63話 恐ろしい病気です
書きたい内容を全部書けば凄まじい文字数になりそうだったので2つに分ける事にしました。
ご了承下さい!
と言うわけで……
「やって来ました! フェーニル〜!!」
目が覚めてから少しして、再びグロッキー状態に陥りかけましたが。
転移で道中をショートカット。
何とか二度目のダウンに陥る直前に、目的地であるフェーニル王国王都に到着する事が出来ました。
王都外壁に沿う様に長蛇の列が連なっており、その様はさながら何処ぞのテーマパークを連想させる。
まぁ幸いなことに、僕達はフェーニルの方から招待された身。
国境の関所と同様にすぐに王都に入る事が出来ました。
もし、あの長蛇の列に並ぶ事になっていれば……馬車の揺れに加え、人の多さも伴って早々に限界を迎えていた事は火を見るより明らか。
命拾いしました……
尤も、貴族や国賓を迎える為の特別門を使ったので、通常門に並んでいる人々から注目を浴びる羽目になりましたが。
まぁ倒れるよりかは幾分かマシです。
そして現在、僕達がいる場所は……王都と美しい海を一望出来る高台。
絶景が眼前に広がっています!!
背後には、ヨーロッパの街並みを想像させる白い荘厳な建物。
フェーニル王国で一番の高級ホテルで、今回僕たちが宿泊する場所でもあります。
因みに、王城は海に面した高い崖の上。
陸・海共に攻め入り難い場所と言えるでしょう。
幾つもの塔が重なり合うように建てられ、背後の青い海と合わさり幻想的な光景を醸し出す。
「ではお嬢様、私はチェックインを済ませて来ますので少々お待ちください」
「わかりました」
今回の旅の立役者であるコレールがホテルに入っていったのを見送り、再び眼下に視線を移す。
「外壁の長蛇の列にも驚かされましたが。
流石は世界最大の商業大国、海洋国家フェーニル王国ですね。
人通りで言えば帝都も負けていませんが、活気と熱気がここまで伝わって来ます」
もう既に日は落ちそうになっていると言うのにこの活気。
うーん! 商人魂が燻られますね!!
「今夜は夜の街に繰り出す、と言うのもアリかも知れませんね」
「なりませんよ、お嬢様」
「む、メルヴィーはケチですね。
フェルもそう思うでしょう?」
「ん、メルは真面目過ぎ、お母さんみたい」
「なっ!?」
フェルの言葉を受けて、メルヴィーの目が驚愕に見開かれる。
フェルよ、よくぞ言ってくれました。
これで盤面は2対1。
戦局は大きく僕に傾くことになったも同然!!
しかし、ここで油断してはいけません、戦では最後の詰めが一番重要なのです。
もしここで油断を見せれば、どの様に揚げ足を取られるか分かりません。
そして、そんな危惧を肯定するかの様にメルヴィーの口角が上がり……
「お、お母さん……お嬢様の、お母さん。
ウへ、ウヘヘヘへ」
とろんと蕩けた目で頬をほのかに染め上げ、クネクネと身体をくねらせるメルヴィー。
簡潔に言って、エロい。
一体どうしてしまったと言うのでしょうか?
今のメルヴィーからは普段の凛凛しさの欠片もありません。
時々、オルグイユも今のメルヴィーの様になってしまう時がありますけど……
まさかっ!? もしかして、メルヴィーとオルグイユは何か悪い病気を患っているのでは?
その病気とは高位の、それも女性の吸血鬼のみが罹るモノだとすれば……
現代医学にも多少精通している僕が全く知らない症状だと言う事にも納得できます。
しかし、神と同等以上に渡り合える程の力を持つオルグイユですら打ち勝てない病が存在するとは……
僕も吸血鬼である以上、いつかこの病に罹ってしまうかも知れませんし。
これは研究する必要がありそうですね。
「ノア姉様、お嬢様が何やら勘違いしています!」
「ええ、そうねシア。
でも、勘違いなさっているお嬢様もお可愛らしいです」
「あら、2人とも分かっているではないですかっ!
あぁ! 何とお可愛らしいお姿でしょう!!」
「そ、そうですね」
「え、えぇ、オルグイユ様の仰る通りです」
やっぱりオルグイユも病気を患っている様ですね。
ノアとシアが若干引き気味になってしまっています。
それにしても、一国をいとも容易く滅ぼせる力を持ち、傾国の美女である吸血鬼。
そんな2人が恍惚とした表情で扇情的に身体をくねらせ独り言を呟く……
紛れも無いカオス。
コレールが戻って来て、面白がって傍観を決め込んでいたアヴァリスが鎮静するまでしばしの間続きました。
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