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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
闘技大会と肉体強化魔法編
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54.団長との取引

俺達を殺そうとしたとはいえ、このまま放置するのはかわいそうなので、リルラを送り届けることにした。


俺は、アヤとエレナに掴まっててもらい、リルラの肩に手をおいて【瞬間移動】でとある場所に移動した。



俺達がとある部屋に着くと、偉そうな男が一人で書類整理をしていた。

俺は素早く部屋に【バリア】を張った。



「こんばんは」

「ん? 誰だ!?」


「直接会うのは久しぶりですね、ライルゲバルト貴族連合騎士団長さん」


以前、冒険者にビーコンを付けてこの部屋を見たことが有るので、地図にこの場所も登録されていたのだ。



「お、お、おまえは……

マルヤマ・セイジ!!

そ、それに、エ、エレナ姫様!!!」


「え? お、お父様!?

それに、エレナ、姫様って??」

「リルラ!! リルラ!何故そのような格好で!!

 き、きさま!!! リルラに何をした!!!!」


『騎士団長さん』は、怒りに我を忘れて、机を飛び越えて飛びかかってきた。

面倒くさいので、軽く電撃を浴びせて動けなくした。


「おのれ!! 出会え!出会え、クセモノだ!!」


時代劇かよ!


「悪いけど、【バリア】の魔法を張ってるから、いくら叫んでも外には聞こえないよ」

「くそう!!」


『騎士団長さん』は、あまりの怒りに下唇を噛み、血が滲んでいた。


「勘違いしないでくれよ、俺達はこのリルラに殺されそうになったので返り討ちにしただけで、こちらから襲ったわけじゃないからな」

「そんな戯言(たわごと)信じられるか!!」


「だいたいあんただって、俺を殺そうとして返り討ちにあったじゃないか、親子揃って同じことをするなんて、面白い親子だよな」


「では、なぜリルラはそのような格好なのだ!!」

「女の子を傷つけるのは趣味ではないから、武器や防具を奪って無力化させようとしたのだが、それでも襲ってくるのでやむを得ず、こうしたまでだ。

それとも、あんたと同じように手首をスパッとやれば良かったのか?」

「ぐぬぬ」


「取り敢えず、こんな恰好のまま放っておくわけにもいかないからここに連れてきたのだが、引き取ってもらえるかな?」

「何が望みだ?」


「え? どういう事?」

「このような脅しをしておいて、とぼける気か?」


「何が脅しだよ! 後ろから不意打ちしたり、冒険者使ってオークに襲わせたり、リルラだって部下を10人使って取り囲んで殺そうとして来たんだぞ?

俺達は、振りかかる火の粉を振り払っただけだろ!」


「貴族が平民を殺そうとして何が悪い!」


「またそれかよ、

 言っておくが俺達は『平民』じゃ無いぞ」

「『平民』じゃ無いだと!?

 では、『貴族』だとでも言うのか!」


「まず、エレナは『王族』なのだから『貴族』ではないよな」

「ああ、そのとおりだ」

「え!? お父様、その人は『王族』なのですか?」

「ああ、そうだ」


リルラは急に(かしこ)まって、三歩さがって(ひざまず)いた。


「そして、俺とここに居るアヤは異世界人だ」

「異世界人!? お父様!」

「ああ、そのとおりだ」


「俺の国は『日本』という国なのだが、日本では『王制』、『貴族制』などの古い仕来りは廃止され、王族や貴族などは存在しない、もちろん平民なども居ない」

「何を戯けたことを、では誰が国を治めるのだ?」

「強いていえば、『内閣総理大臣』かな」

「では、お前がその『なんとか大臣』だとでもいうのか?」

「違うな」

「では平民と変わらんではないか!」


「まあまて、俺は、2つの権利を有している

1つ目は、間接的にだが『内閣総理大臣』を誰にするかを決める権利、

2つ目は、条件に合致すれば『内閣総理大臣』になれる権利だ。」

(まあ、若干端折ったり違ってたりする所もあるけどね)


「な、なんだと……」


「『内閣総理大臣』つまり、この国でいうところの『王』だ、

お前には『王』を決める権利や『王』になる権利を持っているのか?」

「も、持っていない……」


「国の体系が違うから一概に言えないが、俺と貴様、どっちが権威ある立場だ?」

「そ、そんな戯言、信じられるか!」


「じゃあ、俺の国に来て確かめてみるか?

