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これから死ぬ女 √ もう死んだ男  作者: つこさん。


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20/37

医師のカルテ(フィクション)

緊急部門入院記録 入院日: 1973年8月23日

時間:22:30

患者:リリ・モーリス、女性、33歳。

住所:米国ボストンからの旅行者(一時滞在:クローヴェリー、NSW)。

紹介医:NSW救急サービス(救急隊員経由)。

主訴:意識喪失。


現病歴:

患者はボストンからの観光客で、8日米国からの飛行機でシドニー到着(ロサンゼルス経由)。末期膵臓がん(1972年末診断、米国で化学療法中)の既往あり。疼痛管理にモルヒネ系鎮痛剤を使用。就寝中、夫が呼吸停止を確認し、000に通報。救急車が約10分で到着。搬送時、意識レベル低下、脈拍弱、血圧低下。蘇生処置後に循環回復。けいれんなし。

既往歴:

末期膵臓がん(1972年末診断、医師管理)。肝転移あり、予後不良。アレルギーなし。

薬剤:

疼痛管理にモルヒネ硫酸塩を使用、制吐剤。

社会歴:

非喫煙者、時々アルコール、静脈薬物使用なし。


身体所見:

全身:蒼白。意識レベル低下。

胸部:呼吸音減弱、心音微弱。

腹部:肝腫大触知、圧痛軽度。

四肢:冷感あり、浮腫なし。


検査:

血液検査:軽度低血糖、肝機能異常、アミラーゼ上昇。

胸部X線:心拡大軽度。

心電図:洞性徐脈。


評価:

低血糖・低血圧に伴う意識障害(代謝性昏睡)。

膵臓がん終末期、疼痛・代謝異常のエピソード。

蘇生後、自発呼吸回復。予後不良ながら一時的改善の可能性あり。


計画:

酸素投与(マスク経由)。

輸液(ブドウ糖液、生理食塩水)で血糖・電解質補正。

疼痛時モルヒネ投与継続。

ICU一時管理後、緩和ケア病棟移送予定。

24時間以内に再評価。

家族(夫)へ経過説明:「一時的に覚醒する可能性はあるが、全身状態は依然として脆弱」。


署名:A.ウィリアムズ医師、緊急部門レジストラー

時間:23:45

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