あれ?なんでオレだけ「さん」付け?
「何でオレが・・・・・・・」
文句を垂れながらケーキをトッピングしていく。その姿は実におかしなものである。執事服を着て、サングラス。その上にエプロンを付けている自分は・・・・・実に異様だ。
「こんなものかな・・・・・・」
誰に聞くわけでもなくオレは目の前にある小皿に乗っているものを見た。小皿に乗っているのは、市販で売ってそうなほどのケーキである。作ったのはオレだ。
時間にして5~8分。えっ?なに?時間がおかしい?そんな早くにケーキは焼けないだって?たりめーだろ!これは小説だぞ!大人の事情だ!
ちなみにケーキはチョコレートケーキである。それを手に取り、急いで教室に戻った。
「おまたせしました」
教室に戻るとセレナの前にチョコレートケーキを置き、マグカップに紅茶を注いだ。紅茶は教室に合ったものを使わせてもらった。
「ありがとう。いただきます」
「どうぞ・・・・って、ユウナ先輩は?」
「ん・・・・・ユウナなら、教室にお財布を取りに要ったわ。ポケットに入れたお金だと足りなくなったとか・・・・・・」
小さくケーキをフォークで切っては口に運んでいく。食べている表情を見ると、味には問題ないようだ。
「ヤ・・・ルーク!ちょっときて」
「なんだぁ?」
委員長がレジの後ろから手招きと一緒に呼んでいるのを見てセレナに断りを入れてから足を向けた。
「予定より早くカイウスとレグが見回りに行ってしまったの。そのため、人が足りないのよ。ヤクモはいつまでここにいられる?」
「いつまでって・・・・・ユウナ先輩が戻ってくるまで、かな?」
時計を見ながら口を開く。時刻は12時を過ぎており、後15分で1時である。
「できるだけで良いから手伝って!」
「・・・・・・できる限りでな」
そこまで言われてできません。なんて言えるかって!
表情を緩ませると、委員長の頭に手を当てる。
「へ?」
突然頭に手を当てられ困っている委員長を見て笑うオレ。
「んじゃ、いってくるわ」
手を離すとレジから出て、まずはセレナに向かった。
「先輩。すいませんがユウナ先輩が来るまで教室の手伝いをしたいのですが・・・・・」
「いいわよ。ルークさんのクラスなのだから」
笑顔で返してくるセレナに頭を下げ、接客を始めた。
「あらー、ルークって意外と真面目なのね」
「ユウナ・・・・いつの間に?」
後ろからの声に驚きはしたが、すぐになれた。
「いまさっき」
「まったく・・・・・・それより真面目って、どーゆうこと?」
ユウナが席に着くとセレナは今聞いた事を聞き返した。ユウナは接客しているヤクモを見ながら声を出した。
「だって、今までの護衛役の人ってセレナのことだけだったじゃない?自分のクラスの出し物は知らない振りってやつで」
「ルークさんはそーゆう人じゃないわよ」
最後の一口を口に運ぶ。
「ん~セレナって、ルークと知り合いなの?何か知ったような口ぶりだけど?」
「ん?まー知り合いといえば・・・・知り合いなのかしらね?」
「なに?その疑問系?」
フォークを小皿に置くと、セレナはヤクモに視線を向ける。
「ふふっ、秘密よ」
「あっ!ずるーい!親友には教えなさいよ」
「んん?」
ひと段落してため息を吐くと二人の楽しそうな声が聞こえてきた。オレは二人の方に足を向けた。
「先輩達、満足できましたか?」
「「ええ、とっても」」
「ありがとうございます!これからどうしますか?」
時間は1時5分前
「私はどこでも良いわ。ユウナは?」
「そうね・・・・・・・屋内広場に行ってみない?あそこで面白いものがあるって先生言ってたし!」
「そうね・・・・それじゃ、行きましょ!ユウナ、ルークさん」
教室を出て、オレたちは屋内広場に向かっていると、またも周りの生徒が客寄せならぬ姫寄せをしに近づいてくる。
なれたようにセレナは生徒を誘いを断る。だが、それを見ていて、ふと、不思議に思う事があった。
なんでオレはルーク『さん』で、ほかの奴の名前を呼ぶときは『君』なんだ?ジン部長も『君』だったし・・・・・・?
疑問に思ったが口にすることはなく、オレたちは屋内広場に着いた。
今回の反省
暇ねん「久しぶりに書いたから、文章がいつも以上に雑だ」
八雲「サボり癖がついたな」
暇ねん「うぐっ!」
八雲「これからもこんな感じだったら読者がいなくなるぞ?」
暇ねん「う・・うぅ・・・・・・」
八雲「まー頑張るこったな」
暇ねん「が、頑張るさ!!やれって言うならやってやるさ!!」
次回『いやいや、屋内でこれはありえないだろ!?』です。




