表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/84

68話 生徒会長選挙③

 次の日の朝に、光輝とひまりが登校して席に座っていると、顔を真っ赤にした浩平がやってきた。



「お前達……昨日、木下沙織と会って、手を組んだらしいな」


「もうそんなに噂になってるのか……俺とひまりは木下沙織に挨拶に行っただけだが」



浩平は顔を真っ赤にして、怒っているようだ。

浩平からすれば裏切り行為と取られても不思議ではない。

これからA組全体を1枚岩にして、生徒会長選挙を戦っていきたい浩平からすると、光輝の取った行動は許せないのだろう。



「昨日、浩平から自説を聞いたから、木下沙織の意見も聞いておかないと公平じゃないだろう。だから聞きにいった」


「それで光輝自身はどう思ったんだ」


「木下沙織の学校改革のほうが、俺の理想に合ってると思った。だから沙織と握手を交わしただけだ」



 木下沙織が全く光輝の望まない意見を持っていたなら、光輝は沙織と握手はしなかった。

しかし、沙織は今の三雲高校が大好きで、これからも三雲高校を明るく元気な学校にしたいと言った。

その言葉は光輝の考えに合致している。



「俺は沙織の意見に賛同する。浩平の意見に沿うことはできない」


「俺の敵になるということだな」


「別に敵になるつもりはないし……俺1人が反対しても反対票が1票増えただけじゃないか」


「光輝……お前は自分を過少評価しすぎる。お前が反対するということは、ひまりが反対するということだ。そのことを忘れている」


「今の私は光輝だけのものだし……他の男子達もそのことを知ってるから、何も言ってこないし」



 ひまりが浩平の言葉を聞いて小さく反論する。

確かにひまりは今でも男子にも女子にも人気を誇っているが、光輝と付き合ってからはそれほど人気はないはずなんだが。



「俺が生徒会長になった時には、必ず風紀の乱れを徹底的に根絶するからな」



人が風紀違反をしているような言い方はやめてくれ。

光輝とひまりは健全な付き合いをしている。

皆に黙って同棲はしているけど……健全だ。



 雄太と武彦が登校してきた。

それを見た浩平が光輝の元から去っていく。

それを見た雄太が不機嫌な顔をする。



「俺達が登校してきたからって、避けていく必要はねーだろう」


「浩平にも知られたくないことがあるんだろう」


「そういえば、昨日の放課後に木下沙織に会いに行ったんだろう。どんな感じの女子だった?」



 髪型はショートで、少し鼻低くて童顔だが、可愛い顔をしていたな。

すごく背が低いのに、誰よりも元気で明るい、太陽のような印象だ。



「感じの良い女子だったぞ。まるで太陽のような笑顔の似合う女子だった」



 それを聞いた雄太と武彦は興味を深く、光輝から話を聞こうとする。



「それでどうなったんだよ」


「ああ……木下沙織は今の三雲高校を大幅に変更するつもりはないそうだ。元気で明るい学校にしたいと言っていた。だから、俺とひまりは木下沙織に1票入れることにした」


「なるほどな……だから浩平は焦ってたのか。浩平としてはA組全員を自分の票にしたかったはずだからな。俺も今の学校のほうが良いから木下沙織に1票いれるぜ……武彦はどうする?」


「俺ももちろん木下沙織に1票入れるよ。イケメン男子は嫌いだ。同じ1票なら可愛い女子に入れる」



 なるほど……あっという間に反対票が光輝を合わせて3票になった。

浩平はこの連鎖反応を嫌がったのだろう。


 渚と若菜が登校してきた。

それを見たひまりが渚の元へ走っていく。

ひまりも昨日の話を誰かにしたかったのだろう。

これで渚も若菜も反対票になるだろう。







 昼休憩になって、ひまり達と一緒に弁当を食べていると、木下沙織が教室に現れた。

そして光輝達を見回して大喜びして、手を胸の前で組んでいる。



「これよ。この風景がほしかったのよ。男女が集まってお弁当を食べてる姿って素敵じゃない。さー写真部の皆さん、この素晴らしい風景を撮っちゃって」


「ちょっと待ってよ……食事を食べてる風景なんて恥ずかしいし……許可もなく写真を撮っちゃダメなんだから」



 ひまりが手をバツにして、写真部にストップをかける。

すると木下沙織が光輝の元へ歩いてくる。



「私の理想は男女共に元気で仲良く、楽しくいる学生生活なの。あなた達は普通だと思って一緒に食べているんだろうけど、これほど仲良しなグループってあまりないのよ。昨日、協力するっていったじゃん。だから写真を撮らせて」



 確かに光輝達6人は仲の良いグループだと思う。

しかし、他にも同じようなグループも沢山いるだろう。

木下沙織が狙っているのはひまりのいるグループだ。

特にひまり、渚、若菜は美少女だから写真映えする。



「写真は撮ってもいいけど、食事中の写真は止めてね。撮ってくれるなら、もう少し上品なほうがいいわ」



 渚がおっとりとした調子で木下沙織に忠告を放つ。

沙織はそれを聞いて、にっこりと笑う。



「確かに食べてるシーンは写真映えしないね。皆が自然な笑顔の時の写真にしましょう。写真部頑張って」



 そして光輝達は昼休憩のシーンを写真部に撮られることとなった。



「これは何に使うんだ?」


「私の理想。明るく元気な三雲高校の宣伝ポスターの1枚よ。出来上がったら皆に生写真をあげるから許してね」



 それを聞いて雄太と武彦が大喜びする。

ひまり、若菜、渚も嬉しそうに微笑んでいる。


 遠くから視線を感じて見ると、浩平と凛香が顔を真っ赤にして光輝を睨んでいた。

これで、浩平との対立がはっきりとしてしまった。

浩平と対立すれば、これから先、クラスでの色々なことで支障が出る可能性がある。

できれば浩平とは対立したくなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