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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
ダンジョン編
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ビアンコ18歳 シーデンの森 pt.6

 翌朝、僕たちは七階層に向かった。七階層はでかい洞窟だった。そしてミノタウロス四匹が僕たちを出迎えた。

「マジかよ・・」

「ポイズンホーネットの後はミノタウロスか・・結構違いすぎないか?」

「ミノタウロスというんですか・・初めてですね。僕、もっと馴染みのある魔物の方が嬉しいんですけど・・」

「おまえたち、しっかりしろ!外でB級魔物をたくさん倒してたんじゃないか?いつも通りやれば大丈夫だ!」

 ミノタウロスが僕たちの会話が終わるまで待ってくれず、斧を持って僕たちに襲いかかってきた。ブライアンさんはすぐ強化魔法を僕たちにかけてくれた。僕はすぐに火魔法の剣を握って構えた。ミノタウロスが斧を大きく上げ、僕に下ろそうとした瞬間、ミノタウロスの反対側の下を滑り込んで、火の剣を繰り上げ、ミノタウロスに一撃を入れた。『ゴァッーーーーー』ミノタウロスの咆哮が鳴り響いた。僕はミノタウロスが体制を整えられないうちに、もう一度火の剣をミノウタウロスの首に下ろして、切断した。

(い、意外と・・・簡単に倒せた・・)

「うわっ、マジかよ!ビアンコ一人で倒しちゃったよ!」ブライアンさんの喚いた声が聞こえた。僕はみんなを見ると、ミハイルさんが魔法で二匹と戦っていて、ブライアンさんが攻撃魔法でもう一匹と戦っていた。ミハイルさんは二匹も相手にしているから、僕はすぐにミハイルさんの戦闘に参戦することにした。僕はちょうどミノタウロスの後ろにいたから、そのままミノタウロスの後ろに飛び込んで、一匹目と同じく残りのミノタウロスの首を狙って火の剣を下ろして切断した。残りのミノタウロスはミハイルさんとブライアンさんが片づけた。

「ミノタウロスって見た目ほど強い魔物でもなかったみたいで助かったんですね。それに生き物の弱点はだいたい首なんですね?これから首を狙って倒すことにしますよ。勉強になりました」

「ビアンコ・・・おまえ・・・」ケリーさんにドン引きされた気がした。なぜ?

「ビアンコ・・・おまえ、ドン引きするぐらい強くなったな」

「びっくりしましたね。意外と簡単に倒せちゃいました。でもこれは魔法の首飾りをかけたブライアンさんの強化魔法のおかげじゃないですかね?」

「あっそうか。俺の強化魔法のおかげだったわ」

「「違うと思うぞ」」ミハイルさんとケリーさんは突っ込んだ。


 ミノタウロスを倒してミノタウロスのツノを拾った後、僕たちはさらに進んで、ガーゴイルが四匹いた。

「マジかよ・・・」

「ミノタウロスの後はガーゴイルか・・・」

「ガーゴイルというんですか・・・初めてですね。僕、もっとなじみのある魔物の方がうれしいんですけど・・」

「おまえたち、同じ会話を繰り返すな。しっかりしろ!」

 ブライアンさんに強化魔法をかけてもらった後、僕は火の剣を握って、ガーゴイルに襲い掛かって、火の剣を下ろした。

「あれ?」僕は首を傾げた。しっかりとガーゴイルに斬りつけたはずなのに、あまり手応えがなかったような・・

「ビアンコ、こいつは武器による攻撃の防御力がめちゃくちゃ高いから、魔法で倒さないといけないんだ」

「なるほど、わかりました」

 僕は風刃を大量に飛ばした。剣よりマシだけど、あまりダメージが与えられていない気がしなくもない。ミハイルさんを見ると、ミハイルさんは水刃をガーゴイルにぶっ込んでいる。結構ダメージを与えられたから、ガーゴイルが水魔法に弱いんだと気付いた。まあ確かに見た目通り、水に弱そうだったな。それにブライアンさんの攻撃魔法も結構効いているみたいだ。僕も水魔法も使えたらよかったのにな・・・

 絶大な効果はないけど、僕はずっと風刃をガーゴイルに飛ばした。そしてガーゴイルが急に僕のほうに飛んできて、僕は咄嗟にウィンドウォールを使った。ミハイルさんはずっと水魔法をガーゴイルにかけっぱなしにしてようやくガーゴイルを退治できた。ガーゴイルから魔石が落ちた。

 ガーゴイルを倒したあと、六階層の奥に進むと、宝箱を見つけた。ブライアンさんとミハイルさんに守られながら、宝箱を開けてみると、

「おっ!剣ですね!まあまあ大きい件ですね。何の剣ですかね?」

「おっーーこ、これは!これは魔剣だ!」

「へぇー魔剣ですか?初めてみました」

「魔剣ってめちゃくちゃレアだぞ!俺も初めて本物を見た!国宝レベルの代物だ!一介の冒険者なんぞ一生見れないぐらいめちゃくちゃレアだ!」

「そんなレアなものがこんなダンジョンにあるんですね」

「いやぁ、困ったな。国に知られると面倒だから、知られないようにしよう。とりあえず売らずに俺らでとっとこう。どうするか後で考えよう。もしかして俺たちで使う機会があるかもしれないしな。魔剣を使うと想像するとワクワクするな」

「わかりました」僕は魔剣をミハイルさんに渡して、ミハイルさんは魔物の素材専用のマジックバッグに魔剣を入れた。


 僕たちは今七階層の休憩所でまずい昼食を食べている。

「ミハイルさん、あの魔剣は何の魔剣だったんですか?」僕は昼ご飯を食べながら、ミハイルさんに聞いた。

「俺も実際に魔剣を見たのは初めてだからあの魔剣はどんな魔剣なのかわからんが、ただ魔剣と言ったら、ほとんど血生臭い歴史を持つものだと聞いているよ。例えば、人間の血を欲しがる魔剣だとその魔剣に血を満たすために、魔剣が持ち主を操って人をたくさん殺させるとか。後は魔剣が持ち主を支配して、持ち主の人格が変わってしまうとか。後は持ち主に絶大な力を与えるが、それと引き換えに持ち主に災禍をもたらすとか。だいたいそんな話だ。でも魔剣は通常は傷つけられないものを傷つけられるし、持ち主に特別な力を与えるから、そんな血生臭い歴史ばかりの魔剣でも欲しがる人が多いんだよね」

「傷つけられないものって例えば・・えーと、魂とかですか?人の心とか?」

「うーん、どうだろうな。後は伝説級の魔物のドラゴンとか神様とかかな。簡単に言うと例えば俺らの剣でSランクの魔物を傷つけられないけど、魔剣だとそんな魔物を殺せる、って感じじゃないかな」

「じゃ、さっきの剣を使えば、シーデンの森に怖いものいらずってことじゃないっすか!?なら使いましょうよ、リーダー!」

「だから、持ち主にも災いをもたらすってリーダーが言ったんだろう?」

「それに魔剣を使うとか悪目立ちすぎて、めんどくさいぞ。国にその魔剣をどうのこうの口うるさく要請されそうだから、むやみに使うなよ」

(傷つけられないものを傷つけられるって、僕の中のものも傷つけられたらいいのにね)


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