表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
滅ぼされた村編
90/438

82.魔石

2015/07/22 22:30 【魔石複製器】と【魔石】は、村から持ちだした物を受け取る様に変更しました。

2015/07/23 18:32 【魔石複製器】と【魔石】は、全部受け取った様に修正しました。

 村には数匹のゴブリンが残っていたが、素早く片付けて、人が働かされていた場所へと向かった。


「助けに参りました、皆さん大丈夫ですか?」


 3人で話し合い、今回に限って、エレナがリーダーということにしたのだ。


「え!? 助けに来たって…… ゴブリンは?」

「ゴブリンは、私達が全て倒しましたので、ご安心下さい」

「全て!?」


 捕まっていた人たちに、もう安全である事をしらせ。エレナは、体力が弱っている人に【回復魔法】を掛けたり、食料や水を分け与えたりしていた。



「それじゃあ、もう、無理やり働かされることもないんですね?」

「ええ、もう大丈夫ですよ」

「「やったー!」」「「自由だ!」」「「ありがとうございます!」」


 エレナは、みんなから口々にお礼を言われていた。

 俺はみんなを一旦落ち着かせて、色々質問してみた。


「皆さんは何処から連れて来られたのですか?」


「私は、スガの街です」

「私は、イケブの街からです」


 他の人も聞いてみたところ、5人程がスガの街から、残りの20人くらいは、イケブの街からだった。


「では、みなさんどの様に連れて来られたんですか?」


「私は、街の中で、急に後ろから襲われて、気がついたらオークに捕まっていました」

「私も、同じです」「私も」


 どうやら、全員街の中で誘拐されたらしい。

 前にも似たようなことがあったけど、街の中でどうやって拐われたんだ?


「みなさんは、ここで働かされていたようですが、何をするように言われていたんですか?」


「魔石を作らされていました」

「魔石? どのような魔石ですか?」

「よく知りません」

「作っていたのに、何の魔石だか知らないんですか?」


「魔石を作っていたというより、魔石を複製していた、という方が正しいと思います」


 魔石の作り方を教えていた職人っぽい人が、答えてくれた。


「魔石の複製?」

「はい、ゴブリンがどこからか持ってきた【魔石複製器】と、とある【魔石】で、その【魔石】の複製をさせられていました」


「とある魔石とは?」

「私は鑑定が出来ませんので、なんの【魔石】かは、分かりませんが。これです」


 渡された【魔石】を【鑑定】してみると―


┌─<鑑定>────

│【人化の魔石】

│持つ者を人の姿に変える魔石

│レア度:★★★★

└─────────


 『人化』だと!

 もしかして、オークにこれを持たせて街に忍び込ませ、それで人を拐っていたのか!? 状況から察するにそういうことなのだろう。


「最後に、この村の事をご存じの方は居ませんか?」

「私達は、他の街から連れて来られた者ばかりだから。魔王軍に滅ぼされた村としか……」


 ここまで来て手がかりなしなのか……


「あ! 聞いた話ですが、この村の生き残りが数人、シンジュの街に居ると聞いたことがあります」

「生き残りが居たんですか!?」


「当初は全滅と聞いていたのですが。1ヶ月ほど経ったある日、この村の生き残りだという人達が、シンジュの街にひょっこり現れたそうです」


 ここまでの話しを整理しておこう


・ゴブリン達は【人化の魔石】を作らせていた。

・【人化の魔石】を持ったオークやゴブリンが、街の中に潜んでいる可能性がある。

・シンジュの街に、スカベ村の生き残りが居る。


 まずはゴブリンたちが【人化の魔石】を使って何を企んでいるのかだが。誘拐は、あくまでも【人化の魔石】を作らせる人族を増やすためであって、目的は別にあるはず。

 街の中に【人化の魔石】を持ったオークやゴブリンが居るのなら、怪しい奴を片っ端から【鑑定】して見る必要がある。街の中にたまにいた『危険』を示す奴らは、犯罪者じゃなくて、『人化』したオークやゴブリンだったのかもしれない。プライバシーに配慮して、むやみに【鑑定】を使わないようにしていたのが、(あだ)になってしまったな。


