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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
候補者出揃う編
59/73

激突!1BVS2A

初戦を快勝したオレたちはそのまま残りの試合を全て勝ち、決勝まで来た。

決勝戦の相手クラスはオレたちが良く知る人がいるクラスだった。


「よく勝ち残ってこれたな。ヤクモ・カイウス・レグ」


「どーもッス、ウェル先輩」


コートの中で五人が集まっている。

オレたちとジン・ウェルである。


「準決勝でセレナ先輩たちのクラスに勝って此処まで来たんですよね?」


「あぁ、セレナ先輩には悪かったが、俺たちも負けたくなかったからな」


フッと笑ってみせるジンにオレたちは引きつるように笑ってみせる。


ジン先輩って何気に負けず嫌いだよな。ウェル先輩との試合でもそうだったし


今更になってジンの性格が分かってきたように感じた。


「でも、先輩達は此処までですよ。何てったって・・・・・」


「俺たちが勝ちますからね!」


横から割ってくるようにレグが決める。


「やってみな・・・・・・」


言い残し、ジン達はクラスに戻っていき、オレたちも戻る事にした。

戻った早々、委員長に集められ作戦会議が始まった。


「いい?決勝戦はあのジン・ウェル先輩率いる2Aよ。下手な小細工なんて無いようなものよ」


ここに来て委員長の真顔に皆、真剣に話しに集中している。


今回のコートは自分達のコートに雪壁が丁度真ん中に3つ。

対して、2Aのコートには最後列に2つだけ。

その為、壁の数では勝っているが、向こうの方が遠く、前に出ないと雪が届かないのである。


「向こうの戦い方は私達と似ていて、ジン先輩とウェル先輩がツートップで最前列で投げてくる。

だから、こっちも三人で対抗。残りは援護射撃とリベロになってもらうわ」


「ってーことは、俺たちが要ってわけだ!腕が鳴るぜ」


バシッと拳をもう片方の手で受け止めるようにレグがやってみせる。

カイウスも頷くだけだが、その表情は楽しそうに見える。


「んじゃ、いきますかぁ!」


試合が始まる前に最前列に向かうと既に二人の先輩が両手に雪球を持って待っていた。

ウェルの顔はいかにも“ぶっ倒す!”と言いたそうである。

ジンの方はどこかの部長みたいに“油断せずに行こう”と言う感じだ。


「負けても文句なしですよ、先輩」


「ほう、カイウスにしては言うじゃないか」


「僕にもプライドはありますから」


ニコッと微笑みながらの言い方にジンも不敵な笑みを浮かべた。

そして・・・・・・試合を始める合図がなった。


「先手・・・・・・」


「必勝っ!!」


野球のピッチャーのようにウェル目掛けて連続で両手に持つ雪玉を投げつけるがかすりもせず、逆に反撃が返ってくる。


「おらおらおらぁ!どーした?ヤクモ」


一つ二つと避けても雪球は止むどころかどんどん襲い掛かってくる。


「なんでそんなに投げてんの!?」


良く見るとウェルは投げ終えた瞬間にダイレクトで地面の雪に手を突っ込み、鷲掴んで投げているのだ。

コレが又、雪球となっているのである。


「うそぉ!?先輩の手って改造してんのぉ!?」


「ほほー、お前は先輩に対してそーゆう事言うか・・・・・・散れぇ!ショットガン!!」


叫びどおり、地面の雪を弾くように手を動かし、ショットガンのように何個もの雪球となってオレに迫る!


「なろぉ・・・・まとめて打ち落とす!」


ボクシングのファイティングポーズを取り、迫り来る雪玉をジャブで当たる前に打ち壊す。


*腕・足などは当たってもセーフ*


「ほぉ、やるじゃねぇか!それでこそ俺の下僕!」


「いや、オレは先輩の下僕じゃねぇーし!、てーか、何か性格変わってない?」


「気のせいだぁ!」


「うわっ!ジャブジャブ・・・ジャブっ!!」


これじゃ防戦一方だぜ!これは援護射撃を・・・・・・


援護射撃を頼もうと後ろを見てビックリ。

なんせ雪球が雨の如く降り注いで壁の内側にいないと当たってしまう状態である。


「なんでーーーー?・・・・・・って、ジン先輩・・・・・・」


横を見てまたもビックリ。

久々に見せる得意技───ラピディ。

神速の如くの腕のスイングを使って休む事の無い雪球の嵐。


しかも、カイウスとレグが一回当たってるし・・・・・・っておい!あいつら退場したらオレが頑張るしかないジャン!?


