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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
水と氷の魔法編
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61.薬品製作

 すったもんだの末【魔力のロッド】を購入して、逃げるように宿屋に戻ってきた。

 今は、アヤとエレナの部屋に3人で集まっていた。


「兄ちゃん、女の子の部屋に入ってきて何をするつもり?」


「ここで【薬品製作】をやってみよう」

「私、作ってみたいです」

「作るときに道具とか要らないの?」

「ふぉふぉふぉ」


 俺は、わざとらしい笑い声を響かせながら―

 インベントリから大量のアイテムを取り出し、机の上に並べていった。



・アルコールランプ

・アルコールランプ用三脚台


・ビーカー

・フラスコ

・試験管

・試験管台

・試験管ブラシ

・ガラス棒


・じょうご

・ろ紙

・ピペット(スポイト)


乳鉢(にゅうばち)

乳棒(にゅうぼう)


・高精度デジタル測り


「こ、これは?」

「いっぱいある! 理科室みたい~」

「これで薬品を作るんだ」


 これは仕事帰りに、池袋の十九パンズで買ってきたのだ。


「さて、まずは【体力回復薬】を作るぞ」


 俺は、【薬草】と【塩】を取り出した。


「【薬草】を乾燥させないといけないんだけど、どうすればいいと思う?

 二人共、意見を聞かせてくれ」

「温風を当てる」

「水を魔法で取り除くのはどうでしょう」


「じゃあ、二人はそれぞれその方法を試してみてくれ、俺は電熱線で熱してみる」


 3人それぞれの方法で【薬草】を乾燥させて【鑑定】で調べてみた結果―

 エレナがやってみた『水を魔法で取り除く』方法が、一番品質がいいことが分かった。


 俺とアヤは、エレナに【乾燥】のやり方を教わって―

 3人で分担して【薬草】を乾燥させていった。


 持っていた【薬草】を半分ほど乾燥させた所で、乾燥作業を一旦止め、次の作業にとりかかることにした。


 乾燥させた【薬草】を、乳鉢(にゅうばち)に入れて乳棒(にゅうぼう)でゴリゴリと細かく砕いていく。

 取り敢えず、50g分だけ砕いておいた。


 次に、砕いた【薬草】を50g、【塩】を10g、魔法で水を200ml、それぞれ【高精度デジタル測り】で分量を計って取り分けた。


 水200mlを入れた【ビーカー】に、砕いた【薬草】50gと、【塩】10gを投入し、【ガラス棒】でかき混ぜる。

 【アルコールランプ】に火を付け、【アルコールランプ用三脚台】の上に【ビーカー】を置き、沸騰するまで更によくかき混ぜる。

 沸騰したら【アルコールランプ】の火を消し、【ビーカー】をインベントリに入れて時間を進ませ粗熱をとる。


 【フラスコ】に【じょうご】と【ろ紙】をセットし、ビーカーの液体をゆっくり流しこむ。

 これはコーヒー用の【ドリッパー】でも良かったかもしれないな。今度買ってこよう。


 【フラスコ】の中の、ろ過された液体を【鑑定】してみた結果―


┌─<鑑定>────

│【体力回復薬】

│飲むと体力を回復出来る

│品質:+3

│レア度:★

└─────────


 と、なっていた。


 それと同時に、スキル取得のアナウンスも流れた。


『【薬品製作】を取得しました。』


「やった完成だ!

 【薬品製作】スキルも取得できた。結構簡単だな」



「私もやってみたいです」


 次は、エレナにやってもらった。


 エレナが作った【体力回復薬】の品質は+2だった。

 俺より1低いのは、実験道具の扱いに慣れていないのが原因みたいだ。

 それくらいなら、やっていればその内なれるだろう。


「セイジ様やりました!」


 エレナのステータスを見てみると、【薬品製作】スキルを習得していた。



「さて、次はアヤだ」

「はーい」


 アヤが作った【体力回復薬】の品質は+1だった。

 【薬品製作】スキルは習得していたが、なんか道具や材料の取り扱いが雑なんだよな。


「なんかむずい」



 全員【薬品製作】スキルを習得したので―

 【薬品製作】レベル1のレシピを試してみることにした。


 次に試すのはこれだ。


┌─<薬品製作>──

│【病気軽減薬】

│材料:

