84話 エピローグ
光輝とひまりは都内の某有名私立大学に合格することができた。
そして、2人そろって引っ越しをして、今は3LDKのマンションに一緒に同棲している。
ひまりのミディアムだった髪も伸び、セミロングになり、カールを巻いている。
高校生の時に比べて、大人っぽくなり、大学生のお姉さんに見える。
口調も高校生の時のギャル語から、大学生らしい言葉遣いに直っている。
元々、ひまりはお嬢様なので、口調を変えることに問題はなかったらしい。
大学に入学してから1カ月が経っている。
大学にもずいぶんと馴染んできた。
光輝は建築学部を専攻し、ひまりは文学部を専攻している。
大学ではなかなか時間が合いにくい2人だが、昼の休憩時間はなるべく一緒に食べるようにしている。
高校2年生からの付き合いだが、今でも仲が良く、大学公認のカップルとなっている。
渚は某有名国立大学へ入学して都内に引っ越ししているので、週に1度は会っている。
しかし、雄太は違う大学へ合格したため、他府県で生活している。
今でも渚のことが忘れられずに、毎日のように渚へ連絡してきているそうだ。
渚と雄太はもちろん付き合っていない。
若菜と武彦は高校3年生になってから付き合い始め、地元の同じ大学へ合格して、2人で楽しいキャンパスライフを楽しんでいる。
「光輝……これから渋谷へ遊びに行きたい……渚と会うの……一緒に行こう」
「車で行くのか? それとも自転車で行くのか?」
「ううん……歩いてがいい」
光輝とひまりの家は渋谷まで歩いて30分ほどで到着する距離にある。
マンションの鍵を閉めて、ひまりと2人で手をつないで、渋谷までの道を歩いていく。
光輝は今まで都会で暮らしたことはなかったが、ひまりと一緒にいれば、どこでも幸せだ。
ひまりは常に光輝を見て、優しく微笑んでくれているから。
これからの大学生活も大変だろうけど、ひまりと2人一緒なら、乗り越えていけるだろう。
ひまりは手を放して、光輝の腕に自分の腕を絡ませて、寄り添ってくる。
そして光輝を見て楽しそうに微笑む。
渋谷までの道は今では光輝とひまりの散歩道となっている。
都会の暮らしも慣れれば良いものだ。
ひまりが楽しそうにしていることが、光輝には1番嬉しい。
「今日も渋谷までデートだね」
「そうだな……渋谷までデートだな」
渋谷では渚が待っているだろう。
高校の時よりも大人びて、渚は大人の美女に変身している。
今では芸能プロダクションからスカウトが止まらないほどだ。
渚にはその気はないらしく、全てを断っている。
「渚には悪いけど……もう少し長く、光輝と2人で散歩がしたい」
「そんなことをすると渚に怒られるぞ」
「渚に怒られるのは毎回のことだから平気……エヘヘ」
こういうところは高校生の頃からひまりは変わっていない。
光輝は笑顔でひまりの頭をなでる。
「光輝お願いがあるの?」
「何?」
「帰ったら……いっぱいしてね……」
光輝はその言葉を聞いて硬直する。
まだ太陽も沈んでいないのに、その話題はしないでほしい。
恥ずかしくなって顔を背ける。
「今のは冗談……私も恥ずかしい……」
「……」
段々と渋谷が近づいてきているが、光輝達は別の方向へ向かって歩き始める。
渚には遅刻して申し訳ないが、光輝も今はひまりと散歩をしたい。
2人で寄り添って、街路樹の中を歩いていく。
END
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