回の封印された魔王に関しては、悪魔の王のことですよ、カケル殿」


「え? 他にもいるの? 魔王」


「もちろんです、魔族の王も魔王ですし、魔法学校のトップも魔王の称号を持っています。魔法都市国家マジカリアの王も魔王ですね。他にもいろいろな魔王がいます」



 ……魔王多すぎじゃねえか!? 結構重要な存在じゃないの魔王? 悪なの善なのどっちなの?



「……ちなみにどうやって判別しているんだ?」   


「え? 普通に文脈で判断できるじゃないですか?」



  ……同音異義語みたいな扱いなんですね? わかりました。



「ところで、本当に近衛騎士団長辞めるのか?」


「はい、もともとノスタルジアのそばにいるためにやっていただけですから」


「そうか……騎士団を辞めるとして、これからどうするんだ?」


 うちの屋敷に来るのは大歓迎だけど、冒険者としてうちのパーティに入るのかな?



「え? お嫁さんになりますけど?」


「…………ミヤビは本当に可愛いな」


 たまらず抱きしめてしまう。戦闘狂だけど。


「えへへ……どうしたんですか? カケル殿?」


 照れくさそうに笑う姿も殺人級に可愛い。戦闘狂だけど。



***



 その後、午餐会が開かれて、俺のところにはお近づきになろうとする貴族たちが殺到した。


 当然、貴族令嬢たちがチャンスとばかり群がってきたのだが、ミヤビとノスタルジアが両脇をガッチリ固めていたので、さすがに諦めざるを得なかったようだ。


 本当に助かったよ。うん、残念なんて思ってない。さすがの俺も無制限に受け入れるつもりはないよ。別に両脇の2人が怖かったからなんて言ってないから。



***



 午餐会が終わり、ノスタルジアは俺の屋敷に引っ越すための準備、ミヤビは騎士団を辞めるための引き継ぎにそれぞれ向かった。


 俺は呪いのことを相談するために、まずは神殿へ向かうことにした。


 別にイリゼ様とむふふなことをしたいからじゃない。仕方がないんだ。全部邪神が悪い。 


 

『そうね、全部邪神のせいよ』


 うおっ!? びっくりした……


 神殿の敷地に入るやいなや、うしろから抱きついてくるイリゼ様。いつの間に……



『うふふ、だ〜れだ?』


 くっ、古典的だが実に効果的な……


「い、イリゼ様?」


『ブッブー! 超絶可愛いお姉さんメイドでした』


 ぐはぁ!? イリゼ様ったら俺がデザインしたメイド服姿なんですけど!?


『それで……どうして来たのかな?』 


「実は、呪い――――」 


『あー、あー、なにも聞こえないな?』


 イリゼ様、いろいろ当たってます。耳に息吹きかけないで下さい!?



「……嘘です。イリゼ様に逢いたくて来ました」


『ふーん……それだけ?』

 

「……イリゼ様とむふふな事したいなあと思いまして……」   


『えええぇっ!? そうなの!? そんなに私としたいの? 仕方ないなあ……私、結構忙しいんだけどなあ……』


 か、可愛い……メイド服がヤバい。直視したら即死級の可愛さだ……まだ上があったとは!!


「お願いします! もう限界です……」


 すかさず土下座を決める。なぜ俺は懇願しているんだっけ? とか考えない。


『そんなに頼まれたら断われないかも……おいで、お姉さんメイドが可愛がってあげるからね?』



***



『それで、呪いの件だけど……大元を何とかしないとだめよ』


「大元っていうのは封印された魔王ですよね?」


『そう。悪いんだけど、それ以上は教えられないの。ごめんね?』


「いいえ、その事が分かっただけでも助かりました」


 やるべきことが分かっただけでも本当に助かったよ。



『んふふ〜、そうね……カケルくんが頑張ってくれるならヒントぐらいはあげちゃおうかな〜?』


 イリゼ様近いです。柔らかいです、当たってます。


「お願いします、頑張らせて下さい!」



 めちゃくちゃ頑張ったよ! 呪いのヒントをもらうためだからね、仕方がないんだ。



***



『あのね、まずは仲間に相談したら良いと思うわ……私からは以上よ。頑張ってね、御主人様!』


「ありがとうございました!」


 いつも見守ってくれているイリゼ様に心からの感謝を。



『そうそう……これは独り言なんだけど……幻の思考誘導の方は、アリエスとソフィアのカースブレイクで消せたような……ブツブツ……』



 愛してます……イリゼ様。


『私もよ、チュッ♡』


 うおっ!? まだ居たんですね……



 気がつけば神殿の前に立っていた。


 仲間に相談しろ……か。


 よし、善は急げだ。


 眷族の視覚共有を使い、クロエの元へ転移した。



***



「あ、あの……御主兄様? とても嬉しいのですが、ちょっと恥ずかしいといいますか……」


 転移したら、たまたまクロエたちが服屋で着替え中だった。


「ふふふ、ならば交代しろクロエ! さぁ旦那様、下着姿の破廉恥な私を抱きしめてくれ」


「……絶対にわざとね」

「貴方様ならわざと一択だよ」

「妾の裸ならいつでも見せてやるのに」

「そこは男心ですよ、エヴァ」

「先輩のエッチ!」

『タイミングを図る主様可愛い……』

「駆……服が透けて見えるメガネ作る?」


 なんて酷い言われようだ……さすがの俺も傷つくぞ! わざとだけど。事実だけど。



 ……ちょっと待った!? せ、刹那さん? そんな素敵アイテム作れるんですか!!!


 え? 冗談? ワンモアプリーズ?




「御主兄様……一体何しに来たのでしょうか?」


「「「「「「……さあ?」」」」」」 


 来たと思ったら、直ぐに帰って行ったカケルに困惑する一同。


 もちろん、ミヅハを除いて。


『そんなことでショックを受けるなんて……可愛い……可愛いです……お兄様♡』

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(作/秋の桜子さま)
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