65話 嵐の前の静けさでしょうか?
次は、本日15時から18時に更新予定です!
という訳で……
「やって来ました!
ビーチ!!」
青い空に、白い砂浜。
そして、透明度が高くキラめく海!
強化された嗅覚に、この潮の匂いは少々キツイですが。
それも耐性を上げれば問題ないので気にならない!
「まさか、この僕が水着を着てビーチに来る日が来ようとは……」
地球にいた時からは想像もできない現状ですね。
「お嬢様、お待ち下さい!」
女性メンバー全員で水着に着替えさせられ、着せ替え人形にされそうだったので逃げて来たのですが。
どうやら追いついて来たようですね。
白磁のように白くきめ細かい肌を惜しみ気も無く晒し。
青い髪と同じ色のビキニを身につけて、ビーチを駆けるメルヴィー。
このビーチにいる男どもの視線を独占するには十分すぎる程の破壊力!!
しかし、その数秒後に更なるどよめきが巻き起こりました。
「1人じゃ危ないぜ、お嬢」
「リュグズールの言う通りですよルーミエルお嬢様」
「あぁ! 皆さん、ルーミエル様を穢らわしい男どもの目からお守りするのです!!」
メルヴィーの後を追ってリュグズール、アヴァリス、オルグイユが姿を現す。
スレンダーでスラッとした体型のメルヴィーに対し、この3人はボンキュボン!
まさしく、グラマー体型をしています。
そんな3人が、その胸を揺らしながら走って来るのですから……それはもう大量の視線を集めます。
特に、男の人は鼻の下を伸ばしてだらし無いアホヅラを晒していますね。
しかし、そんなメルヴィー達を凄まじい速度で追い越し、飛びついて来る2つの影。
「もふ、もふ!」
あぁ! なんて素晴らしいのでしょうかっ!!
潮風でベタつくことも無いフワサラなこの毛並み!
癒されます!!
「でも、ノアとシアの水着姿を見れなくて残念です」
僕に飛びついて来た2つの影。
白狐の姉妹であるノアとシアは現在、真っ白な狐の姿をしています。
非常に癒されるので僕としては大歓迎なんですが。
このビーチにいる男の人達にとっては大きな損失と言えるでしょう。
この場にいながら、この2人の水着姿を拝む事が出来ないとは……哀れなり。
「ノア、シア。
貴女達ずるいですよ」
未だに鼻の下を伸ばしている男共に仏の心情でいると、駆けつけたメルヴィーが恨めしそうな視線を2人に向ける。
「メルヴィーの言う通りですよ」
「私より先に水着姿のルーミエル様に抱きつくなんて!」
同じく追いついたアヴァリスとオルグイユも恨めしそうな目を。
尤も、オルグイユに至っては目が血走っていて少し怖いですが……
「お嬢が1人じゃねぇならそれでいいと思うんだけどなぁ」
そして、意気投合している3人に呆れた様な顔で呟く常識人。
全くもって僕もリュグズールに同意です!
まぁ、僕自身は1人でいてもいいと思っているのですが。
因みに、オルグイユはまるで海外モデルが着ていそうなセクシーな赤いタンキニ。
アヴァリスは前でクロスになっている黄色のパレオ。
リュグズールは紫のバンドゥビキニ。
僕自身は、これまた真っ白なワンピース型の水着を着せられています。
何と言うか、僕だけ色合いが無くて面白くありません。
次は、メルヴィーが着ているような薄い青か、淡い黄色がいいですね。
……少し前までは考えられない思考回路ですね。
やはり、僕はもう男ではなく、女だと言う事なのでしょう。
両手に花ならぬ、両手にモフなノアとシアの毛並みを堪能しつつ。
何やら語り合い始めた3人をリュグズールと共に見ていると、先程とは違った黄色い溜息がこだましました。
先程とは打って変わって、ビーチにいる女性達が頬を赤く染め。
男達はその様子を見て面白く無さそうに鼻を鳴らす。
そして、その視線の先にいるのは……
鍛え上げられ、締まりに締まった肉体美。
真っ黒な生地に瞳の色と同じ金色のメッシュの入った水着。
グレーのラッシュガードを前を開けた状態で羽織っている美男子。
「遅くなってしまい、申し訳ありません」
コレールは周囲の視線を完全に無視して一礼しました。
非常に様になっているこの光景に、崩れ落ちた女性が多数いたのは間違いでは無いでしょう。
「いえ、大丈夫ですよ。
それよりも、似合っていますよコレール」
「勿体無きお言葉。
お嬢様の麗しきお姿を拝見でき光栄に思います」
ビーチでなおこの重さのコレールの態度。
まさに従者の鏡!
ですが、今日は遊びに来ている訳ですし、もう少し気軽にして欲しいのですが。
「でも、確かにコレールが遅れるのは珍しいですね。
何か問題でもありましたか?」
「はい。
実は、お嬢様方をお待ちしていたところ、数人の犬に絡まれてしまいまして」
「それは災難でしたね」
それにしても、犬ですか。
さて、どこの手の者でしょうか?
「いえ、有象無象の雑兵です。
それよりも、お嬢様のお耳に入れておきたい情報が手に入りました」
「情報ですか?」
「はい。
実はここ最近、近海で船が消えると言う怪現象が起こっているらしく。
とある商会の者が巨大な何かが海中を蠢いているのを見たとか。
そのせいで、商人達が怯えてしまい海運業が滞っているらしいのです」
怪現象。
それに巨大な何か、ですか。
「ではやはり」
「はい、その可能性が濃厚かと」
「では、ここに入れば何か起こるかもしれませんね」
コレールから視線を外し前を向くと、変わり無く透明度の高い美しい海。
リゾートであるビーチが何故か少し不吉に思えます。
「これが世にいう、嵐の前の静けさと言うものでしょうか?」
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