1973年8月27日 日曜日 10:55
「――リリの希望で、私とエリン、それに主治医の先生たちと、これから少し面談をすることになった。……いいかな?」
「もちろん。どうぞ、御家族だけでゆっくり話してください、ロバート」
「……わかった。ありがとう。行ってくる」
「――お疲れ様でした。長かったですね。しっかり話せましたか?」
「うん、先生も一緒だったからね。リリも安心してたよ。……気づいたら、一時間近くも経っていたね」
「眠っていますか?」
「うん。少し無理をさせてしまったかな。……いつまで言葉を交わせるだろうね。また……目覚めてくれるだろうか」
「……起きますよ、きっと。そして、また『ジンリッキーが飲みたい』って言うに決まってる」
「そうだね。……ありがとう、ジェイク。君の献身に、感謝している」
「本当に……ありがとう、ジェイク」
「僕なんて、足りないことばかりです。でも……そう言ってくださって、ありがとうございます、ロバート、エリン」
「あなたがリリの夫でいてくれて……本当に良かったと思っているのよ」
「そうかな。そうだといいな」
「そうよ。……ジェイク。どうか、幸せになってちょうだいね」
「エリン、そんな事言わないで。まだ終わっていない。……次のことなんて、考えられないよ」
「……そうね。そうだと思うわ。……さあ、少し外に出ましょうか。お昼にでも。アンはホテルにいるかしら?」




