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たのしいにじかいだいさんじ:破

拙者モンハンワールド買えなくて悲しみ侍!

俺が頼んだ焼き鳥盛り合わせは遠く、代わりに俺の眼前に置かれたものは……


「……野菜スティック?」


「うんにゃ、根菜(・・)スティックだね」


成る程、地面の下で出来上がる根菜をスティック状にしたものということか。

うん、だけどな?


「新鮮だから遠慮なく食べなよ、なぁに支払いはカッツォ君だしネ!」


「なぁ、一般的に新鮮なジャガイモのスティックってのは要するに未完成のフライドポテトと言うのでは?」


「あ、店員さんついでに根菜スティックLv.2もお願いできます?」


レベル!? おい待てレベル概念があるの!?


「ようしサンラク、よく言葉を選んで経緯を話すといい。その内容次第であの焼き鳥はお前のものだ」


「くっ……拷問はジュネーヴ条約違反だろ……」


「悪いね、電脳世界(シャンフロ)は治外法権だ」


とりあえず人参スティックを付け合わせの七味マヨにつけて一口、普通にうまい。


「んー、まぁ最初から話すけど事の発端はアレね、ウェザエモン戦でゲットしたパワードスーツ」


「あぁ、あれね」


「リアクターの修理が終わってさ、一足先に使ってみようとしたわけ」


「ペンシルゴン議長、ギルティでは?」


「まぁ呪いのせいで無理だったんだけど」


「カッツォ検察官、ノットギルティです」


「おうだったら弁護士も呼べよ」


ふとこいつらの鼻にこの生ジャガイモスティックを七味マヨ付きでぶっ刺してやる、という明暗が頭をよぎったがまだ堪える。


「まぁそれで別ゲー……ネフィリムホロウ知ってる? アレをやろうと思ったわけよ」


「やったことはないけど操作性がゴミなんだっけ?」


「あ、それ続編出たよね。ウチのチームの一人が喜んでた」


ネフホロは操作性がゴミなのではなく、ゲームのくせに世界観追求しすぎてリアルに適性がないとうまく操れないだけだから。それゲームとしてどうなんだ。


「そこでまぁ、色々あってネフホロのPvP最強のプレイヤーと仲良くなりまして」


「ふんふん」


「まぁ、なんだかんだあってパワードスーツの事で口を滑らせまして」


「ギルティ、ジャガ棒一本の刑に処す」


うわぁ、硬ぁい。


「すまんカッツォ、追加で七味マヨ貰ってきて」


「すげー当たり前のように人をパシるね……」


「パシれカッツォ」


「邪智暴虐な南瓜を殴らねばならぬと決意した……!」


「じゃあ代わってくれよセリヌンカッツォ」


そんな決意トイレにでも捨ててこい………………さて、七味マヨの追加が来たところで話を進めよう。


「そしたらそいつ、実はシャンフロプレイヤーだったわけ。引退勢だったんだけど」


「議長?」


「んー……保留!」


「まぁ、なんだかんだあって……シャンフロのロボについて教えてくれるなら深淵のクターニッドに繋がるシナリオを教える、って話に落ち着いたのよ」


「焼き鳥を一本食べていいよ」


これ完全に芸を覚えさせられてる犬とかそういう感じの……まぁいいや、焼き鳥美味い。


「これが大体お前にGGC誘われる前の話だな」


「成る程。で、なんで私達に知らせる前に勝手に挑んじゃってるわけ?」


「それに関してはまぁ色々、あって……あっ」


沈黙。


「おっとぉ? サンラク君何か思い出したっぽいけどぉ?」


「これはLv.3も頼む必要があるかな……」


「貴方達、生き生きしてるわね……」


くそ、思い出してしまった。この状況で「リュカオーン倒してEXシナリオ発生させました」「ヴォーパルバニーのユニークを発生させた奴がいる」とか言ったらヤバくね? だがもはや気づかれた以上隠すのは困難だ。


「あー……なんだ、えーと、その……だな」


「ご注文の根菜スティックLv.2お持ちしましたー」


ええいままよっ!


