これは─────現実だ
暇ねん「始めに・・・前回の次回予告とは台詞が違うかもしれません」
放課後になり部活も難なく終わった帰り道、オレたちの前に現れたのは親父とカイウスの親父のシュドだった。
「どうしたの、父さん?」
「親父まで・・・・・・珍しいじゃん」
「国王の護衛隊で隊長の修二に同じ隊のシュドナイまで・・・・・・マジで?って、それより親父?父さん?お前らの親父かよ!?」
隣で感動しながらも驚愕の真実を知ったカイウスは興奮して暴走モードとなっているが、オレたちはそれを余所に何か言いたそうな親父たちの話を聞く体勢になる。
「八雲、セレナ姫を見なかったか?」
親父はの顔は強張っており声からも鬼気迫るものを感じる。
「カイウスも見なかったか?」
シュドの方も同じ状態でカイウスの両肩を掴み、聞いている。
「いや、オレたちは見てないけど・・・・・・」
カイウスも横で頷く。
「それどころか、今日は学校を休んでるよ。こーゆうことは父さん達の方が詳しいんじゃ?」
「・・・・・・」
オレたちの親は一回視線を合わせると、落胆し足元に視線を落し口を閉じた。
「何があったん?」
「実は・・・・・・・」
「シュド、無関係な息子たちに言わなくて良い」
只ならぬ雰囲気を感じとり聞いてみるとシュドが何か言おうとした。しかしそれを親父が遮る。
「おいコラ!セレナのことなんだろ?どこが無関係なんだよ!?」
「ヤクモの言うとおり。僕は婿候補から外れたけど、少なくとも無関係とは言えないと思うけど?」
「八雲・・・カイウス君・・・・・・」
「修二」
親父達は顔をあわせると何かを決心したように頷くとついて来い、と言いオレたちの前を歩き出した。
その後を黙って付いて行くとある場所の前に到着した。
「ここは・・・・・・」
着いた場所はセレナや国王が住むお城であった。
門番の横を通り過ぎ、城内に入ると始めてみる景色に目を奪われてしまう。
城内は白を象徴とした造りで、召使いなどがあっちに行ったりこっちに行ったりと忙しそうに城内を走り回っている。
そんな中親父を先頭にオレたちをある一室に案内する。
「ここは・・・・・・?」
「来客用の客間だ」
客間と言えるのか?これが?
と思えるほど広く、煌びやかな部屋で天井には大きなシャンデリア。その下には長方形のテーブルにイス。壁には誰かの作品と思える画が幾つも飾られている。
「皆、座ってくれ」
いつの間にかに移動していたシュドがイスに座るよう促してくる。
言われたとおりオレたちはイスに座ると早速、話を聞く事にした。
「で、何があったん?」
だが、その質問は親父の手で制された。
「ちょっとまて、まだ揃ってないからな」
「揃って・・・・ない?」
親父の言葉に首を傾げると客間の扉が開く音が聞こえる。
「連れてきたわよ!」
「────なんだ、貴様らもいたのか」
聞こえてくるは、上から目線の高飛車な発言。
その声にオレは耳を疑い、変わりにレグがその声に反応する。
「いちゃ悪いのかよ!」
レグの声にフッ、と鼻で笑うレーベルに、やぁ、と小さく手を振るサバナ。
この二人が入ってきた。そして、この二人を連れてきたメイとルミナも部屋に入り、静かに扉が閉まる。
「さて、皆集まったな。いいか、これから話す事は極秘事項だ。当然、口外は禁止だ」
厳重に口止めする親父に黙って視線が集まる。
「────────セレナ姫が・・・・・攫われた」
「・・・・・・・・・は?」
口から出された声が耳に届いた瞬間、オレの思考が止まったかと思えた。
それぐらいに今、親父の言った事が理解できない。
「気をしっかりもて!八雲」
「いや、だって・・・・・・攫われたって・・・・・どーゆうことだよ親父っ!?」
オレは叫ぶ。叫ぶしかできない。親父に怒りを不安が混ざった叫びを上げながらイスから立ち上がると、親父の胸倉を掴む。
他の連中もそうだ。あのレーベルでさえ、顔を真っ青にしている。
カイウスとレグ、サバナも声を出せず放心状態である。
「すまん・・・・・俺の所為だ・・・・・・」
何かを思い出すよな口ぶり。
その目には悔しさがにじみ出ている。
親父・・・・・・
「くそぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
親父の目を見て冷静になる。ここで、親父を攻めるのはお門違いだってことを理解する。
だが、オレの頭はそんなできたもんじゃねぇ。頭で分かっても納得できずただ叫ぶ。
「・・・・・教えろよ!何が在ったかを」
憤りを抑えながらイスに座り、両手を組む。
その組まれた手は震えている。
「分かっている。だが、話す前に一つ確認しておく。姫を攫った相手は数人の集団だ。それも俺たちを欺けるほどのな・・・・・・それを相手にすることは命にも係わってくる。降りたい奴はいないか?」
今目の前で確認をしている親父は今まで見た事がない。
それ程に親父がこの仕事に誇りを持っているかを理解する。
・・・・・・あとで謝らねぇとな
「誰も降りないと言うのだな?サバナ王子、レーベル王子、レッグ君、カイウス君、本当に言いのだな?
君たちは一般人と他国の次期王でもある」
「・・・・・オレは強制ですか」
オレにだけ聞かないとは・・・親父はオレを戦場に出したいのか?まぁ、聞かれなくったって・・・・
「なんだ?聞いて欲しかったのか?逃げる口実の為に」
「はっ!?バカいってんじゃねぇ!高坂家に悪名轟く紅蓮団、男の魂ィ背中に背負い、不撓不屈の鬼リーダァー!八雲様がぁ、そう簡単に逃げるかよぉ!!」
ドンッと胸を張って叫ぶオレ!・・・・・・乗せられた?
まぁいい、どーせやる気だったしなぁ!
そんなオレを見たからなのか隣で声を押し殺して笑っているレーベルがいた。
いや、笑うなら笑ってくれよ。皆無反応だからさ。
「良いだろう!その鬼リーダーの背中、オレが守ってやるよ!」
「レーベル・・・・・はっ、ありがてぇ」
「レーベル先輩だけじゃないよ。当然僕らも、ね」
「カイウス・・・・・皆・・・・・そーゆうことだ、親父ィ!オレたちは誰一人降りないぜ!」
「よかろう。ではまず、相手がいつセレナ姫を攫ったかだ」
こうしてオレたちはセレナを取り戻すための決意を固め、親父の話を一時も聞き漏らさないよう注意して聞き始めてた。
今回の反省
暇ねん「やばい!最後近いのにネタがない」
八雲「ネタって、どっちの?」
暇ねん「どっちもだが、どちらかと言えばストーリーのネタがない」
八雲「おい、作者!大丈夫か?」
暇ねん「う~ん・・・・・まぁ、ネタを使って何とかする」
八雲「大丈夫かよ・・・・・それになに、あのグレ●ラガンネタ」
暇ねん「あぁ、グレ●ラガン?カ●ナだよ、カ●ナ。感動するロボットアニメの一つだぞ!『俺たちを誰だと思っていやがるっ』」
八雲「確かに最後のニ●が消える場面は涙なくしては見れないな」
暇ねん「だよなっ!」
次回『攫われた姫君』です。
暇ねん「次回は第三者からの視点です」