ただし、俺の国に来たら貴様は単なる『違法入国外国人』、つまり『犯罪者』と同等の扱いだがな」

「……」


「反論が無いという事は理解したという事かな?」

「……」


「所で、この国の法律では、立場が上の者は、下の者の命を奪ってもいいんだっけか?」

「そ、それは……」


「まあ、俺はお前らと違って、立場が下だからといって命を奪ったりはしないから安心しな。

ただし、もう二度とちょっかいを出さないと約束するならな」

「わ、分かった、もう手出しはしない」


「じゃあ、握手」

「お、おう」


俺と、『騎士団長さん』は握手を交わした。


それを見ていたリルラは唖然としていた。



「とこれで、手打ちのついでに【エリクサー】の作り方を教えてくれないか?」

「な、なんだと! 何故それを」


「タダでとは言わない、ここに【Sランクの塩】がある、これと交換でどうだ?」


俺はインベントリから1kgの【塩】を取り出した。


「んな!! こ、これが全て【塩】だと!?」

「本物だぜ? あんたらがこの前使った【塩】も、俺が商人ギルドに売った物だし」

「ま、まさか、あの塩も……

そういえば、商人ギルドの副長がそのような事を言っていた」


「どうする? 前の塩より10倍くらいの量があるから、結構な量の【エリクサー】が作れるんじゃないか?」


「わ、分かった、その取引に応じよう」

「お、お父様! あれは我が家に代々伝わる『秘術』」

「『秘術』があっても材料が無ければ、宝の持ち腐れなのだ」

「わ、わかりました」



「よし、じゃあ取引成立だな」

「だが、秘術を書き記した書物は1冊しかないので、譲るわけにはいかん、この場で見るだけにしてもらおう」

「ああ、いいぞ」

「え!? そ、それでいいのか?」

「ああ」

「そ、そうか」


俺は、【塩】を『騎士団長さん』に手渡した。

『騎士団長さん』は、しぶしぶ【秘術書】を差し出した。


「本当に見るだけで良いのだな?」

「ああ、いいよ」


俺は、【白熱電球】魔法で暗かった部屋の中を明るくした。


「なに!【光の魔法】だと!?」


違うけどね

『騎士団長さん』、『リルラ』だけじゃなくアヤとエレナも驚いていた。


「兄ちゃん兄ちゃん、それどうやってるの?」

「これは【白熱電球】だよ」

「なるほど~」


アヤは自分でもやってみようと試行錯誤していた。



そんなアヤを尻目に【秘術書】を確認してみると、

それは20ページ程で、【ポーション】から【エリクサー】まで、いくつかの薬品の作り方が掲載された本だった。


俺は、(おもむ)ろに【スマフォ】を取り出して、

1ページずつ開いては、【スマフォ】で撮影していった。

字が大きく書かれていたので、【スマフォ】の写真でも十分読むことが出来た。


撮影の度に光るフラッシュに、『騎士団長さん』と『リルラ』は驚き戸惑っていた。


「そ、その魔道具はなんだ!?」

「これは、『写真』、つまり『写し絵』を保存する道具だ」

「そんなものまで持っているのか……」


どうやら、【エリクサー】などの薬品を作る為の材料は、【塩】以外はこちらの世界のアイテムを使う必要があるみたいだ。こんど材料を集めて作ってみよう。



「さて、撮影も終了したし、帰るか」

「はーい」「はい」


「エレナ姫様、お待ちを!」

「なんでしょう?」


「エレナ姫様は、なぜコヤツと行動を共にしていらっしゃるのですか?」

「それは、私がお父様によって投獄されてしまった時、セイジ様が助けだしてくださったのです。

お城に戻ることができなくなってしまった私をセイジ様はずっと守ってくださってくれているのです」


「王様が姫様を投獄!? 何故そのようなことに?」

「私が【魔王軍】との戦争について、皆に聞いて回ったのがいけなかったらしく、戦争が終わるまで牢から出さないと言われました。

【ライルゲバルト貴族連合騎士団長】様は、【魔王軍】との戦争について、なにか知っていますか?」

「そ、それは……」


「教えては貰えないのですか?」

「姫様もうしわけありません」


「そうですか、では私は自分で調べます」

「……」



これは何かありそうだな。

俺は、仕方ないのでアリアさんに付けていたビーコンを外して『騎士団長』に付けておいた。

うーむ、ビーコンがもっと欲しいな。



「セイジ様、さあ帰りましょう」

「おう」


俺達は、日本に帰宅した。

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[良い点] 今度はちゃんと落とし前つけましたねー 素晴らしい。
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