「黒狼のサイガ-0と一緒にリュカオーンぶっ飛ばしてEXシナリオ発生させまして、さらに言うと俺が今抱えてるユニークを別に発生させた奴がいまして」


「すいませんLv.4も追加で頼みます」


「というかそいつら全員とクターニッド攻略してるっつーか」


「あ、ごめんね店員さん。やっぱLv.5で宜しく!」


「は、はぁ……その、レベル最大ですが大丈夫ですか?」


レベルマックス!? レベル2の時点で生大根のスティックなんだけど!!


離れていく店員さんにキャンセルを叫びたいが、あいにく俺はガッチリと外道共にホールドされている。


「成る程成る程……つまり君は今、クランとは無関係のプレイヤー達とユニークシナリオEXを三つ攻略しようとしている、と」


「いや待て、黙秘権は使わないでやるから話を聞け、な?」


このままではレベル5を食わされる、なんとか譲歩を出さなければ。


「そもそもリュカオーンを倒す羽目になったのは偶然なんだよ」


「ほうほう」


「そのネフホロで知り合ったやつと合流するため、可及的速やかにフィフティシアに行かなきゃならんだろ?」


「そうだね」


「その為にレイ氏……えーと、サイガ-0にお手伝いを頼んだわけよ」


「おっ、出荷か?」


「時間さえありゃソロでも行けるわ」


あーでもユザーパードラゴンは手間取りそうだなぁ、あいつ一挙一動がウザすぎる。


「そしたらホラ、動物園的な名前のクランあったじゃん?」


「SF-Zooのこと? 確かリュカオーンにフルボッコにされたって聞いたけど……もしかしなくても?」


「察しが良くて何よりだ、この大根をやろう」


「いらんわ」


仕方ないので夏目氏がモソモソと食べ進めているフライドポテトの山に気づかれないよう生大根のスティックを忍び込ませる。

気づいているのに止めも教えもしない辺りやっぱりこいつら外道だよ。


「あいつらなんか、リュカオーンの出現パターン割り出したとか言ってさ、お前の力は不要だ〜とか三下ボスみたいなこと言い出してそのままリュカオーンにムシャッと」


「え、マジ? もっと搾り取れそうじゃん先に言ってよサンラク君」


「鬼かな?」


「犬、猿、雉の肉を煮込んで半殺しにした桃太郎に食べさせそうな鬼とかどうすればいいんだよカッツォ」


「んー、もしかしてここ殴った方がいい場面かな?」


とは言ってもここからは俺自身がそれを選んだってわけではないからなぁ。

途中乱入した秋津茜とレイ氏の三人でリュカオーンを倒し、呪いを解いてもらおうとしたら更に悪化させられ、しゃーないからそれで頑張るかと「愚者」の神秘(アルカナム)を入手しつつフィフティシア入りして、