│ 【紫草の葉】20g

│ 【氷草の葉】20g

│ 【水】200ml

│必要スキル:

│ 【薬品製作】レベル1

└─────────


 作り方は【体力回復薬】とほぼ同じだ。



 アヤは飽きて寝てしまったので、俺とエレナで作業を進めた。


 【紫草】と【氷草】の葉っぱをとりわけて―

 【薬草】と同じように、乾燥させ、細かく砕いた。


 後は【体力回復薬】と同じ手順で作業を進めて【病気軽減薬】も完成させることが出来た。


┌─<鑑定>────

│【病気軽減薬】

│飲むと病気を軽減できる

│品質:+2

│レア度:★★

└─────────


 【薬品製作】のレベルは上がらなかった。

 まあ1回でレベルアップはしないか。


 その後、同じように【病気軽減薬】を作っていくと―

 3本目で品質が+3になった。


 それと同時に、【薬品製作】のレベルが1から2に上昇した。


「よし、レベルが上がった。

 次はエレナもやってみて」

「はい」


 エレナが作った【病気軽減薬】の品質は+1だったが……

 俺と同じように3本目で+2になり―

 【薬品製作】のレベルも1から2に上昇していた。


 どうやら1から2のレベルアップは、3回必要らしい。

 こんなに早くレベルが上がるということは……

 どうやら【薬品製作】に対しても【スキル習得度上昇】の効果が効いているようだ。



 アヤはベッドで、ぐーすか眠ってしまっていたので、放っておいて……

 俺達は、次のレシピにも挑戦することにした。


┌─<薬品製作>──

│【火傷治癒薬】

│材料:

│ 【薬草】50g

│ 【氷草の葉】20g

│ 【蒸留水】200ml

│必要スキル:

│ 【薬品製作】レベル2

└─────────


 しかし、問題は【蒸留水】だ。

 これまでは、ただの【水】で良かったのだが―

 【薬品製作】レベル2以降は【蒸留水】が必要になってくる。


 【蒸留水】のレシピは、【水】に【浄化】という【水の魔法】を使用することで出来るそうだ。


 名前は【蒸留水】となっているのに【浄化】で作れるということは―

 不純物をほとんど含まない『純水』なら、なんでもいいということかな?


「エレナ、次のレシピは【浄化】という【水の魔法】が必要になる。

 まずは、それを使えるようにならないといけない」

「【浄化】ですか?」


「ああ、試しに【水】を綺麗にするイメージでやってみよう」

「はい」


 俺とエレナは、それぞれビーカーに水を入れて魔法の練習に取り掛かった。



 しばらくして、俺の持っていたビーカーの水が淡く光り、何らかの魔法が発動したのがわかった。

 【鑑定】してみると、【水】が【蒸留水】に変化していた。


「やった、出来た!」

「セイジ様、すごいです」


 俺は、エレナに何度かお手本を見せてあげると―

 程なくしてエレナも【浄化】魔法を成功させることが出来た。


「やりました!」

「順調だな、これで次の薬が作れるぞ」

「はい!」



 材料はすでに揃っているので、さっそく【火傷治癒薬】を作成した。


┌─<鑑定>────

│【火傷治癒薬】

│塗ると火傷を治療できる

│品質:+2

│レア度:★★

└─────────


 それぞれ【火傷治癒薬】を10本ずつ作った所で、俺達の【薬品製作】レベルが2から3に上昇した。


 【スキル習得度上昇】の効果があったとしても、ちょっと早くに上がりすぎている。

 他にもレベルが上がりやすくなる何かしらの原因が、あるのかもしれないな。

 もしかして、日本から持ってきたちゃんとした道具を使ってるのが原因だったりするのかな?



 エレナが眠たそうになってきたので、今日の薬品製作はここまでにすることにした。



 今日の作成薬品は、以下の通りの結果になった。


【体力回復薬】

 【+1】×1、【+2】×1、【+3】×1

【病気軽減薬】

 【+1】×2、【+2】×3、【+3】×1

【火傷治癒薬】

 【+1】×9、【+2】×10、【+3】×1


今回はアイテム製作回でした。


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[一言] 今の日本で薬草の成分を損なわず乾燥させるのは 減圧したタンクで行う、フリーズドライです 水は気圧が低いと沸点が下がります 20度位で蒸発しますので富士山の5合目のレストハウスでは御飯炊く時圧…
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