42.トーナメント表 ❏
翌朝、俺達は【肉体強化の神殿】に来ていた
「『男性の部』出場のセイジです」
「『女性の部』出場のアヤです」
「回復魔法師のエレナです」
「出場の方はこちらへ
回復魔法師の方はあちらへお願いします」
「セイジ様、アヤさん頑張ってください」
「おう、また後でなー」
「頑張ってくるよ~ノシ」
もしもの時のために【飴】一袋と水のペットボトル1本を持たせてエレナと別れた
俺とアヤは、案内されて出場者控室に通され、選手番号が書かれた木の札を渡された
俺も、アヤも選手番号は「2番」だった
「武器は、こちらの箱に用意してありますので
好きな武器を選んでください」
箱の中を覗くと、色々な種類の武器が用意されていた
アヤは『短剣』を選んだ
俺も武器を物色していると、いいものを見つけた
『模造刀』、昨日俺が購入したのと同じものだ
もちろん、刃は潰されている
折角なので俺はこの『模造刀』を選ぶぜ!
まあ、練習にもなるし
しばらくして出場者が揃った時には
俺らも入れて女性6人、男性24人になっていた
女性は、ずいぶん少ないな
全員揃った所で出場者控室の壁に【トーナメント表】が貼りだされた
アヤは優勝まで3戦
俺は3戦してもAブロック突破になるだけで、その後に準決勝、決勝と戦う必要があった
俺は、対戦相手を【鑑定】して、対戦しそうな選手を探した
アヤの初戦相手は『ルカ』という名前の胸の大きな女性だ、武器は大きな『斧』
二戦目の相手は『リルラ』という名前の女性だ、武器は『細剣』で、左手には金属製の盾を持ち、全身銀色の【鎧】を着ている、あんなガッチガチの防具も有りなのか?
決勝の相手は、おそらく『ハルバ』という名前の女性だろう
その女性は【鑑定】結果で種族が『竜人族』と出ていた
レベル18で、ステータスもアヤより全然強い
アヤとぶつかるのは決勝だが、アヤの優勝は絶望的だな
そして、その隣にいる男も強そうだ
『ハルバ』と同じ『竜人族』で、おそらく兄妹なのだろう
レベルは20、ステータスも俺より強い
その人はDブロックなので、決勝まで行かないと俺と当たらないのが救いだ
俺の初戦の相手は『リッシュ』という名前の青年で、拳にナックルを装備している
二戦目の相手は『ジドガ』という名前の上半身裸の巨人だ、巨大な『ハンマー』を持っている
身長は2.5m位あるだろうか、ああいう種族もいるのか
Aブロックの決勝で当たりそうな相手は『マカラ』という名前の男だ、左右2本の『斧』を持って、動物の毛皮を着こんでいる
Bブロックは誰が勝つか、微妙なところ
Cブロックは、おそらく『ロンド』という名前の全身金色の鎧を着た男だろう、武器は巨大な『剣』を持っている
しかし、えらく悪趣味な鎧だな~
Dブロックは当然あの『竜人族』の男だろう
名前は『ガドル』で、女性の『竜人族』と同じ『槍』を持っている
「アヤ、今回は優勝はムリっぽいぞ」
「え!?」
「ほら、あの人達」
「あの人達、強いの?」
「ああ、お前じゃとてもかなわない」
「うそ~!特訓したのに!」
「まあ、今週がダメでも来週また来たらいいさ」
「兄ちゃんも勝てなさそうなの?」
「うーむ、やってみないとわからないな」
「そうなのか~」
出場者控室の窓から外を見ると、目の前が中庭になっていた
この出場者控室のある建物はドーナツ状になっていて、その中庭に闘技場があるようだ
中庭の反対側には救護班用の部屋があって、その窓からエレナがいるのが見える
エレナがこっちに気が付いたので手を振ったら、エレナも手を振り返してくれた
ドーナツ状の建物の2階部分が階段状の観客席になっていて、見物客で満員になっていた
おそらく、この大会の勝敗を賭けているのだろう
俺達の『オッズ』を知りたいところだ
しばらくして、係員から説明があった
「これから試合を行う順番を説明します
まず、男性の部の第一回戦、第二回戦を行い、
続いて女性の部の第一回戦、
その後は男性の部、女性の部を交互に進めていきます
よろしいでしょうか?
それでは、もうすぐ大会が始まりますのでよろしくお願いします」
係員からの説明が終わって、審判と解説者が定位置に付き、とうとう大会が始まるみたいだ
「それでは、男性の部、第一回戦、第一試合を行います
男性の部、選手番号2番、3番の方、闘技場へ上がってください」
「よっしゃ、行ってくるぜ!」
「兄ちゃん頑張って!」
俺は気合を入れなおして闘技場へ向かった
トーナメント表を作るだけでえらく時間がかかってしまった
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