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これから死ぬ女 √ もう死んだ男  作者: つこさん。


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日勤看護婦から夜勤看護婦への引き継ぎ日誌

緩和ケア病棟 - 引き継ぎ報告書

日付:1973年8月27日

シフト:日勤(07:00ー15:00)→ 夜勤(15:00ー07:00)

作成者:看護婦E.テイラー

宛先:看護婦M.ヘイズ


患者:リリ・モーリス

年齢/性別:33歳/女性

病室:5病棟、12号ベッド

診断:末期膵臓がん(肝転移)

入院:1973年8月23日


バイタルサイン(14:00):

- 血圧:100/65 脈拍:92回/分 呼吸:18回/分 体温:37.0

- 疼痛:軽度(13:00モルヒネ投与により緩和)

- 意識清明、覚醒、方向感覚正常。嘔吐なし。


看護ケア要約:

1.医療指示:

- ブドウ糖液継続。尿量監視(カテーテル挿管済み)。

- 疼痛時モルヒネ 4時間ごと。

- 腫瘍科相談(トンプソン医師):緩和ケア優先。今後化学療法なし。


2.重要な出来事(日勤):

 - 10:00:ED後安定。家族到着(夫ジェイク、父ロバート、母エリン)。

 - 11:00:患者の希望により、家族(父ロバート・母エリン)および主治医トンプソン医師立会いのもと、最終遺言文書を作成。

 - 父ロバート氏が代筆。患者は内容を口頭で確認し、親指印にて同意。

 - 証人:私(看護婦テイラー)、A.トンプソン医師、社会福祉士H.ブルックス(3名)。

 - 文書は主治医管理のもと保管。患者より「後日、夫に内容を伝達希望」との発言あり。

 - トンプソン医師確認:「判断力明瞭」。

 - 12:00:作業後、患者安静。感情的であるが落ち着き保たれる。


3.家族/心理社会的状況:

 - 夫:支援的で落ち着いている。疲労の様子あり。

 - 父:終始冷静に対応。患者の希望に協力的。

 - 母:悲嘆の様子あるが、安静維持に努めている。

 - 子供なし言及。社会福祉士が後日家族カウンセリングフォロー。


4.活動:

 - 口腔ケア 4時間ごと。皮膚健全。体位変換 2時間ごと。

 - 食事:水分少量のみ。


夜勤指示:

- バイタルサイン4時間ごと監視。収縮期血圧90未満または疼痛強度増大時、医師へ報告。

- 指示通りモルヒネ投与。快適ケア優先。

- 家族面会可(夫がラウンジで宿泊)。

- 遺言文書:金庫から取り出さず。患者が再確認希望時のみ問い合わせ。

- 朝:トンプソン医師回診(08:00時)準備。


コメント: 遺言作成後、患者は疲労みられるも落ち着き保たれる。尊厳を保ったプロセス。夜間も平穏な経過を願う。


署名:E.テイラー 時間:14:55

受領者:M.ヘイズ 時間:15:05

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