57.水の神殿
火曜日から金曜日まで、俺は仕事の日々。
そして、アヤは高校生から短大生にジョブチェンジした。と言っても入学式が行われただけで、講義は来週からだそうだ。
そしてエレナは、次のマナ結晶参拝に向けて『氷』に関する勉強に勤しんでいた。
氷や雪に関する本やDVDを見たり、
アイスクリームやかき氷を食べたり、
アヤに引率されてアイススケート場に遊びに行ったりもした。
そして土曜日の朝、俺達は『スガの街』に来ていた。
「セイジ様、私、【氷の魔法】を覚えられるでしょうか?」
「【氷】について色々勉強もしたし、きっと大丈夫だよ」
エレナは不安そうにしているが、俺は大丈夫だと確信していた。
『スガの街』は観光スポットのような雰囲気があり、街の中心部から【水の神殿】に向かう道の両側には屋台がズラリと並んでいた。
「【風の神殿】とは、だいぶ雰囲気が違うな」
「ここは、【水の魔法】を使った薬品などを取り扱う店が沢山あって、そう言った薬品を購入したい人たちが集まってくるんです」
「なるほど、ここはそういう街なのか」
「兄ちゃん、見てみて、アクセサリーも売ってる」
「買わないぞ」
「買ってなんて一言も言ってないじゃん」
「どうせ言うんだろ?」
「あの、首飾りなんてエレナちゃんに似合いそう」
とりあえず【鑑定】してみた。
┌─<鑑定>────
│【身代わりの首飾り】
│所有者が致命傷を受けた時
│身代わりとなって助けてくれる
│一度発動すると壊れてしまう
│レア度:★★★
└─────────
なんか、よさ気なアイテム来た!
値段を見ると3000ゴールドだった。
「すいません、この首飾り、何個有りますか?」
「あと2個だよ」
「じゃあ、その2個下さい」
「まいどあり~」
俺は6000ゴールドを支払って2個の首飾りを受け取った。
「兄ちゃん、なに行き成り買ってるの!」
「まあいいじゃないか」
俺は、二人に【身代わりの首飾り】を手渡した。
「いただけるんですか?」
「ああ、その首飾りは所有者を守る効果のある魔道具だから、なるべく身につけておいてくれ」
「はい、分かりました! 肌身離さずずっと身につけておきます」
「兄ちゃん、ありがとう」
二人共喜んでくれたみたいでよかった。
その後、俺達は【水の神殿】に到着し、俺は受付の人に話しかけた。
「こんにちは、拝観料はおいくらですか?」
「【水のマナ結晶】への拝観料は、お一人様4500ゴールド、【氷のマナ結晶】は10ゴールドになります」
風と雷のマナ結晶と同じ値段か。
属性魔法はみんなこの値段なんだろうか?
「それじゃあエレナ、俺とアヤは【水のマナ結晶】を参拝してくるから、ちょっと待っててくれ」
「はい、行ってらっしゃい」
俺達はエレナに見送られ、拝観料9000ゴールドを支払って【水のマナ結晶】を参拝した。
『【水の魔法】を取得しました。
【水の魔法】がレベル4になりました。』
レベル4か、うーむ、流体力学をもっとちゃんと勉強しておけばよかった。
どうやらアヤも習得できたみたいだ。
俺達は直ぐにエレナの所に戻ってきた。
「セイジ様どうでした?」
「俺はレベル4だった」
「すごいです!」
「私のレベルはいくつになってる?」
「アヤは……レベル3だな」
「え~!? もっといくと思ってたのに……
やっぱり兄ちゃんの言ってる【知識】が魔法のレベルに関係する話しは当たってるっぽいね」
「それでは、次は【氷のマナ結晶】参拝に行ってみよ~」
「はーい」「はい」
俺達は拝観料30ゴールドを支払って【氷のマナ結晶】を参拝した。
『【氷の魔法】を取得しました。
【氷の魔法】がレベル4になりました。』
うーむ、またレベル4か、レベル5は結構ハードル高いのかもしれないな。
「セイジ様、どうですか? 私、【氷の魔法】を習得出来ましたか?」
「まあ待て、今調べるから」
エレナに急かされつつ、【鑑定】してみると……
「エレナの【氷の魔法】は~ レベル3だ」
「ほんとですか!?
やりました! また新しい魔法を覚えられました!!」
「まあ、エレナちゃん、時に落ち着け」
「アヤのレベルも3だったよ」
「まじか、やっぱりレベル4のハードルは高いのかな~」
そんなことを言いつつ、アヤとエレナは手を取り合ってぴょんぴょん飛び跳ねていた
「兄ちゃん、早速新しい魔法を使いに行こうよ」
本当は【風の神殿】も行きたかったのだが、アヤとエレナは直ぐに新しい魔法を使いたいみたいだし、【風の神殿】はエレナが風について勉強してから改めて行くことにするか。
また筆が進まなくなってきてしまった。
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