77.新防具と作戦会議
俺は、スカベ村の件を報告すべく、宿屋に舞い戻った。
「あれ? 兄ちゃん、こんな朝っぱらから夜這い?」
「セイジ様、おはようございます」
「エレナおはよう。アヤ、夜這いは夜だから夜這いって言うんだぞ」
「それじゃあ、朝這い?」
「アヤ、そんな言葉は無いぞ。スカベ村を見つけたから、急いで戻ってきたんだ」
「え? もう見つけたの? 兄ちゃん早いよ」
呆れ顔で「早い」とか言われると、なんかいやな気分になるな……
「スカベ村は、ゴブリンの団体がたむろってた」
「え? ゴブリンがですか!? どうして?」
「まだ、ちゃんと調査してないから、はっきりしたことは言えんが。無人になった村をゴブリンが見つけて、住み着いてしまったのかもしれん」
スカベ村の現状、どうも気になるんだよな~
「ゴブリンどれくらいいるの?」
「100以上は確実にいるはずだ。ヘタすると200は居るかも」
「そんなに居るんですか!? それだと、ゴブリンの上位種が居る可能性が高いですね」
「上位種? ゴブリンキングとかか?」
「200くらいの集団ですと、収めているのはゴブリンプリンス辺りかと思います」
ゴブリンプリンスなんて居るのか。
「あの~ セイジ様、一つお願いがあるのですが」
「エレナがお願い? 珍しいな。なんだい?」
「ゴブリン退治、私にやらせて頂けないでしょうか?」
「え! エレナが!?」
「スカベ村の問題は、ドレアドス王国の問題ですので、出来れば、私の力で解決したいんです」
なんか、いつになくエレナが積極的だ。
「兄ちゃん、エレナちゃんがこんなにやる気を見せてるんだから、協力してあげようよ」
「ああ、そうだな」
「セイジ様、アヤさん、ありがとうございます」
「それじゃあ、やっぱりアレが必要だな」
~~~~~~~~~~
俺達はニッポの街に、やって来た。
「ようセイジ、例のものは出来てるぜ」
「こんにちは、ガムドさん」
ガムドさんは、出来上がった防具一式を見せてくれた。
「か、カッコイイ!」
「そうだろう、わしが腕によりをかけて作ったんだからな」
俺のかっこいい防具は、ハーフアーマーに、肘まで隠れる小手と、スネまで隠れるブーツだ。それに軽い!
「どうだ、軽いだろう。重さ軽減の魔法と、おまけに防御強化の魔法も付いた逸品だ」
「そんな凄いのか!」
アヤの防具は、胸当てと肘と膝の部分鎧だ。スピード重視のアヤにはこれくらいが丁度いい。
「この鎧、なんかエロくない?」
「アヤ、この鎧の下に普通の服を着るんだぞ?」
「あ、そうか。一瞬、水着アーマーかと思っちゃったよ」
アヤ、水着アーマーなんて物は、二次元にしか存在しないぞ。
エレナの防具は、真っ白に輝く胸当てとブーツだった。
「エレナ嬢ちゃんのは、魔法防御と弓矢などを弾く魔法が施してある」
「ありがとうございます!」
「どうだ、三人共気に入ったか?」
「「「はい」」」
「所で、今日の装備の代金なんだけど~」
「何言ってやがんだ! この前貰ったウイスキーが代金だ。アレ以上1ゴールドだって貰わないぞ」
「そうか、残念だな~ せっかくまたウイスキーを持ってきたのに……」
「なに!?」
俺は、ウイスキーを取り出して机の上に置いた。と言っても、前回みたいに高級品じゃなくて、スーパーで買ってきた普通のだ。
「このウイスキーも受け取って貰えないなら、俺が飲んじゃうかな~」
「さっきの嘘! ウイスキーなら貰うぞ!」
「……」
おっさんの物欲しそうな顔を見ていても、あまり楽しくないな。
「冗談ですよ。せっかくお土産で持ってきたんですから。あ、でも、前回みたいに高い酒じゃ無いんで、あまり期待しないでくださいよ」
「そうか、でも、それもウイスキーなんだろ。早く飲ませろ!」
ガムドさんは俺からウイスキーを奪い取ると、この前あげたグラスに注いで飲み始めてしまった。
「かー! 旨え!! まったく、ウイスキーは最高だぜ!!」
なんか一言違うと危ないセリフになりそうだが、そっとしておこう。
「それじゃあ、俺達は帰りますね」
「おう、また来いよ。ウイスキーの差し入れは、いつでも歓迎だからな!」
「はいはい、また来ますよ」
「バイバイ」「おじゃましました」
俺達は、ガムドさんの新しい防具を身にまとい、スカベ村へと向かった。
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「ここが、スカベ村ですか」
「ほんとにゴブリンがウジャウジャ居る~」
俺達はスカベ村が見渡せる小高い丘の上で、身をかがめていた。
「エレナ、行けそうか?」
「は、はい…… 死ぬ気で、頑張ります!」
「そんなに気張らなくていい。俺達も手伝うから」
「うん」
「ありがとうございます」
「しかし、エレナがメインで戦うとなると、きちんと作戦を立てておく必要があるな」
「作戦ですか?」
「いくらなんでも、あの数と同時に戦うのは、無謀すぎる」
「では、どのようにするのですか?」
「こういう場合は、各個撃破が基本だ」
「かっこ撃破?」
アヤのやつ、分かって無さそうだorz
「まずはアヤ、お前がゴブリンを何匹か誘き出すんだ」
「あ、分かった! モブをプルしてくるんだね」
「そうそう」
「それでエレナちゃんが、範囲系スキルでやっつけるの?」
「敵の数が多かったら範囲系スキルで、敵の数が少なかったら、魔力のロッドを優先して使った方がいいかも」
「範囲系スキルって何ですか?」
「魔法で広範囲に攻撃する事だよ。エレナだと【豪雨】から【雪】で体温を奪う連続魔法がいいかも。出来そうか?」
「はい、やってみます」
作戦が決まり、俺達はゴブリン殲滅作戦を開始した。
昨日は大学の先輩が出演する芝居を見に行った。スゲー面白かった。
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