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69話 生徒会長選挙④

 光輝達の食事の風景は、木下沙織の選挙ポスターとなり、掲示板に張り出された。

ひまりの人気は今も強く、掲示板に張られていたポスターは何度も剥がされ、持ち逃げされたという。


 3年生を除く全校生徒が体育館に集められ、浩平と木下沙織との演説合戦になった。

浩平の人気は高く、多くの女子から声援を送られていたが、浩平が打ち出した、三雲高校を進学校にする演説がはじまると、浩平を応援する女子も男子も静かになった。


 木下沙織が演壇に立ち、今の三雲高校の校風の素晴らしさを語り、今の校風をもっと明るく、元気に前進させていこうと演説すると、1年生の生徒達も、2年生の生徒達も大いに沸いた。


 それから1週間後に選挙となった。1人1票を持って、体育館にあるボックスの中へ投票していく。

ボックスは厳重に先生方々に監視されていて、違法なことはできない。


 1年生と2年生が体育館に集められ、全員の前で開票が行われた。

結果は大差をつけて木下沙織が圧勝した。

完全勝利に近い。


 最後まで浩平を応援すると言っていた生徒達の中からも裏切り者が多数でたようだ。

浩平は顔を真っ赤にして、拳を握って、空中の一点を睨みつけている。

今までにこれほど浩平の計画が狂ったことはなかったのだろう。


 皆のため、クラスのため、学年のため、学校のためと言いつつ、自分の欲求を通してきた浩平だったが、今回ばかりは、皆の反対意見のほうが上回った。


 これだけの大差で勝利するなら、わざわざ木下沙織に協力しなくても良かったのではないかと光輝は思う。

わざわざ浩平と敵対関係になる必要はなかった。

後々のことを思うと浩平との対立は避けておきたかった。

しかし、今となっては仕方がない。

これからは浩平と穏便にすむように心がけていくしかないだろう。



「ヤッター! ヤッター! レッツ勝利!」



 ひまりは光輝の気苦労も知らずに、無邪気にハシャイで飛び跳ねて喜んでいる。

渚も若菜も、そんなひまりを見て嬉しそうに微笑んでいる。



「やったぜ。イケメン野郎。やっと浩平に勝つことができて、気分がスカッとしたぜ」


「イケメンは埋まれ。イケメンは撲滅しろ。俺達の勝利だ」



 雄太と武彦も浩平が敗退したことで、大喜びに叫んでいる。

少しだけ浩平のことを可哀そうに思う光輝だった。







 生徒会長選挙から1週間が経った。

新しい生徒会役員が決まり、木下沙織会長を筆頭に新しい生徒会が始動した。


 生徒会役員を決める時に、渚が木下沙織に勧誘を受けていたが、きっぱりと断っていた。

光輝も生徒会役員に誘われたが、きっぱりと断った。

これ以上、浩平ともめたくない。

それに目立ちたくない。


 今度の生徒会は、先輩の生徒会の方針を継承した形なので、変化はゆるやかになるだろう。

まだ1週間しか経っていないが、生徒が受ける印象はあまり、以前の学校と変わっていない。


 浩平が光輝の席へと歩いてきた。



「今回は負けたが、僕はまだクラス委員長だ。クラスのためにも僕は委員長をやめない。光輝もクラスのために働いてくれ。生徒会長選挙で僕を裏切ったんだから、それぐらいはしてくれるんだろう」


「それはお断りだ。浩平が委員長でも間違いだと思ったら、俺は間違いだというぞ。今までは浩平の主張がクラスの意見と一致していたから、俺は見過ごしてきただけだ。それはこれからも変わらない」


「僕は光輝……お前のことが嫌いだ。ひまりも手に入れて、全てを手に入れていくはずだった。本当は全て僕のものだったのに」



 光輝も浩平の性格は好きではない。

光輝に絡み癖はない。

見切って、疎遠にするだけ。

ただ、それだけだ。



「ひまりは物ではないし、学校に浩平のモノなど1つもない。いつか、その傲慢な性格が皆に知れる時がくるぞ。その時には全てを失うことになる。今から心を入れ替えろ」


「本当にうるさい男だよ光輝は。全て僕の思い通りに運べば上手くいくんだ。光輝はいつものように黙ってろ」



 別に光輝のほうから浩平に絡むつもりはない。

浩平がクラスを上手く動かすというなら、光輝から何もいうこともない。



「1つだけ言っておく。俺とひまり、後……俺の仲間に手を出すな。その時は本気で浩平でも潰すからな。お前の性格を学年全員にバラす」


「光輝のいうことなんて誰も聞くものか」


「では生徒会長の木下沙織に動いてもらう。俺も沙織には貸しがあるからな」



 それを聞いた浩平は顔を真っ赤にして、唇を強く噛みしめて、光輝から顔を背けて去っていった。


 最後に言った言葉は光輝の本音だ。

もし、必要があると判断すれば光輝は動くつもりでいた。



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