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345/376

345話 想定外

クローネの序列順位を17から11位に変更しました。

 ガギィッンッ!!


 空間を切り裂く様な金属音が鳴り響き、漆黒の大剣をまるで片手剣の様に振り回す巨漢が宙を舞う。

 地面をバウンドして吹き飛ばされる男と入れ違うように、音の発生元へと氷や雷、炎と言った魔法の巨槍が降り注ぐ……


「舞え」


 が、次の瞬間にはその全てが真っ二つに切り裂かれ、覗かせる綺麗な切断面から塵へと変わって消え失せる。


「無幻の剣」


 一瞬にして吹き飛ばされた巨漢の背後、万を容易に超える軍勢が居並ぶ後方が爆ぜる。


「かっ! 強えぇ!!

 だが……ヴェクトール、ネージュ! 今だやれっ!!」


 地面を転がりつつも手に持つ大剣を地面に突き立て勢いを殺した巨漢の男が声を荒立てる。

 その声よりも早く2人の人物、ヴェクトールとネージュが渦中の人物へと切迫する。


「死ねぇっ!!」


 露出の多い改装に身を包み、魔皇神26位のネージュが紫のオーラを纏った拳を繰り出す。


「はぁっ!!」


 白いシャツの上に黒いベストを纏った男、魔皇神28位ヴェクトールが黒雷を纏った抜手を放つ。

 完璧なタイミングで背後から放たれてネージュの拳を振り返る事すら無く首の動きだけで躱して腕を掴み……


「ぐっ!」


「かはっ!?」


 背負い投げの要領で投げられたネージュが、正面から心臓を貫かんとしていたヴェクトールの上に落とされる。

 地面にバウンドした2人に深く拳が突き刺さり、ヴェクトールとネージュが巨漢の男の位置まで吹き飛ばされる。


「貴様らに勝機は無い! ただちに武器を捨て投降しろ!!」


 そして無傷で佇むその人物。

 シングル序列8位、アステッドは自身の長剣を地面に突き立て敵に向かって勧告を告げる。


 下位とは言えヴィスデロビアが誇る魔皇神が3名いても存在する圧倒的な実力差。

 しかしながら、追い詰められているハズの魔皇神達はその顔に笑みを浮かべてニヤリと嗤う。


「投降しろだと? クックック……クアハッハッハッハ!!

 バカめ! 確かにお前は強え、俺達3人がかりで手も足も出ないとはな。

 だが俺達が何の策もなくお前に仕掛けたと思っているのか?」


 漆黒の大剣を地面に突き刺し、立ち上がる巨漢の男。

 魔皇神20位のグレゴーが何も分かっていないアステッドに向けて満面の笑みを浮かべて哀れみの視線を向ける。


「あ〜、痛い〜!」


「私がお教えしましょう。

 先程、貴女に向けて放たれた魔法を使って合図を送ったのですよ」


「合図、だと?」


「その通り!

 いやはや流石はシングル、想像以上にお強い。

 ですが……今の合図で我々と同じ魔皇神がこの場に集結するのです!

 いかに貴女と言えど流石に……」


 ドゴォオンッ!!


 悠々と語るヴェクトールの言葉を遮り、両者の間に何かが衝突して土煙が舞い上がる。


「い、一体何が……っ!?」


 舞い上がっていた土煙が晴れて、ヴェクトールとネージュ、グラゴーが目を見開いて息を飲む。

 いきなり地面に衝突したもの……その人物の名はフェッサー、魔皇神24位に君臨する存在。


 困惑するヴェクトール達を置き去りに、次々と魔皇神達が姿を表す。

 合図で駆け付けた援軍、やって来た魔皇神の数は地面に埋れてピクリとも動かないフェッサーを含めて9名。


 今回の戦争に於いて、基本3人1組のスリーマンセルで行動している魔皇神が総勢12名。

 それは全魔皇神の約半数が集結し、例え敵がシングルの神であろうが容易く屠れる大戦力……のハズなのだが……


 新たに姿を現した9名全員がヴェクトール達と同様に、いやそれ以上に深いダメージを負っている事が容易に判断できる程にボロボロであり疲弊している。


「クソッ! 何なんだアイツはっ!!」


「ゼェ……妾達がこうも一方的に、ゼェ……押されるなんて……」


「くっ……想定外です……」


 肩で息を切らし、顔を歪める魔皇神15位のビッギィー、11位のクローネ、13位カディバルの3人。

 グラゴー達の班は全員が20位台の今回の班の中では最弱の班。


 だが、他の班は違う。

 他の班にはそれぞれ序列10位台の者が1人は含まれている。

 だからこそグラゴー達は、早々に敵を始末したであろう他の魔皇神達に応援を要請したのだが……


「おぉ! アステッドじゃねぇか!!」


「アステッドさん、ギルベルトさん。

 お2人とも先程ぶりですね」


「あ! 3人とも奇遇だね!」


 魔皇神達の視線の先では、そんな声と共に序列3位アリストーロ、序列6位のギルベルト、序列7位のカレンそして序列8位のアステッド。

 4名のシングル達が無傷で集結していた。


 グラゴー達のアステッドはシングルの中でも高位の存在だからここまでの力を誇っていると。

 そして他の班が敵を始末していると考えていた。

 しかしながら実際にはアステッドはシングルの中は最弱であり。

 他の魔皇神達も想定外の敵の強さに撤退戦に追いやられていただけで、応援に駆けつけた訳でも何でも無い。


「あっ、アステッド、まだ軍隊を倒せて無いじゃん!」


「申し訳ありません。

 彼らには投降する様に勧告していたのですが……」


「やっぱ、アステッドは優しいな。

 今度稽古を付けてやる!」


「それで、アステッドさん。

 この様子を見るに違うと思いますが、彼らは投降に応じたのですか?」


 アリストーロの問いにアステッドが静かに首を振る。


「そうですか。

 まぁ彼らもヴィスデロビアという主人に忠誠を誓った身ですし、仕方ありませんね……敵を排除しますよ」


 そうして、4人のシングル VS 11人の魔皇神とその軍勢の戦いが。

 魔皇神達にとって絶望的とも言える殲滅戦が幕を開けた。


何で11人? と思ったそこのあなた!

思い出して下さい、序盤ですでに一人脱落しているという事を!!


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