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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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現在 ヴェリアナ街 pt.1

 僕たちは昼前にヴェリアナ街に到着した。


「この街、ちょうど祭りがあるみたいだよ〜」アニーは楽しそうに言った。


「ねぇ、ビアンコ、この街で3-4日ぐらいゆっくりしない?祭りにはみんなで行こうよ!」セシルも街の祭りの雰囲気につられたのか、興奮していた。


「いいですね〜。みんなと一緒に祭りに行くなんてなかなかない機会ですよね。ビアンコ、そうしましょう」


「祭り!祭り!祭り!」


「いいよ、みんなで祭り行こう。祭りの時間まで自由行動にしようか」僕もこのメンバーと一緒に遊びたいから、反対する必要はない。


「「「「おぅぅ!」」」」



 

 僕たちは一緒に祭りに行くことが決まると、宿に行って部屋を取り、そしてゴブリン討伐で入手した魔石を買取してもらうため冒険者ギルドに行った。僕たちはどこかの街で勇者うんぬんと褒め称えられたけど、勇者一行の前に、僕たちは冒険者パーティー『冬の精霊』だから、常に旅の賃金を確保しなければならない。ゴブリンの魔石なんかは大したお金にならないけど、魔物の素材を現金に換金するのはもう長年の冒険者生活の慣れだ。


 この街の冒険者ギルドのギルドマスターは受付の職員から僕たちがSランクの冒険者パーティーだと聞いたみたいで、受付の職員が僕たちに事務室まで来るようにとギルドマスターの伝言を伝えに来た。ギルドマスターは僕たちにある魔物の討伐依頼を紹介して、この魔物の討伐を手伝ってくれないかと頼んで来た。


「おまえらは噂の『冬の精霊』だな。よく話して聞いているぞ!んで、依頼とはな、この街から一時間歩いたところに山があるんだ。その山にガルーダが出没しているという情報があったんだ。このままほっておくと、いつかこの街に襲ってくるかもしれない。んでそのガルーダを討伐してほしいんだが」


「ガルーダですか。珍しいですね。なかなか見かけない魔物じゃないですか?」僕は一回しか見たことがない。一人だとかなりきついかもしれないけど、冬の精霊のメンバーもいるから、大丈夫そうだ。


「あー、この街にとっても珍しいんだ。俺がこの街の冒険者ギルドに配属して、初めてだからな」


「ガルーダか〜なんか大変な依頼ね〜」アニーは意外と消極的だった。相手がガルーダだから、気持ちはわかる。


「でも行けなくはないじゃないかな?」セシルは若干やる気がありそうだ。


「ガルーダですか。これはこれは、少々難しい依頼ですね」パスカルは難しい顔をした。


「ねぇ、今日祭りあるよね?間に合うかな?俺、ガルーダ討伐なんかより祭りに行きたい・・」フィルは空気をまったく読まないような質問をした。


「祭りは明後日まであるぞ!おまえたちのようなSランクの冒険者パーティーなら全然間に合うんだから、心配ないぞ!」冒険者ギルドのギルドマスターが積極的にフィルに教えた。


「よかった!じゃ受けてもいいんじゃないかな?アニーの重力魔法で何とかできると思うよ!」アニーの重力魔法に関しては僕もフィルと同じ意見だ。


「アニー、アニーの重力魔法を使えば、何とかできると思うよ。今回も手伝ってくれるかな?」


「何を言っているの〜?力を貸すも何も、これは私の仕事だよ〜喜んでやらせてもらうよ!」消極的な反応がなくなって、やる気満々になった。


「ありがとう。今回フィルもセシルも結構魔力を使うことになると思うからよろしくな。ではガルーダを討伐して、祭りを楽しもうじゃないか!」


「「「「おーーーっ!」」」」



 ガルーダは鳥の姿をした、凶暴で大きく、火魔法使いの魔物だ。何年も前に一度だけアイアンナイトと行動していた時に遭ったことがあった。なかなか見かけない魔物だから、この街からたった一時間のところに出没しているなんて街の人が知っていたら、祭りの気分じゃなくなるんだろうね。



 僕たちは冒険者ギルドを出て、食堂で昼食を食べ、ガルーダが出没した場所に向かった。ヴェリアナから歩いて一時間のところにある山に向かった。ガルーダのところに向かう途中で僕がガルーダ討伐の作戦をみんなに伝えておいた。山に到着すると、僕たちから少し離れたところでガルーダが寝ているのをすぐ見つけた。僕以外、他のメンバーは誰もガルーダに遭ったことがなかったみたいだ。みんなはガルーダが火魔法を使う凶暴な魔物だとしか知らないと言っていた。これは絶対に油断できない。


 僕は何年ぶりかにガルーダを見た。ガルーダの寝ている姿でも、やはりガルーダが無駄に大きいなと僕は感動してしまう。僕たち五人をまとめて余裕で一度に口に入れて食べれてしまいそうだから、僕たちは気を引き締めてガルーダに挑まなければならない。もしガルーダが僕たちより先に攻撃してきたら大変なことになるから、やはりアニーにガルーダを大人しくしてもらわないといけない。ちょうどガルーダが寝ているときに来たから、僕たちは運がよかったかもしれない。


「こ、これはガルーダなの〜?そ、想像より大きいね〜あんな大きい体なのにどうやって飛ぶの〜?本当に飛べるの〜?落ちないの~?」


「わ、私たちはなんとか討伐できるかしら?討伐できる前に、食べられてしまわないかしら?」


「わ、私の命はみなさんの実力次第です。どうか・・どーーうか頑張ってあの魔物を討伐してくださいね」


「な、何とかできるんじゃないかって軽々しく言ってごめんね。お、俺、先に街に戻ってもいいかな?」


「そ、そうね。いけるかもとか言っちゃって本当にごめんね。調子に乗っちゃっていたわ・・」


「みんな、落ち着いて。さっき僕が伝えた作戦通りにやれば大丈夫だと思うよ。それに僕たちは運よくあいつが寝ているときに来たんだ。今のうちにあいつの動きを封印しよう」



 僕たちはガルーダに僕たちの気配を感じさせないようにすごく小声で話した。


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