 まず最初にすべきは、スガの街、イケブの街の、人化したオークやゴブリンの調査と、必要なら排除。

 その次は、シンジュの街に行って、スカベ村の生き残りの調査と言った感じかな。


 俺達は、捕まっていた人たちを、それぞれの街まで【瞬間移動】で輸送した。もちろん、他言しないように念を押してある。


~~~~~~~~~~


 職人っぽい人は、捕まっていた人たちを代表してお礼がしたいと言うので、イケブの街にあるという、その人の魔石専門店に寄ることにした。


「どうぞ、ここです」


 怪しげな店に入ると、中で年配の女性と若い女性が、暗い顔をして椅子に座っていた。

 俺達が入ってくると、二人は急に立ち上がって。


「あなた!」「お父さん!」


 職人っぽい人に駆け寄り、3人は抱き合って喜んでいた。


「無事でよかった」

「二人には心配を掛けてしまったな」

「お父さん、どこに行っていたの!」

「オークに拐われていた所を、この人達に助けられたんだ」


「そうでしたか、この度は夫を助けていただき、本当にありがとうございました」「ありがとうございました」


 恐縮しっぱなしの親子に、魔石を色々と見せてもらうことになった。


 店に置いてある魔石は以下のとおり。


┌─<鑑定>────

│【そよ風の魔石】

│周りにそよ風が吹く魔石

│魔力を込めると風が強くなる

│レア度:★★

└─────────


┌─<鑑定>────

│【湧き水の魔石】

│魔石から少しずつ水が溢れてくる

│魔力を込めると水の量が増す

│レア度:★★

└─────────


┌─<鑑定>────

│【冷やし魔石】

│周りがひんやり冷たくなる魔石

│魔力を込めると冷たさが増す

│レア度:★★★

└─────────


┌─<鑑定>────

│【微光の魔石】

│ぼんやりと光る魔石

│魔力を込めるとしばらく明るくなる

│レア度:★★★

└─────────


┌─<鑑定>────

│【着火の魔石】

│じんわり暖かい魔石

│魔力を込めると熱くなる

│レア度:★★★

└─────────


 各属性の魔石があるのだが、土と闇の魔石は無いらしい。


「あれ? じゃあ、雷の魔石もあるんですか?」

「有ることにはあるのですが、使い道が無いので店には出していません」


┌─<鑑定>────

│【ビリビリ魔石】

│触るとビリビリする魔石

│魔力を込めるとビリビリが強くなる

│レア度:★★★

└─────────


「ビリビリするんですか?」

「ええ、ビリビリするだけで、何にも使い道がないんです」


「なるほど、では―

このビリビリ魔石をあるだけ、全部売って下さい!」


「え!? ビリビリ魔石をですか?」


 これはいいものだ! いくらでも欲しい。


「わかりました、こんな物で良ければ幾らでも差し上げますよ」


 俺は、大量の【ビリビリ魔石】を手に入れた。



「あと、魔石複製についても教えてもらえますか?」

「はい、分かりました」


 職人さんは、とある【魔石】をカバンから取り出した。


「これは【ヌルポ魔石】という物です」

「ぬるぽ?」


「はい、【魔石】は『鉱山』や『ダンジョン』などで、見つかるのですが。『ダンジョン』では【特殊魔石】と【属性魔石】。『鉱山』では【属性魔石】と、この【ヌルポ魔石】が取れます」


 職人さんは、【魔石複製器】を取り出し、【ヌルポ魔石】と【着火の魔石】をセットし、魔力を込め始めた。

 しばらくすると、【ヌルポ魔石】が赤く変化して【着火の魔石】に変わった。


「このように【ヌルポ魔石】は、【魔石複製器】を使って、他の魔石に変化させることが出来ます」

「なるほど、こうやって複製するんですね」


「この【魔石複製器】と、【ヌルポ魔石】、あと、私達が作らされていた『ナゾの魔石』も、あの村から持ち出してきたものなので、助けて頂いたあなた方がお持ち下さい」

「いいんですか?」

「私達は、助けて頂いたのですから当然です」

「では、ありがたく頂きます」


 【魔石複製器】と、【ヌルポ魔石】、【人化の魔石】をそれぞれ貰って、俺達は店を後にし、日本へと帰還した。


ガッ!


ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] マゾの魔石?(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