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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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現在 魔物退治 pt.2

 洞窟の道を進んでいくと、道が三つに分かれた。


「アニー、探索魔法でなんとかできないか?」


「了解〜」アニーはしばらく集中して、魔法を放った。


「左の方からたくさん魔物の気配がするよ。うーん、でも右の方からも生き物の気配を感じる、若干だけど。真ん中は特に何もないみたいよ」


「右の生き物の気配ってなんだろうな。魔物じゃないのか?」


「うーん、気配が小さすぎてはっきりわかんないけど、魔物じゃないと思う」


「じゃ先にここのボスを倒して、右に行こう。もしかして村の人かもしれないから」


「そうね〜そうしよう〜」




 僕たちは左の道に進んで行くと、さっき遭ったゴブリンより大きいゴブリンがいた。


「ホブゴブリン?久しぶりに見たわね」セシルが呟いた。


「この洞窟の中にまだ群れがいるかもしれませんね」パスカルは落ち着いた声で言った。


「今まで通りやればいいんだ。僕は一人で行く。みんなサポートお願い」



 僕はホブゴブリンの右に飛び込み、斬りかかろうとしたけど交わされた。一発目で簡単にはやられてくれたら助かるんだけど、そうはいかないよね。あいつは僕に火魔法を放ち、僕は避けた。魔法も使えるんだね。こいつはまた僕に火魔法をかけて、俺は避けながらホブゴブリンに近づけ飛び込んで、剣を大きく上げ、そして下ろした。ホブゴブリンの首の肉を通ったと実感した。


(あーやっぱ気持ちがいいよな〜)


 とりあえずホブゴブリンに勝ったとわかると、喜びに浸った。しかし、ゴブリンは群れで生息する魔物だし、中位種のゴブリンがいるってことはこの洞窟の中に更に上のやつがいる可能性がある。群れがあるということは僕にとっていいことだ。これは快楽な魔物討伐になりそうだから、楽しみだ。


 僕たちは通路の奥に進めば進むほど、ゴブリンが湧いてくる。僕たちはゴブリンを更に十匹、二十匹、また更に三十匹が出てきて、僕、フィル、セシルはどんどん倒していく。そして僕たちは大きな空間に出た。その広い空間の中にゴブリンの大群れが見つかった。


「ねぇ、さっきからずっと思ったんだけど、どうしてにゴブリンがこんないるの?」セシルは驚いた。それはそうだ。あの空間に100匹以上いるんだから。


「こんなにいるんだから、ゴブリンキングもいるかもしれない。行くぞ。みんな手加減なしで頼む」


「「「「了解!」」」」



 このゴブリン討伐は軽めの重労働だった。その空間の中にゴブリンがたくさん生息している。150匹いるんじゃないかな?パスカルは僕たちに回復魔法をかけているから、疲れを感じずに、戦い続けられるけど、パスカルがいないとさすがに僕でも疲れてしまいそうだ。


 僕は三つの属性の魔法が使えて、手っ取り早く魔法を使ってもいいけど、あえて剣を使うようにしている。理由はとても簡単だ。剣のほうが生き物の肉を貫通するときの快楽を味わえるからだ。敵がただのこんな下級魔物だと魔法なんて使うともったいないと思う。


(ふふ、でもこんな機会はなかなかないよな、楽しもうじゃないか。最近全然思いっきり獲物を狩っていなかったから、結構溜まっているんだよね~)


 僕はそう思いながら、ゴブリンの群れに突進した。しばらくゴブリンの斬り殺しを楽しんでいると、ゴブリンキングを見つけた。こいつが火魔法を使って僕に放った。僕は余裕で避けてゴブリンキングに飛び込んであいつの首を狙って斬り落とそうとしたけど、避けられてしまった。ゴブリンキングはまた火魔法をかけ続けて、僕は避けながら、徐々にゴブリンキングに接近していった。何回かゴブリンキングの攻撃を避けると僕はやっと僕の攻撃可能な範囲までゴブリンキングに接近できた。僕は更に速度を出して、剣を大きく上げ、ゴブリンキングの体を二つに切断した。


 下級ゴブリンは自分の長が死んだのを知って、動揺し始めてゴブリン隊から乱れができた。僕はそのまま剣を使って容赦なくゴブリンを斬撃していく。フィルは剣を振るいながら、時々水魔法の水刃と水弾も放つ。セシルは風魔法の風刃と風弾を使い続ける。アニーも僕たちに強化魔法と防御魔法をかけたら、僕たちの動きを見ながら、タイミングを計って攻撃魔法でゴブリンを退治していく。僕たちは全力で残りのゴブリンを一匹、また一匹殺していった。そしてゴブリンが全部死んだ。みんなは疲れていて、パスカルが回復魔法をかけたあと、僕たちはしばらくその広い空間で休んだ。僕は静かに快楽に浸った。


 僕はこんな人間だから。この先どうなるかわからない。今のうちにできるだけ快楽に溺れていたい。



「ゴブリンしかいなくてよかったね〜。ちょっと疲れたけど、余裕だったね~」


「でもゴブリンだけでもあの数だと、ちょっち厄介だったわね。それにゴブリンがあんにごちゃごちゃいるのを見るとちょっと気持ち悪いわ」


「そうですね。みなさんが余裕過ぎてまったく誰も死にかけそうになってくれませんでした。今回も回復魔法しか使っていませんね。残念です」


「言い方がいや!怖いよ!やめて!」フィルは口を尖らせた。


 僕たちはそんな会話をして休憩した後、僕たちの残りの仕事を進めた。


 その残りの仕事はゴブリンの亡骸の処分とゴブリンの巣を破壊することだった。面倒だけど、やらないと他の魔物がまた棲みついてしまう。僕とセシルは風魔法が使えるから、風魔法でゴブリンの巣を軽く壊していって、アニーは浮遊魔法でゴブリンの亡骸と巣の瓦礫を同じところにまとめた。そして僕は土魔法で大きな壁を作って瓦礫を囲み、その土壁の中に魔力を弱めた小さなファイヤボールをぶっこんで中の瓦礫を燃やした。その間にフィルとパスカルはホブゴブリンとゴブリンキングから出た魔石を拾ってくれた。魔物から出た魔石や素材は僕たちの旅の資金になるから、大事なものだ。


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