「っっっ!!?!?」


あ、夏目氏が大当たり引いた。

まぁそこでパーティ解消し忘れてユニークシナリオに二人を引っ張りこんでしまったけど、まぁいいかと気を取り直したらまさかのEX直行便だった……


「まぁ大体こんな感じだよね」


「不慮の事故なんだ、みたいな態度だけどそれ六割君のうっかりだよね?」


「四割は実質十割」


「じゃあ六割は実質十五割だね」


オーバーキル論破されたわ、ちくせう。


「誰!? 誰よ大根なんて入れたやつは!」


「「こいつ」」


「えっこの流れでサンラクじゃなくて俺に濡れ衣かけるの!? うっそだぁ!」


「ケイィィィィィィ!!」


「待っ……いだだだだだだ!!」


耳をつねられ悲鳴を上げる馬鹿をペンシルゴン共々撮影しながら話を続ける。


「まぁ……ほら、なんだ。レイ氏はどうにもならんが他のメンバーはフリーだから旅狼に取り込めるし、さ?」


「ふぅん……まぁ、別に身内団として作ったわけでもないし他のプレイヤーを加入させても問題ないけどさ……」


「それに秋津茜はジークヴルムに喧嘩売ってラビッツユニークを発生させたプレイヤーだ、手元に置いて損はないだろ?」


「ジークヴルムかぁ……」


「なんか問題でもあるのか?」


ジークヴルム、という単語に何故か顔を顰めるペンシルゴンに訳を問う。


「実はジークヴルムってさ、遭遇報告がぶっちぎりで多いユニークなんだよね」


「ふーん」


「さらに言うとめちゃくちゃ喋る」


喋る?


「なんて言うかなー……ウェルカムな魔王って言えば分かるかな、こう「この俺の首を獲る者は誰だぁ!」とか言っちゃうタイプ」


「ニュアンスとしては分かるよ」


「んで、今までのプレイヤー達の質疑応答(物理)の会話内容をまとめると……多分、大規模レイドっぽいんだよね」


レイド。通常のパーティ上限が確か十五人であるが、獲得アイテムや経験値の関係から多くても十人以下、というのがシャンフロにおける基本だ。

だがレイド戦となれば話は変わる。レイドとはすなわち大規模戦闘、むしろ人数は上限一杯である方がいい。


「つまり旅狼で独占できないからあんまり気が乗らない、と?」


「まぁそれもあるんだけどぉ……」


恐らくペンシルゴンの中でも具体的な案が固まりきっていないのだろう。曖昧に口をモニョモニョと動かしながら言い淀む外道モデルからそれを察した俺はこれで話は終わりと焼き鳥に手を伸ばし……


ガッ


「サンラク君、お楽しみは最後にとっておくべきでしょ?」


「そうだな、ボンジリかハツを最後に残すべきかな?」


ぐぐぐ……


「いやホラ、なぁなぁにしようとしてるけどそれはそれだからね?」


「ははは何のことやら」


「現状ユニークが再戦可能か分からない以上、勝手にユニーク進めまくってるケジメは必要だよねぇ?」


や、やめろぉ! さっき店員が持ってきたレベル5はもういいだろ! あれ生姜か!? スティック状の生の生姜!? いや、というかその横の芋っぽい何かは……


「生こんにゃく芋スティックと生ショウガスティック、付け合わせは山葵だよ」


ニタァ、と邪悪極まりない笑顔と共に刺激物と刺激物が俺の前に差し出される。


「せ、せめて水をだな……」


「OK! 任せてサンラク!」


「おい待てカッツォ、何故俺のジンジャーエールの上で大量のレモンを握り締めて……」


「唐揚げじゃないから大丈夫!」


ビタミンを凶器として運用するんじゃないよ!

刺激物に刺激物をつけて刺激物で流し込めと!? 刺激の上限超えてるだろこれ、減衰とかしないの?


「ホラ、男の子を見せよっかサンラク君」


「サンラクのーちょっといいとこ見てみたい、あそーれ」


助けて夏目氏!


「……使う?」


マスタードを差し出された。

リュカオーン:自分がマーキングした場所に出現する。とりあえず目撃者はムシャる

???????と違いリュカオーンは一体しか存在しない


ジークヴルム:呼ばれてもないのに勝手に乱入する。高レベルだったり高プレイスキルが相手だと三割増しでウザくなる

シャンフロ世界に対する最強クラスのカウンター

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― 新着の感想 ―
生こんにゃく芋は素手で触ってはダメなレベルの毒物よ?
[気になる点] 数年前にこの話を初見で読んで今更なんだが… もしかして生ショウガスティックを罰ゲーム扱いしてるね君ぃ? [一言] 普通に新ショウガは生で齧るものでとても美味いぞ! ディップソースは味噌…
[気になる点] ???????は無尽のかな
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