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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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ビアンコ22歳 魔物討伐依頼 pt.3

 僕たちはもっと麓の奥のほうに進むと、魔族が6体いた。魔族は僕たちが見つかった途端斬りかかってきたけど、セシルは魔族を見た途端、盗賊スキルを発動させてすぐに2体も倒してくれた。セシルのスピードは相変わらずレベルが高い。僕とフィルは続けて魔族に飛び込んで、1体ずつを斬り倒した。その間にセシルはまた1体を倒してくれた。残りの1体は僕に襲いかかって来て、僕はその攻撃を交わして、剣を大きく上げ、魔族の首を狙って剣を下ろした。魔法ではなく、自分の手で生き物の命を奪うのは本当に気持ちのいいことだ。最近僕はずっと魔法で戦っていたから、この感覚は本当に懐かしく感じてしまう。


(この黒い感情はだんだん発散されていく。よかった。それに久々の魔族だ〜懐かしい触感だったな〜はぁぁぁ〜いや僕、気を引き締めろ!今はそんなことを考える場合じゃない!)


 魔族は僕たちに殺されて、だんだん灰になって消えていく。


「どうして魔族がこんなところにいるの〜?」


「オークに掴まれたとか?」


「それはあり得ないな。魔族はオークに負けるはずがないと思う。逆かな?魔族がオークを支配しているとか?」


「可能性あるわ。魔族は頭脳あるし悪賢いから、オークの支配ぐらい簡単にできるでしょうね」


「オークは魔族に支配されて、ここに集まっている。オークの群れとギルドマスターが言っていたけど、100匹近い数とは知らなかっただろうな。これだけの数に加えて魔族もいるから、Bランクでも難しい。みんなどうする?進める?それとも撤退する?」


「ビアンコはどう思う?」


「僕は進んだ方がいいと思う。ここまで来たんだから、そろそろボスに会えると思う。それにさっき僕は女の人の叫び声が聞こえた。もしかしてまだ生きている人がいるかもしれない」


「ならそうしよう!あたし、ビアンコに賛成する~~」


「私も」


「私もです」


「俺も~~」



 更に麓の奥に進むと、道が四つに分かれていて、どちらも森に入る出入り口のようだった。

「アニー、探索魔法をお願い」


「わかった」アニーはしばらく探索魔法で生き物の気配を探している。


「左は強い魔力を感じるよ。ボスもいるかも。二つ目と三つ目はたくさん生き物の気配がする。捕まった人間たちかな。右には魔族が10体ぐらいいるよ。魔物の気配は感じないね」


「ボスのところに他に魔物か魔族いる?」


「魔力が強いのが1体しかいないけど、あとはそんなに強くないものが3体いるよ」


「アニーありがとう。まずボスの部屋に行こうか。体力がまだ残るうちに先にボスを倒したほうがいいかもしれない」


「「「「賛成 (です)」」」」



 僕たちは左の道に進むと、この道の両側は木々ばかりで魔物か魔族が潜んでいるかもしれないから、僕たちは用心深く進んだ。そしてだんだん強い気配を感じてきた。これが手強い相手だと直感して、僕は一旦足を止めた。


「アニー、強化魔法、魔力強化魔法、防御魔法、速度強化魔法をいま僕たちにかけてくれ。ボスが現れたら、すぐに重力魔法を使ってくれ」こんな魔力の強い魔族に重力魔法が効くかどうかわからないけど、試して損はない。


「わかった」アニーはすぐに僕たちに魔法をかけた。


「セシル、敵が現れたら、まず魔力が弱いやつから片づけてくれ」


「わかったわ」



 僕が作戦を伝えた後、また道を進むと、角の生えた女の子の姿をした魔族とこの魔族の部下みたいなのが2体現れた。セシルはすぐ2体の魔族に飛び込み、心臓部に短剣を突き刺した。魔族が灰になって消えた。


 アニーはすぐに重力魔法を掛けたけど、案の定撥ねられた。俺はすぐスピードを出して魔族の首を狙って剣を下ろした。でも簡単に避けられてしまった。


「はははっ!ねー、女の子にこんな物騒なことしてひどいと思わない~?」


「女の子って誰?僕の目の前には角の生えた魔族しかいないけど?」


「人間の分際で偉そうにしていると痛い目に遭っちゃうよ〜」


 僕は魔族と話す気がないから、また魔族の首を狙って魔族に飛び込み、剣を振るった。魔族は僕の剣を避けた。フィルは魔族の後ろから魔族に水魔法の水刃を連射した。魔族が逃げても、フィルは止まらずずっと水刃を放ち続けた。


 そんなフィルに魔族が攻撃魔法を放った。魔族がフィルとやり合っているときに僕はまた魔族の後ろに飛び込んで攻撃した。ギリギリで逃げられたけど、すぐに体を回して魔族に追撃した。それでも避けられた。


「ね、どうして魔族とオークが仲いいのか?」僕は魔族に話しかけた。


「はぁぁぁっ!誰がそんな下等生物と仲いいというの?失礼ね」


「でも一緒にここで暮らしているんじゃないか?」


「便利だからあんな下等生物を使わせてやっただけよ~っていうか時間稼ぎはやめてよね~ものすごくうっとうしいから~」


 魔族はそう言い放って、僕に攻撃魔法を連続で放って、僕はずっと魔族の攻撃を避け続けた。魔族が僕に向かっている間にフィルは魔族に水刃を連続で攻撃した。そして一発当たった。


「このやろう!うっとうしい!死ね!」魔族はフィルの攻撃にイライラしたようだ。


 魔族は連続で攻撃魔法をフィルに掛けた。そんな魔族に僕はまた剣を握って飛び込んで、後ろから魔族の首を斬ろうとしたけど避けられた。


 魔族が僕に攻撃魔法をかけて、フィルがそのスキに魔族に飛び込んで、剣を下ろそうとした。でも魔族が避け、「しつこい!」と叫んで、フィルの頭を狙ってフィルを蹴り飛ばして、少し離れた木まで飛んでいった。フィルはもう戦闘不能になってしまった。フィルのことはもうパスカルに任せよう。そして僕は目でアニーに合図を送った。


 魔族がフィルを蹴り飛ばした後、魔族が斧を出し、僕に飛び込んできた。僕の頭に斧をおろそうとした瞬間に、僕がギリギリ避けて、そのタイミングでアニーが攻撃魔法を魔族に放った。魔族はアニーを弱い人間としか見ていなかったからか、今までアニーをまったく気にしていなかった。おかげで油断して、アニーの攻撃魔法が魔族の腹部にしっかりと当たった。


「うぅぅぅっ」

 

 この魔族の戦闘のとき、セシルはずっと隠れてタイミングを狙っていた。魔族がアニーの攻撃魔法を受けて片膝をついたスキに、僕とセシルはスピードを出して、二人同時に魔族に飛び込んだ。僕はしっかり剣を握って、魔族の首を狙って下ろした。セシルは短剣で魔族の心臓部を突き刺した。


 そして魔族が倒れて、だんだん灰になって消えていった。


 僕たちはやっとこの魔族の巣のボスを倒した。


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