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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
滅ぼされた村編
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86.戦争の気配

 その週は、ゴールデンウィーク中の活動に備えて、キャンプ用の大きなテントと、異世界で売却する用の小麦粉25kgを10袋購入した。

 小麦粉は結構な量なので、購入する時、誤魔化すのに苦労してしまった。


 そして、土曜日になり、アジドさんは、シンジュの街で仕事中。ナンシーは、インドからトルコを経由して、ギリシャに滞在中だった。


「さて、今日からゴールデンウィークだから、この連休中に、異世界の戦争問題を一気に解決するぞ!」

「あれ? 兄ちゃん今日からゴールデンウィークなの?」

「そうだよ、有給を6日使って、16連休にしてある」

「いいな~ 私も有給欲しいな~」


「あ、そうかアヤは短大があるから、月曜日には戻らないといけないのか。今回アヤは、留守番してるか?」

「やだよ、置いてかないでよ!」

「仕方ないな、じゃあ日曜の夜に一度戻ってきて、月曜の朝にまた向こうに行くか」


「月曜に向こう行ったら、次は何時戻ってくるの?」

「金曜日かな」

「えー、昭和の日は?」

「昭和の日は、水曜日で1日だけだから、行ったり来たりは出来ないよ」


「じゃあ、今週はずっとひとりぼっち?」

「戦争問題の解決のために行くんだから、仕方ないだろ」


「アヤさん、すいません」

「エレナちゃんは悪くないよ。うん、ごめん、エレナちゃんの国の問題だもんね」


「それじゃあ、出発するぞ」

「はーい」「はい」


 俺達は、瞬間移動で『シンジュの街』へ飛んだ。


~~~~~~~~~~


 『シンジュの街』は、騒然としていた。


「何だ、この兵士の数は」


 『シンジュの街』は、兵士っぽい雰囲気の、厳つい男たちで溢れかえっていた。


「とうとう戦争が始まるのかもしれません」

「どういう事?」

「この『シンジュの街』は、魔王の治める魔人族の国に、一番近い街なんです」

「なるほど、この街に兵士を集めて、ここから魔人族の国に向かうのか」

「そうだと思います」


「しかし、今の状態では動きようが無い。まずは、情報収集をしないと」

「はい」


 俺達は、冒険者ギルト、商人ギルド、職人ギルドを巡って情報収集をした。


・スカベ村の生き残りは、街の北の『スラム街』に住んでいる。

・王様の命令を受けて、各街を治める貴族達が、それぞれ集めた兵士を『シンジュの街』に集結中。

・兵士が集まったため、『シンジュの街』は食料が不足している。

・近日中に部隊を編成し、進軍するとの噂。

・戦争特需を見越した商人たちも集まっているため、宿屋はどこも満室。


 収集した情報はこんな所だ。


 俺達はまず、街の北にあるという『スラム街』に行ってみることにした。



 しかし、『スラム街』に向かっている途中、異常な事に気がついた。


「アヤ、エレナ、ちょっと待ってくれ」

「はい」「兄ちゃんどうしたの?」


「この先に、『注意』を示す何かが、大量にいる。」

「え? 魔物ってこと? 街の中だよ?」

「魔物かどうかは分からん」


「大量って、どの位いるんですか?」

「1000以上だ」

「1000!!? 何かの間違いじゃないの?」

「分からん。けど、慎重に行くぞ」


 慎重に進んでいくと、()()が漂ってきた。

 この臭いは、知っている。イカ臭い臭いだ。


 イカ臭い臭いの中を更に進むと、5人ほどの頭の悪そうなスキンヘッドが居て、道を塞いでいた。


「お前、何の用だ。この先、俺達の街、用無いなら、引き返せ」

「スカベ村の生き残りが、ここに居ると聞いてきた。話を聞きたいので、通してもらえるか?」

「知らん、帰れ」


 取り付く島もない。

 俺は、違和感を感じて、そいつらを【鑑定】してみた。


「……そうか、邪魔したな。二人共、帰るぞ」

「え? 帰るの?」


 奴等が見えない位置まで戻ってきた所で、俺は振り返り―


「あいつら、オークだ!」

「え!? オーク?」

「そういえば、オークと同じ臭いがしていました」

「あいつら【人化の魔石】を使って人間に化けてるんだ!」

「えぇ!?」


 ゴブリンが作らせていた【人化の魔石】を使って、オークを人間の街に潜り込ませている? 一体何を企んでいるのだろう。


「もしかして、『スカベ村の生き残り』と言うのも、あいつらが街に潜り込む為の嘘だったのかもしれない」

「そんな……」


 俺は、雷精霊を呼び出し、アヤのビーコンを付けて『スラム街』を偵察しに行ってもらった。


「あたい、攻撃専門なんだけど。最近偵察ばっかりじゃない!」などと雷精霊はボヤいていた。


 きっと近いうちに、雷精霊に大暴れしてもらうような事態になるのではないかと、俺は危惧していた。



「さて、俺達は街に戻って『スラム街』についての情報収集をしよう」

「「はい」」



 街に戻った俺達は、商人ギルドの年配の職員から、話を聞くことが出来た。


「じゃあ、『スラム街』は数年前から徐々に大きくなってきているんですね」

「ああ、そうだ。あそこは嫌な臭いがするから、誰も近づかないんだ。困ったもんだよ」


「あそこの人たち、食料なんかはどうしてるんでしょう?」

「この街を治める貴族様が、『スラム街』に食料などを、大量に差し入れているんだそうだ。スカベ村の生き残りだから、ほっとく訳にもいかないんだろうな」


「スカベ村と『スラム街』は、どんな関係があるんですか?」

「その点はよく知らないが。この『スラム街』出身の商人が、よくスカベ村に出入りしていたらしいから、その人を頼ってこの街に来たのかもな」


「『スラム街』出身の商人ですか!?」

「なんでも、その商人が、スカベ村が魔王軍に襲われている所を目撃したらしいよ」


「もしかして、今回の戦争の発端って……」

「そう、その証言が元で、魔人族との間に亀裂が出来て、そしてこの有り様って訳だ」

「なるほど……」



 商人ギルドの職員さんの話しを聞き終わり、ギルドを出た所で雷精霊も戻ってきた。


「あの、『スラム街』オークしか(・・)居なかったよ」

「オークしか(・・)!?」


 映像を確認してみると。

 入口付近は【人化の魔石】を使った奴が守っているが、『スラム街』の中は、オークだらけだった。


「エレナ、これはマズイかも」

「お父様は、ゴブリンとオークに騙されているんじゃ無いでしょうか」

「その可能性は高いな」


なんか頭痛がすると思ったら、虫歯だったorz


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