表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日記  作者: 寝舟はやせ
日記
35/97

着ぐるみ


 何も知らん若者を騙くらかして意味の分からん教材を売りつけるイベントのマスコット役になる羽目になった。

 セキセイインコを模したカラフルで愛らしい見目の着ぐるみだ。

 頭はともかく身体の作りがほぼ人型なので、絶妙に気色が悪い。身体の方にも金かけてやれよ。


 社長の凄いところは、このイベントを本当に必要なことだと信じ切ってやっていることである。

 自分が若者を救うという使命感に燃えていて、心の底から啓蒙のためにやっているのだ。

 まあ、そんぐらいでないと社長なんて出来ないのかもしれない。実際、上の方はそういう部分に惹かれてついていっているようだし。あとは金。


 着ぐるみを着て端に立っているだけの簡単なお仕事だ。

 簡単な上に必要かどうかも分からない仕事すぎて欠伸が出る。


 誰か代わってくんねえかな、と思っていたら、昼休憩の後にトイレから着ぐるみが出てきた。

 先程まで俺が着ていた着ぐるみである。

 のそのそと、初めて四肢を使うような動きで歩いていった着ぐるみくんは、そのまま俺の代わりにイベントの端に収まっていた。


 なんてこった。

 サボれる。

 やったぜ。


 近場の漫喫に逃げて、終了時間まで漫画を読んで時間を潰してから戻った──ら、当然のように怒られた。


 イベントの最中、突如として着ぐるみがぺちゃんこになったそうだ。

 外れて転がった頭から真っ黒な液体が溢れて止まらなかったせいで、ビビった学生たちが全員逃げていったらしい。


 お前がちゃんと管理してないからこうなるんだぞ、だそうだ。

 知らねえよハゲ。だったらお前が入れハゲ。


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] テケリ・リ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