1973年8月23日 木曜日 16:49
「今日は楽しかったわね、リリ。参加させてもらえてよかったわ!」
こちらこそよ、エミー。結局、こんな時間まで付き合わせちゃって。
「そんなこと言わないで! 本当に楽しかったんだから。それに、ジェイクがこの綺麗なドレスを汚さずに脱がせるなんて、無理だと思うし!」
ありがとう、本当に助かるわ。
……こんな事、両親にも頼みたくないしね。
「……呼ばないの? 部屋、空いてるでしょう?」
まだ、何て話せばいいのか、わからないのよ。ずっと元気だって、思わせて来たんだから。
「お母様、リリの花嫁姿が見られて、泣いてたわ」
……どうかしらね。色んな意味で、泣いてたのかもね。
「……リリ。たぶん、わたしにだから出来る事が、沢山あるわよね? 遠慮せずに言ってね。全部」
本当に、沢山してくれているわ、エミー。びっくりするくらいよ。感謝してる。ありがとう。
「どういたしまして! ……ドレス、ここにかけておくわね。今日は、疲れたでしょう? シャワーは明日にしましょ」
ありがとう。……眠るわ。またね。
「おやすみ、リリ。良い夢を」
「――ジェイク、お疲れ様。今日は本当にカッコ良かったわよ!」
「君のボーイフレンドよりもかい?」
「あら、それはないわ! わたしにとってはベンが一番カッコいいわよ!」
「本当だ、彼はなかなかスマートな男だからね」
「ひとまず、大きな山は越えたわね」
「ありがとう、君のお陰だよ」
「どういたしまして! お礼は、リリを幸せにしてあげること。それで十分よ」
「難題だな、がんばるよ」
「そうこなくっちゃ。じゃあ、今日はもう帰るわね」
「ありがとう、ベンによろしく」