「よそ見してんじゃ・・・・・・ねぇ!」


渾身のストレートが顔面にヒット!

思わず仰け反ってしまう。


おい!今の球、ぜってー160出てるって!


援護なし・味方ライフ1・自分ライフ1

最悪の三拍子。


残り時間5分ってところでレグが二回当たり退場。

すぐにカイウスも当たり退場。

残ったオレ、集中砲火で十秒持たずに退場。

残った委員長たちの捨て身の特攻・・・・・・三十秒で全滅。


試合を終わらすホイッスルが鳴り響いた。


「試合、終・了ーーーーーー。高校部の優勝は2年A組です!」


こうして、オレたちの冬(雪合戦)が─────終わった・・・・・・



「まっ、頑張った方だろ。なっジン」


「そうだな。だが、もう少し楽しめると思ったんだがな」


「「「うぐっ!」」」


グサッと胸に来る言葉にオレたちはダメージを受ける。

横ではウェルが大爆笑。


「あははははっ!!敗者にヒドイ言いようだな」


アンタもな・・・・・・


オレたちの心が一つになった瞬間だった。



午後から始まった決勝リーグで2Aは小学部で優勝した6Bと激突し、ジンとウェルを無視して残りの連中を狙った作戦だったが、それより先に二人の鬼が相手を全滅させた。


今思えば、大人気なぇな・・・・・相手は小学生だぞ?


決勝戦は大学・専門部で勝ちあがって来た大学の2年F組で、ルージがいるクラスだった。

序盤はジンとウェルが片っ端から相手を退場させていく中、ルージの作戦と力で二人を抑えながら、後方援護の生徒を倒し、時間切れで多く生き残ったルージたち2Fの優勝で雪合戦は幕を閉じた。




「いやー楽しかったな」


「そうだね。約一名不満ですけどね」


「俺の事かぁ?カイウス~」


「誰も“ウェル先輩”とは言ってないですよ」


午後6時、今回のメインパーティーのため、屋内広場で話しているとこだ。


「ルージ先輩、優勝おめでとうございます」


「ははっ、ありがとう、ヤクモ」


オレはウェルをちらちら見ながらルージにお祝いの言葉をかける。


「てめぇ、ちらちらこっちを見ながら言ってんじゃねぇー!!」


ウェルが態度を悪くなる・・・・・悪くしてる中、屋内広場の電気がパッと消えた。


「始まるな・・・・ウェルもそのあたりで止めておけ」


「しょーがねぇな」


映画のブザーのような音が聞こえ、ライトが広場の中央に当たり、生徒会長のマリナがマイクを持って会釈をしていた。


「皆さん、雪合戦は楽しんでくれましたか?」


その質問に広場全域から“楽しかったでーす!”と返ってきた。


「これからは本来のパーティーとなります。食べ物や部活の出し物などありますので楽しんでクリスマスを過ごしてください」


また会釈をしてマリナはその場を後にした。

次の瞬間、ミュージックが掛かり、皆騒ぎ始めた。


当然、オレたちも楽しむためにまずは豪華料理が並ぶ場所に足を進めた。


今回の反省

暇ねん「雪合戦しゅ~りょ~」

八雲「まけた・・・・・・」

暇ねん「当たり前だろ!そう簡単に勝てるかって」

八雲「ご都合主義だろ!」

暇ねん「それ、委員長が勝手に言ってるだけだから」

八雲「確かに・・・・・」

暇ねん「それにお前は出番は次だって」

八雲「次?今回じゃなくて?」

暇ねん「次。大体、セレナのためのパーティーだろ?」

八雲「そーいや・・・・セレナ出てこなかったし・・・あっ!」

暇ねん「フラグだろ?」

八雲「いや、違うでしょ!」


次回『最高のクリスマスだな、こりゃ』

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