422.10人の女の子
一ヶ月半もの長い入院生活から、やっと復帰しました。
徐々に前のペースを取り戻していきたいと思っています。
第三巻が8月末頃に発売されます。
定価:630円(税抜き583円)
よろしくお願いします。
エレナの治療が終わって、
俺たちは家に帰ってきた。
ケガも治ったばかりだし、さすがに疲れたしね。
10人の元奴隷の女の子たちが、ひれ伏して出迎えてくれた。
この子たちをどうしようか?
この子たちを置き去りにした元の持ち主に返すなんて絶対にダメだし。
王都のアリアさんの孤児院に預けるのは……さすがに10人いっぺんには無理か。
レイチェルさんの開拓村も、この人数だと難しいかな……。
かといって、俺が面倒見ることもできないし。
まずは、本人たちの希望を聞いてみるか。
「君たち、これからどうしたい?」
「な、なんでもします!」
なんでもとか言われても……。
「こまったな~」
「全員、妹にするんじゃないの?」
アヤが無茶を言う。
「この2LDKのマンションじゃ、14人も住めないだろ?」
「引っ越せばいいじゃん~」
「14人も住める所なんて、どんな豪邸だよ」
「1億円もあれば買えるでしょ?」
「固定資産税はどうするんだよ!」
「そんな難しいことは知らないよ」
「セイジお兄ちゃん。
この子たちの泊まる場所だったら、私に任せてください」
ヒルダが手を上げた。
「どうするんだ?」
「みんなを連れて、しばらく宿屋に泊まります」
なるほど、
ドレアドス王国の通貨ならけっこう持ってるから、それなら大丈夫だ。
「よし、しばらくの間、ヒルダに任せた」
「はい!」
「あの~、セイジ様」
エレナが、そっと手を上げた。
「エレナ、他に何かいいアイデアがあるのか?」
「家を、
ドレアドス王国で購入するのはどうでしょう」
「「それ、いいかも!」」
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「というわけで、
復興を手伝う代わりに、家をくれないか?」
さっそくリルラに相談しにきた。
「もちろん、いいとも。
これまでの活躍だけで、報酬を受け取る権利はある。
私の屋敷の隣……などは、どうだ?」
「いい物件があるのか?」
「知らんが、すぐに立ち退かせるから!」
リルラの屋敷の隣は便利そうだけど、
立ち退かせてまで手に入れたくはないな。
「そんなに急いでないから立ち退きとかは無しで、
それなりに良い物件があったら連絡をくれ」
「分かった。探しておく!」
リルラが何だか、はりきっている。
家を探したりするのが好きなのかな?
まあ、こういうことは好きな奴に任せておけばいいだろう。
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結論から言うと、宿屋はやってなかった。
今日、あんな大災害があったばかりなので、
どこも復旧作業に追われているらしい。
なので、女の子たちは、今日も家に泊まらせるしか無い。
まあ、明日は日曜日だし、もう1日くらい大丈夫だろう。
スーパーで14人分の夕飯の食材を買って帰ってくると、
女の子たちは、テレビの前に並んで座って、アニメを見ていた。
動く絵を珍しそうに見入っているが、
君たち日本語が分からないだろうに。
仕方がないので、【言語一時習得の魔石】を10個ほど複製して渡してあげた。
なんと、今回複製した魔石は『+4』になっていた。
前に作った時より、【情報魔法】と【肉体強化魔法】のレベルが上っているせいかな?
言葉が分かるようになった女の子たちは、
よりいっそうアニメを集中して見ていた。
今のうちに夕飯を作ってしまおう。
今日の献立は『唐揚げ』にした。
14人分なので、かなりの量だ。
鶏肉を一口大に切り、タレに漬け込んでおく。
まあ、インベントリに入れて時間を進めるだけなんだけどね。
その間に、スープとサラダを作って、ご飯も炊いておく。
後は、漬け込んだ鶏肉に衣をつけて揚げていくだけだ。
衣を付ける。揚げる。油を切って冷めないようにインベントリへ。
ひとり流れ作業で、どんどん作っていく。
「夕飯できたぞ~」
テーブルを出して、料理を並べる。
唐揚げは、同じ味ばかりだと飽きてしまうので、
タレをいろいろ用意した。
甘辛いタレ、さっぱり味の塩とレモン、普通のソースなど。
スープはコンソメ味で野菜たっぷり。
サラダは大根と水菜のシャキシャキサラダだ。
あと、ご飯も。
ちゃんと人数分の食器も買ってきてある。
「さあ、召し上がれ」
「「いただきます」」
もう、ここでの食事もなれてきたのか、
女の子たちは、さっそく唐揚げを食べ始める。
『いただきます』は、ヒルダが教えたのかな?
「「!?」」
女の子たちは、唐揚げをひとくち食べて固まっている。
ちょっと熱かったのかな?
「うまうま」
アヤは、気にせずバクバク食いまくっている。
前に【肥満軽減薬】を飲んだから、ふとる心配もなくていいな。
アヤが唐揚げを食いまくっているのを見て、
女の子たちも、徐々に食べる速度を上げてきた。
あ、ヤバイ。
唐揚げ足りなさそう。
俺は、いったん食事を中断して、
インベントリにあった超巨大タコの破片を取り出し、
少し小さめに切って唐揚げにした。
「兄ちゃん~!
唐揚げなくなっちゃったよ~」
リビングから、アヤが叫んでいる。
「もう鶏肉が無いから、タコの唐揚げだよ。
揚げたてで熱いから、気をつけるように」
タコの唐揚げの乗った皿をテーブルに置くと、
アヤが真っ先に箸を伸ばしてくる。
「アツアツ。
コレも美味しい!」
即席で作ったけど、
どうやら上手く出来てるみたいだ。
その後は、皆でお腹いっぱいになるまで唐揚げを食べた。
たまには大勢での夕飯もいいよね。
ご感想お待ちしております。
※
実は、食事制限のために油ものは一切食べられません。
唐揚げ食べたい……。




