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第18話 旧校舎の七菜子さん?

《旧校舎 廊下》


「はぁ……とりあえず謝れたが。あの感じだとまだ怒ってるよな。藍と七宮。また別の機会に謝るか。それよりも顔に付いた鼻血流しに行かないとな」


(クスクス……クスクス……フフフ……)


「ん? 女の子の笑い声?」


 何だ? 誰か俺の後ろに居るのか?


「……建宮君。こんにちは」


「あれ? 白鳥さん。まだ学校に居たのか?」


 廊下の曲がりかどから顔をピョコッと顔を出してる白鳥さんが、俺に向かって手招きしている? 何かあったのか?


「クスクス……建宮君。こっちこっち……」


 ……なんか。さっき別れた時と雰囲気違うな。いつもよりおどおどしてないし。明るい雰囲気だ。


「あぁ……そっちに何かあるのか? 白鳥さん」


「そうそう……こっちよ。建宮君。クスクス……」


 俺は、いざわれる様に白鳥さんの居る方へと向かって行った。



ガラガラ!!

「建宮っち〜! 遅いし〜! ウチが建宮っちのお顔綺麗にしてあげるし……」

「ゆー君。また誰かと浮気してるの?……」


「「……居ない?」」


「居ない?……いえ。さっきまで普通に建宮君の気配は感じていたわ……まさか連れて行かれちゃったのかしら?」


「「連れて行かれた?」」



「クスクス……建宮君」


「身体が動かない……」


 あぁ、そういえば。旧校舎の16時44分の時き1人で廊下に出ないように秋月部長に言われてたんだった。


 黎明高校の七不思議の1つ。旧校舎の七菜子ななこさん。


 昔、旧校舎のぼっとん便所に落ちて助けられたはいいが、恥ずかしくて不登校になり。そのまま突然の心臓発作で急死し。


 何故か旧校舎に幽霊として現れるとか現れないとかいう。不確かな黎明高校の七不思議だ。


「まさか。本当に現れるなんて思っても見なかっ……た?」


 黒く長い髪に不健康そうな顔。まるで白鳥さんみたいだ。


 黎明高校の制服を着て……いや、なんか脱ぎ出してないか?


 つうか。この人、さっき帰った筈の白鳥さんだよな? なんで幽霊に取り憑かれてんだ?


「フフフ……貴方の身体。初めて見た時から気になっていたのよ。たまたま、この女の子が廊下でボーッとしてたから、身体借りちゃったわ」


「いや、なんでブレザー脱いでんだ? それにYシャツのボタン外してんじゃねえ。幽霊の七菜子さん!」


 幽霊の七菜子さんは動けない俺を机の上へと押し倒すと、俺の腹の上へと乗ってきた。


「む! 幽霊の七菜子さんじゃないわよ。そんでもって生き霊ね。私の一族ってこういう事が得意なの。面白いでしょう? 憑き物下ろしってやつかな?」


 最早、言ってい意味が分からん。それに、これ以上。刺激されると鼻血が出て気絶する。


「あれ? 彩葉いろはお姉ちゃんから聞いてないの? 旧校舎の話」


「ぷはぁ?! な、何を?」


「いや、だから……私の事とか。この旧校舎の事なんだけど?……て? ねえ? 私の話聞いてるの?」


 俺の胸に白鳥さんの胸を押し付けるな。は、反応する。


プシュ……


「き、聞いてないし! それ以上、俺を刺激するなハレンチ」


「……刺激もなにも。まだなにもしてないわよ。貴方って女の子との接触が苦手なのね。面白い〜!」


 何だ? さっきまでの暗い雰囲気がなくなったぞ。この娘はマジで誰なんだ? あの大人しく変態の白鳥さんと全然雰囲気違うんだが。


「クスクス……貴方って面白いのね。この旧校舎ってパワースポットだしね。あ! ちなみに私の身体は保健室で眠ってるから安心してね。七菜子よ」


「だから……どういう事だよ? つうかなんでこんな状況で自己紹介してん……だ?」


「あれ? 気絶しちゃったの? ちょっと。『冥土の話をしながらの朗読会』をするんでしょう? その練習をしなくていいの? ねえ? 建宮君?」


ガラガラ〜!


「建宮っち! 何してるし〜?」

「ゆー君。また浮気してたの?」


「あれ? 鍵ちゃんと閉めてた筈なんだけど。秋月家の娘が来ちゃったわね……退散退散。On……あれ? 私……帰った筈じゃあ?……あれ? なんで私、建宮君のお腹の上に乗っかってるんですか? お肌スベスベ」


「ボッチちゃん。ウチ等の建宮に何しようとしてるんだし〜?」

「や、やっぱり。白鳥さんがゆー君を誘惑してたんだね。許さないよぉ。許さないんだからね。白鳥さ〜ん!」


「ひ、ひぃ!! 知りません。私はただ、気づいたら建宮君に抱かれていただけですから〜!」


「「抱かれていた?……天誅〜!」」


「ひいぃ!!」


「……これは取り憑きかしら? そう、七菜子ななこが建宮君に興味をもったのね。厄介ね」


《黎明高校 保健室》

「んくぅ〜! 良く寝た〜!」


「あ〜! やっと起きた? ちょっと! 七菜子大丈夫なの? いきなり意識失ってたんだよ!」


「舞花。心配してくれてありがとう……それにしてもあれが建宮裕次君かぁ。面白い子を部員にしたじゃん。いろはお姉ちゃん。今度はどんな悪戯しちゃうかな」


 


 黎明高校旧校舎には昔から悪戯好きの幽霊が、人の身体を借りて悪ふざけする女生徒がいる。


 そんな七不思議の1つがあると。秋月部長から後で聞かされた。



「旧校舎での文化祭が楽しみね……クスクス……フフフ……」


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