43.セイジvsリッシュ
俺は、最初の対戦相手『リッシュ』を改めて【鑑定】した。
┌─<ステータス>─
│名前:リッシュ
│職業:格闘家見習い
│年齢:15
│
│レベル:10
│HP:210
│MP:44
│
│力:30 耐久:15
│技:28 魔力:10
│
│スキル
│【体術】
│ (レベル:2、レア度:★★)
│ ・足払い
│ ・カウンター
└─────────
職業が『格闘家見習い』って事は、何処かの道場とかで修行をしている最中なのだろうか?
年齢はエレナと同い年か
ステータスは力、技とも俺より上
【体術】は俺と同じレベルだ。
レベル、ステータス的には大差は無いが、結構余裕かもしれない。
平らな石が敷き詰められた試合会場に俺が登ると『リッシュ』は、礼儀正しくお辞儀をして来た。
学生時代に剣道や柔道の授業を受けた時の事を思い出して、俺も思わずお辞儀を返していた。
「よろしくお願いします」
「よろしくな」
『リッシュ』は、少し緊張しているみたいだった。
「これより、【肉体強化の神殿】日曜闘技大会を開催いたします。
この時間を持ちまして、【投票券】の販売を終了とさせていただきます、ご了承ください。
それでは、第一試合、男子の部、第一回戦、『セイジ』対『リッシュ』の試合を取り行います。」
「わー!」
「いいぞ!」
「殺し合えー!」
なんか変なヤジが聞こえたが、やっと始まるみたいだ。
「選手番号2番、『セイジ』!武器は珍しい『刀』です。」
名前を呼ばれたので、拳を上げて観客にアピールしたが、あまり反応はなかった。
こう言うノリじゃないのかな?
『刀』はやっぱり珍しいのか
あと、折角昨日買った【バックラー】は『刀』と相性が悪いので使っていない、買って失敗したかな?
「選手番号3番、『リッシュ』!武器は『ナックル』です」
『リッシュ』は名前を呼ばれると、手を合わせて四方にお辞儀をしていた。
「それでは、始め!」
うを、いきなり始まるのか!
俺は急いで【模造刀】を構えて自分に【クイック】の魔法を掛けた。
とりあえず、【スロウ】は封印する予定でいる。
ルール違反ではないが、大会の特性上、動きを鈍らせるのは、大会の盛り上がりに水を刺す可能性があるからな。
まあ、いよいよ危ない時には使わざるを得ないかもしれないけど。
『リッシュ』は構えをしたまま、すり足で近づいてきた。
俺も、剣道の要領で構えながら擦り寄る。
ある程度近づいた所で『リッシュ』が、いきなり踏み込んできた。
左拳で顔面を狙ってきたところを、中段に構えた刀で『小手』の要領で内側に弾いていなす。
拳をいなされて『リッシュ』の体勢が崩れた所で『面』を打ち込もうとしたが、『リッシュ』はさっと後退したので俺の『面』は空を切った。
いやあ『小手』『面』と上手くつないだのに、当たらないとは、こいつも結構やるな。
しかし、最初の『小手』は決まっているので『リッシュ』は、左手を痛めているようだ。
真剣だったら『小手』の時点で勝敗が決まっていたところだな。
『リッシュ』は俺を手強いと感じているのか、攻撃しあぐねていた。
今度は俺から攻撃をしかけるか。
俺は、一気に踏み込んで『面』を狙う、
『リッシュ』は右斜め前に避けて右フックをカウンター気味に狙ってきた。
しかし、リーチの差があるため、『リッシュ』の右フックが届くまでに一瞬の間が出来、俺は刀を戻す時間を得て、刀の根本で『リッシュ』の拳を受けることが出来た。
刀とナックルが衝突し「ガキンッ!」と大きな音を立てて『リッシュ』のナックルが真っ二つに割れてしまった。
「参りました!」
『リッシュ』は三歩さがってお辞儀をして、負けを宣言した。
「『セイジ』対『リッシュ』の試合、選手番号2番、『セイジ』の勝ち―――!!」
「「わー!!」」
審判が俺の勝ちを宣言すると、観客から喜んだり、悲しんだりする叫び声が上がった。
『【刀術】を取得しました。
【刀術】がレベル2になりました。』
やった、レベル2【刀術】ゲット!
┌─<ステータス>─
│名前:丸山 誠司
│職業:SE
│
│レベル:13
│HP:353 (+49)
│MP:3350 (+26)
│
│力:32 (+3) 耐久:32 (+3)
│技:132 (+4) 魔力:335 (+3)
│
│スキル
│【時空魔法】(レベル:MAX)
│【情報魔法】(レベル:MAX)
│【雷の魔法】(レベル:MAX)
│【体術】(レベル:2)
│【剣術】(レベル:2)
│
│【刀術】 ★NEW
│ (レベル:2、レア度:★★★)
│ ・二段攻撃 ★NEW
│ ・鍔迫り合い ★NEW
│ ・武器破壊 ★NEW
└─────────
「ありがとうございました、完敗です。」
「おう、お前もなかなかだったぞ。」
俺達は握手を交わした。
しかし、『リッシュ』の野郎は愚かにも
救護班のエレナに、左手を【回復魔法】で癒してもらって鼻の下を伸ばしていた。
殺しておけばよかった。
闘技大会は設定とかを色々考えなくちゃいけなくて、すげー大変だ
ご感想お待ちしております




