教えてあげる
母さんが旅行に行ってから一週間がが経ち、八月七日の夜。
「さてと、いつもの如く作りますか!」
オレは気合を入れると仕舞ってある包丁を取り出し魚をさばき始めた。
「八雲!」
「ん?どう・・・・し・・・・・た・・・・・・?」
セレナの声に反応してオレは包丁を止め、視線を向けた。のだが・・・・・・
「セレナ、えーっと聞きたいことがあるんだけど・・・・・・・」
「この格好のことでしょ?」
そう、今、セレナはエプロン姿なのである。
オレは頷くとセレナが『かわいいでしょ』と言いながらエプロンの端を持ち上げる。
「冴子さんが旅行に行く前に、コレをってくれたの」
「あー母さんが・・・・・・」
あの人は何をやってんだか。
「まぁ、いいや。どうしてエプロン姿?いつもなら付けないのに」
「うん。今日は八雲に教えてもらおうかと思ったから」
「教える?・・・・・・あぁ!そう言うことね。いいよ、こっちに来て」
「お願いね」
セレナに料理を教えるって前に約束したので、オレはセレナを呼んだ。
「んじゃ、オレが途中までやっちまったけど魚をさばいてみるか?」
「ええ!」
さばき途中の魚を使ってセレナに、魚のさばき方やその後の料理も教えてあげた。
さすが、セレナだな。危なっかしいとこも無い。さすが女の子。
「こんな感じで良い?」
ミソを溶かしてから、セレナは小皿に味噌汁を入れオレに差し出してきた。
「・・・・・・・おお!うまい!」
「よかった~」
今回、オレ何もしなかったな。全部セレナに教えたらやってのけるからな。
「ま~料理はやれば出来るか」
「ん?何か言った?」
「いや、セレナは結婚したら良い母親になれるなって言ったんだよ」
「や、八雲!?何言ってるのよ!」
「事実を述べたまでだよ。オレは出来上がった物を向こう持って行くよ」
出来上がった料理を手に取り、テーブルへと持っていく。
「・・・・・・・ばか」
オレがいなくなるとセレナは小さく呟いた。
「「いただきます」」
こうしてオレは、セレナの手料理を美味しく頂いた。
今回の反省
八雲「手抜き?」
暇ねん「おう!?いきなりどうした?」
八雲「いや、いつもと比べて内容が薄いし、短い」
暇ねん「そ、そ、そ、そんなことないぞ!」
八雲「汗だらだらだぞ?」
暇ねん「気のせいだ!これは涙だ!!」
八雲「罪悪感でか?」
暇ねん「ちがうわ!」
次回『八雲、お願いがあるんだけど・・・・・・』です。




