リリの遺言書(父・ロバート代筆)
遺言書
私は、リリ・モーリス。33歳。健全な精神状態にて、本遺言を作成する。
1.私は、全ての財産(ボストン所在のマンション、預金、宝石類、個人所有物を含む)を、私の夫である、ジェイク・モーリスことサミュエルへ遺贈する。
2.動産の処分と不動産購入の指示
私の動産(家具、宝石、美術品、車輛を含む)は、夫ジェイク・モーリスことサミュエルが公正な市場価格で売却し、その全額をシドニーにおける私との旧居または同等の住宅および土地の購入費に充てることとする。余剰が生じた場合は生活費として用いることを認める。
これらの目的は、夫ジェイク・モーリスことサミュエルの安定した生活基盤の確保にある。
3.私は、夫ジェイク・モーリスことサミュエルが、本来の名であるサミュエルとして生きることを心から望む。
4.葬儀の形式および場所の決定は、夫ジェイク・モーリスことサミュエルに一任する。ただし、私の父ロバートおよび母エリンと協議のうえで決定するものとする。
5.遺言執行者は、夫ジェイク・モーリスことサミュエルとする。
6.この遺言は、私の以前の全ての遺言、また遺贈を撤回する。
上記の内容は、私の真意である。私はこれを読み上げられ、口頭で承認した。
リリ・モーリス
1973年8月27日
(筆記不能のため、父ロバート・ジョンソンによる代筆署名)
代筆者:ロバート・ジョンソン(父)
1973年8月27日
証人1:エリン・ジョンソン
1973年8月27日
証人2:アレン・トンプソン
1973年8月27日
証人3:イヴリン・テイラー
1973年8月27日
証人4:ハリー・ブルックス
1973年8月27日
本遺言は、患者リリ・モーリスの口頭指示に基づき、父ロバート・ジョンソンが手書きにて作成したものである。
患者本人が全文読み上げを聞き「正しい」と口頭にて承認した。
アレン・トンプソン医師は、患者の意識および判断力が明瞭であり、遺言能力があることを確認した。




