ビアンコ18歳 シーデンの森 pt.1
僕が18歳のとき、『アイアンナイト』はAランクの冒険者パーティーになって、僕もAランクの冒険者になった。あの頃、アイアンナイトは西方の地と北方の地で活動していた。ある日、僕たちはソレアン街の冒険者ギルドに行って依頼を探していた。
『ユニコーンのツノを一つ集める』
「おい、みんなこれ見て。ユニコーンのツノを集めるってさ!」ブライアンさんはそんな依頼を見つけて、僕たちに話した。
「ブライアン!その依頼に触るな!でなきゃ、違約金はおまえ一人が払うからな!」ケリーさんは焦ってブライアンさんの予測不能の行動を止めた。
「触んねぇよ!俺を信じろよ!」
「おまえには前科があるからな。指一本でもあの依頼を触れるなよ」
「ユニコーンのツノの素材集めですか?こんな依頼、誰が出したんですかね?」
「ユニコーンなんてね〜。一生成功しないんじゃないかな?」
「その依頼、結構前からあったんだよ。バカみたいな依頼だろう?」他の冒険者が僕たちに話しかけた。
「確かにね、こんなのやはり一生成功しないんだろうね」ケリーさんはその冒険者に同意した。
ユニコーンは伝説の魔物だ。体が大きく、全身が白く輝く、頭に一本のツノが生える馬の姿をした魔物と言われている。伝説の魔物とも言われたぐらいだから、見たことがある人なんて噂さえ聞いたことない。だから僕たちは誰かが悪戯のつもりでこんな依頼を出したのかとしか思っていなかった。
しかしある日、
「なぁ、俺たち、ユニコーンを探しに行かないか?」ミハイルさんは突然そんなことを言い出した。
「えっ?その依頼を受けるんですか?で、でもユニコーンは実際にいるかどうかわかりませんし、見つからなかったら、僕たちは違約金を払わないといけないんですよ」
「正式に依頼を受けないよ。ただシーデンの森に入って探検してみたいなと思ってるだけだ。もし見つかったら、素材を確保して戻ってきて、その時に依頼を正式に受けて、ツノを渡せればいいんだろう?そんな依頼を誰かに先を越されることはないからな」
「・・・本気ですか、リーダー?」
「で、でもリーダー、ユニコーンなんて実際に見た人なんていないんじゃないっすか?」
ケリーさんとブライアンさんも僕と同じく消極的だった。
「ユニコーンがいなかったらいなかったでいいんじゃないか?でもさ、シーデンの森ってほとんで誰も入ったことないんだろう?俺たちが率先して森を開拓したら、冒険者として光栄なことだぞ。そう思わないか?絶対に面白いぞ。それにシーデンの森は魔物が多いからユニコーンがいなくても他の魔物を倒して素材を集められるから、悪い話じゃないと思うぞ」ミハイルさんはイキイキして、目がキラキラした。ミハイルさんは冒険者らしく、本当に冒険が好きだから、シーデンの森に入る気満々だった。ミハイルさんは芯まで冒険者で本当にかっこよかった。僕はアイアンナイトに入ったときからずっとミハイルさんに憧れていた。
「どうだ?おまえたちはずっとシーデンの森の外からしか見たことがないんだろう?シーデンの森の中を知りたくないか?」ミハイルさんはまたイキイキして、僕とケリーさんとブライアンさんを誘った。
「わかりました。僕はミハイルさんについていきます」ミハイルさんがそんなにやる気満々だったら、シーデンの森の開拓は絶対に楽しい冒険になるはずだ。楽しみだ。
「リーダーがそこまでいるなら、俺も行きます!シーデンの森へ行きましょう!」
「リーダー、俺もっす!なんか楽しみっす!」
やっぱりケリーさんもブライアンさんもミハイルさんに付いて行くんだ。二人ともすごくミハイルさんを尊敬しているから。
「よし!では俺たち、三日後にシーデンの森に入ろう!それでシーデンの森で一週間ユニコーンを探そう。一週間が経ったら、森の出口を目指してシーデンの森を出よう」ミハイルさんはざっくりシーデンの森の冒険計画を伝えた。「でももちろん安全第一だから、もし俺たちはヤバくなってきたら、その時はすぐ撤退して早く森を出るからな」
「「「はい!」」」
ミハイルさんが僕とケリーさんとブライアンさんをシーデンの森の開拓に誘った日から三日後、アイアンナイトはシーデンの森の西方の地の森の入り口から入り、森の中心にある山に向かって出発した。僕たちはシーデンの森に入ってしばらく歩くと、コカトリスに遭った。一発目でコカトリスとか、やはりこの森は噂通り危険だった。
「みなさんさん、僕がやります!」僕はコカトリスに風刃を連射して攻撃したけど、コカトリスが逃げながら僕に攻撃をしてきたから、ほとんど当たらなかった。僕はウィンドウォールでコカトリスの攻撃を防いで、もっと魔力を込めて更に風刃を連射して、コカトリスを攻撃し続け、やっとコカトリスを退治できた。
実は僕は風魔法より先に火魔法を使いたかったけど、飛べる魔物と戦うとき、火魔法を使ったら、周りの木々が巻き込まれて燃えてしまって、僕たちも巻き込まれてしまいそうだから、仕方なく風魔法を使うことにした。
「よくやったな、ビアンコ」
「まだ18歳なのにすごいよね~」
「三つの属性の魔法も使える人なんてなかなかいないよな」
「っていうか三つの属性を使える人なんてビアンコしか知らない~」
ミハイルさんたちは褒めてくれた。僕は二年前にあと少しで死ぬという体験をした。その時から僕はもっと強くならなければならないと決めて、自分の適性がある魔法を探して、ずっと魔法のスキルを極めてきた。これはミハイルさんたちのおかげと言っても過言ではないのだ。
僕がコカトリスを退治した後、僕たちは運べるだけコカトリスの肉を確保して、そして素材も確保してまた出発した。しばらく歩くとポイズンスライムに遭った。僕は見たことがなかったけど、ミハイルさんが教えてくれて、そしてミハイルさんが剣を抜いてそのポイズンスライムを退治した。ポイズンスライムは特に素材もなく肉もなかった。
ミハイルさんがポイズンスライムを退治した後、再出発した。しばらく歩くと今度はロックバードに遭った。今度は魔法使いのブライアンさんが攻撃魔法を連射して、ロックバードを退治した。
僕たちはそんな感じで順番に高ランクの魔物を討伐したり、協力して高ランクの魔物を討伐したりしながら森の奥に進んだ。




