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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
ダンジョン編
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現在 シーデンの森 pt.7

 翌日、僕たちは三階層を降りた。

「さささささむい~~~~~!」

「ビビビビアンコ、きききき昨日のマントお願い」

「アニー、かかかかかからだを温める魔法はああああありませんか?」

「ビアンコ、マントくれ!」

「み、みんな、一旦上の階に・・も、戻ろう」

 三階層は雪山だった。

 


 僕たちは急いでさっきの出口に戻った。さっきの雪山は尋常じゃなかった。あと少しだったら、凍死していた。僕たちはいつもマジックバッグに入れてある防寒具を取り出して着用した。効果が少ないかもしれないけど、ないよりマシだ。僕は二階層で回収した防寒マントを取り出した。五人もいるんだけど、マントは一枚しかない。どうしようか。


 僕は誰にこのマントを着てもらうか判断できず、金貨投げをすることにした。


 1周目は僕、フィル、アニーは裏で、パスカル、セシルは表だった。裏が出たから、僕、フィル、アニーは生き残った。


 2周目は僕は裏で、フィルとアニーは表だった。表が出たから、僕は落選。


 3周目はフィルは裏で、アニーは表だった。


 裏が出た。


「やったぁぁぁぁーーー!」フィルはバク転を2回してから、休憩所を走って回った。今までにないほどめちゃくちゃ歓喜していた。


「もうっーーー!悔しいよっーーー!」アニーは何度も地面を足で叩いた。今までにないほど悔しそうだった。



 僕たちは三階層に向かって再出発した。防寒具を着てるけど、それでもすごく寒い。最悪の場合、僕の火魔法で何とかしよう。


 雪山を歩くと、スノーフォックスの群れが現れた。スノーフォックスが僕たちに何かする前に、僕はたくさんファイアボールを作り、さっさとスノーフォックスにかけて退治した。素材の確保は一番快適に過ごしているフィルに全部押し付け、防寒マントを着ていない人はさっさと前へ進む。後ろからフィルの訴えが聞こえたような気がしたけど、極寒のせいで幻聴が聞こえてしまったんだろうと思い、僕たち四人はその声を無視した。


 更に道を歩むと、巨大な熊に遭った。僕はその熊の魔物を見たこともないし、どんな魔物なのかも知らないが、こんなところで一匹の熊に時間を潰す気はない。僕は槍の形をした火魔法ファイアランスをたくさん作り、その熊を的にしてめった刺しした。一瞬でその巨大な熊は消えた。寒さのおかげで思わず新しい火魔法を作ってしまった。


「なんか暖かいね〜。ビアンコ、もう一回火魔法をそこらへんにかけて~」


「こんなやる気があるビアンコを見たことがなかった気がするわね」


「ゆっくりしていたら、私たちは凍死しますから。フィル、ちゃんと素材を拾ってくださいよ」


「なんで俺だけだよ!おまえたちも拾えよ!」


「君が一番快適に過ごしているからだ。文句あるなら、マントを脱げ」僕は容赦なくフィルに言い放った。


「ビアンコ、もしかしておまえは寒がりなのか?」


「こんなところにいたら、誰でも寒がりになるだろうが」



 僕たち四人はフィルに素材拾いを任せ、さらに道を歩む。そしてホワイトタイガーの群れに遭った。ファイアストームを使おうと思ったけど、ホワイトタイガーの群れは広い範囲に現れているからやめた。ファイアストームを使っても一気に全部片づけられない。こんなところで魔物なんかにゆっくり時間をかけたくない。僕は一匹一匹のホワイトタイガーに炎のフレイムウェイブを立てるようなイメージをして火魔法を吹っ掛けた。僕の魔法の腕輪と魔法の首飾りのおかげでフレイムウェイブの威力が高く、何匹かのホワイトタイガーが死んで消えた。僕は残りのフレイムウェイブをもう一回かけると、ホワイトタイガーが全部死んだ。僕はそのまま前へ進んだ。


「今のビアンコはさっきの熊より怖いよ~」


「一瞬で新しい火魔法を生み出したぐらいマジなモードだわ」


「おかげで暖かいそよ風ができましたから、助かりますよ」


「やっぱあいつは寒がりだな。知らなかったよ」


「フィル、素材を拾え。文句あるなら、マントを脱げ」


「わかったよ・・・怖い顔をしないでよ・・」



 僕はメンバーの話声を無視し、道のりを進むと、森に入る道を見つけたから、そのまま森に入った。そして鷲に遭った。ただその鷲の頭はライオンの頭で通常の鷲より二倍大きくて真っ白だ。アイスアンズーだった。僕は迷わずアイスアンズーの周りに超高熱の炎撃フレイムショットを作り、同時にアイスアンズーに吹っ掛けた。一瞬でアイスアンズーが焼かれた。


「「「「・・・・」」」」


「ビアンコ一人で魔王討伐ができると思うよ〜。あたしの攻撃魔法なんかいらないね~」


「アンズーを一瞬で焼いちゃったんだけど・・」


「この階層は意外とスムーズですね」


「わかったから、素材を拾うから、怖い顔で俺を見ないでよ!今のおまえのほうがアンズーより怖ぇえよ!」


 僕はまたメンバーの話し声を無視して、森の道を進むとまたアイスアンズーに遭ったから、今度は僕はアイスアンズーが立っている地面にマグマを噴出させ、アイスアンズーを熱して溶かし、殺した。僕は視線でフィルに『拾え』と伝えてから、先へ進む。


「「「「・・・・」」」」


「相変わらず頼もしいね~ビアンコって~」


「もしかしてこの階層の魔物が弱いのかしら?」


「四つの新しい火魔法を作ってしまいましたね。さすが冬の精霊のリーダーです」


「だからそんな怖い顔で俺を見ないでよ!なんで俺にだけ当たりが強いんだよ!そんなにマントを着たいなら正直に言えよ!」


 僕は誰にも気にせず、そのまま道を進んだ。そしたら森のど真ん中に扉がポツンと怪しく立っているのが見えた。怪しすぎる。僕がゆっくり扉を開けると、ここの扉の裏は休憩所だった。


「ここ休憩所だよ」僕はメンバーにそう告げると、さっさと休憩所に入った。この部屋は暖かった。はぁ・・この階層で凍死するところだった。僕は火属性持ちで助かったよ。


「この階層は一瞬で終わったね~よかった~いろいろ速すぎて、『あれ、さっき魔物いたっけ?』って感じ~」


「ビアンコがいなかったら私たちは確実に凍死ていたわね」


「そうですね。私が回復魔法と治癒魔法を使う前に私も凍死しますから」


「あんなマジなビアンコを見たことがなかったよな。ヴァルモアと戦ったときよりマジモードだったよな」


「「「「確かに・・・」」」」


「そうか?全然自覚がなかったよ」


「「「「・・・・」」」」


 僕たちが休憩する前に、部屋にある宝箱を開けることにした。アニーがセシルに状態異常防御魔法をかけ、僕とフィルはセシルを守る体制に入る。セシルが宝箱を開ける。


「薬だわ」


「あぁ、これはエリクサーだ。いいものを見つけたな。よかった」


「これがエリクサーなんだ〜。初めて見た。売ると結構お金をもらえるでしょう?」


「いつか役に立つだろうから、売らずに僕たちで取っておこう」


「そうね。そうしよう」僕はセシルからエリクサーを取り、回収用のマジックバッグに入れた。


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