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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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ビアンコ15歳 初めての冒険者パーティー

 15歳の時、僕は冒険者として二年目になり、その時僕はEランク冒険者になった。まだランクの低いEランクだからか、冒険者パーティーと他の冒険者に馬鹿にされていたし、なめられていた。僕が冒険者パーティーの荷物持ちのために誘われたこともあったぐらいだった。そんな扱いをされていたけど、僕はこいつらを気にしなかった。なぜなら僕はこいつらより強かったからだ。僕はただこいつらより冒険者ギルドの登録が遅かっただけで、こいつらより弱いわけではなかった。僕はそこら辺の冒険者を簡単に僕の獲物にできると自信があった。父親が言った通り僕には剣術の才能も魔法の才能もあった。



 僕が初めて入った冒険パーティーは4人組のⅮランクパーティー、ソードアイ(剣の目)だった。


「てめぇか、新入りのビアンコか?足手まといするんじゃねえよ、くそガキ」鶏頭の馬鹿そうな男が言った。下級ランクの冒険者がよく言われる言葉だから、いちいち気にする必要はなかった。でもたかがDランクの冒険者パーティーの人間に言われる筋合いもなかった。こいつは身の程知らずだ。可哀そうなやつだ。


「Eランクの子供をパーティーに入れて、リーダーは何を考えているのかしら。Cランクとかだったら大歓迎なのに」くそビッチみたいな女が不満そうに言った。こいつは馬鹿なのか?Cランクの冒険者がⅮランクの冒険者パーティーなんかに入るわけがないだろうに。


「まあまあ、リーダーが決めたことだしいいじゃない?使えなかったら、荷物持ちになってもらってもいいじゃないかな」頭が弱そうなもう一人の女が言った。こいつは絶対に僕より弱いんだな。こいつも身の程をわきまえない人間だ。自分の力量さえわからない可哀そうな女。


「おまえらはやめろ!本人の前だぞ。ちゃんと相手の能力を見てから言え」赤髪男が言った。ふーん、この人はソードアイの中で一番まともな人かもしれない。この冒険者パーティーを獲物にするチャンスがきたら、この人をこのパーティーの中で一番最後にしよう。あっいや、この人は僕を庇ってくれたから最初のほうがいいかもな。最初の獲物は一番苦しみが少ないから。


「おまえらがそろったか。この前話した通り、今日からビアンコは俺らの仲間になる。一人で一年でEランクまで上がったんだから、ビアンコ、俺はおまえに期待しているぞ。よろしくな」リーダーは僕に笑いかけて言った。


「はい、よろしくお願いします」僕はニコニコしてリーダーに答えた。



 ソードアイと一緒に冒険して二週間経ち、ソードアイのレベルがよくわかった。かっこいいパーティーネームをしやがって大したことなかった。そもそも僕のほうが強かった。これならこれからもずっとDランクのままなんだろうなと思った。


 こいつらは自分の力量を知らない人たちだった。敵が大して強い魔物でもなかったのに、時間をかけてやっと倒せたという戦いがほとんどだった。リーダーは悪い人ではなかったけど、メンバーを導けない人だった。この中で赤髪男は一番強かった。赤髪男はもっとランクの高い冒険者パーティーに行くべきだと僕は残念に思った。


(あ〜こいつらを獲物にしてやろうかな。魔物に襲われて殺されたっていえば、誰も疑わないはずだ)僕の中からまた黒い感情が湧いてきて、ついにやけてしまった。絶好のチャンスがあれば、こいつらの息の根を止めようと僕は決めた。


 ソードアイと一緒に行動して二か月経ったある日、リーダーはゴブリン群れの盗伐依頼を受けた。この依頼を遂行するために、ソードアイは森に向かった。依頼では十匹のゴブリンの群れだったけど、実際は三十匹の群れだった。三十匹のゴブリンはDランクの冒険者パーティーにとって少し難易度が高かった。


「おいおい!依頼とは違うじゃないか!」鶏頭が喚き始めた。


「依頼内容と違うから私たちに悪くないはずだから、リーダーやめません?」頭が弱そうな女は言った。


「リーダー、これどうします?」赤髪男は冷静に聞いた。


 ソードアイのメンバーがリーダーに話している間に、ゴブリンは僕たちに気づいた。もちろんゴブリンは僕たちの話し合いが終わるまで待ってくれなかったから、ゴブリンが僕たちを襲ってきて、そのまま戦闘を開始してしまった。


(本当にラッキーだね~30匹も群れがってくれてうれしいね~今日僕はついてるんだな~)


 僕がソードアイに参加したあと、ソードアイは簡単な護衛の依頼か弱い魔物の討伐依頼しか受けていなかった。その頃の僕はまともに戦っていなかったから、あの黒い感情がかなり溜まっていた。発散しないと我慢できなくなって周りに感づかれてしまいそうだから、正直少し不安だった。この感情のことは気付かれてはいけないし、知られてはいけない。僕は今回の依頼でこの溜まっている感情を発散できるように、できるだけ多くゴブリンを殺そうと決めた。


 ソードアイのメンバーに目をやると、鶏頭に五匹のゴブリンが群れがっているのを見て僕は焦った。


「こいつら、俺に群れやがって!」鶏頭は叫んだ。剣を振りゴブリンを切り始めた。一匹のゴブリンが鶏頭の後ろに剣を振り、鶏頭を怪我させた


「うわぁぁーーーーこの野郎」鶏頭は叫びながら、ゴブリンに剣を振り続けた。鶏頭は本当に弱いやつだった。


(それに僕の獲物に手を出さないでよ)僕は鶏頭のところに走って行き、一匹とまた一匹のゴブリンを斬り殺し始めた。ゴブリンが僕に気づいて、幸いなことに僕のほうに群れてきた。僕はまたさらにゴブリンを斬り殺し続けた。気づいたら十八匹のゴブリンを殺していた。この満足感に我慢できず、僕は空を見上げ、ニヤけて快楽に浸った。



 自分の興奮を抑えて周りを見たら、他のソードアイは残りのゴブリンを倒していて、辟易していた。


(なんなんだ、こいつら?こんぐらいで疲れたのか?)


「皆さん、大丈夫ですか」僕はソードアイのメンバーに声をかけた。


「あー無事だ。ありがとうな、ビアンコ。おまえすげえな。一人で半分もやったとは」リーダーは言った。


「助かったぞ、ビアンコ」赤髪男は言って、僕の肩に手を置いた。当然の結果だけど、でも褒められたから、悪い気分にならなかった。それにしても赤髪男はあまり息が乱れていなかった。ソードアイにいるのは本当に勿体ない人材だと改めて思った。


「ガキ、ありがとうよ・・」鶏頭はそっぽを向いて、お礼を言った。意外と常識があるじゃないか。


「ビアンコくん、ありがとうね」弱頭の女もお礼を述べた。やっと僕の強さに気づいたみたい。


「ありがとう」ビッチ女はどうでもよさそうに言った。ダメだなこいつ。



 それ以降僕はソードアイの主戦力となった。


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