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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
王国の危機編
428/438

418.最後の攻撃


 俺は、

 精霊2人を鼻先に乗せ、竜の姿のまま

 巨大な竜巻を見つめていた。


 超巨大タコの大回転によって発生した巨大竜巻だ。


 竜巻といっても、よく見る長細いものではなく、

 半径が10㎞以上もある、ぶっといものだ。



 近づくと、竜巻に飲み込まれてしまう可能性がある。

 これじゃあ、迂闊に近寄ることもできない。


「セイジ、こんなのどうするつもりだ?

 ここからじゃ、電撃も届かないぞ?」

「や、やればできる!

 あ、あ、あ、諦めんなよ!!」


 雷精霊も火精霊も、目の前の脅威に、

 そうとうビビっている様子だ。

 無理もない。



 だが俺は、ぜんぜんビビってないぞ。


 こういうものの弱点は、分かっているんだ。


 まあ、マンガとかアニメとかの知識なので、

 もしかしたら駄目かもしれないけど。



「というわけで、竜巻の真上から突入するぞ」

「「真上!?」」



 2人を鼻先に乗せたまま、

 高く高く、上昇を続ける。



 20㎞まで上昇すると、

 やっと竜巻の上に出た。



「やっぱりだ」


 あった!

 竜巻の()だ!


 台風も、竜巻も、原理は同じ。

 普通サイズの竜巻だったら、目は小さくて見つけられないだろうが、

 この竜巻は、台風並みに巨大だ。

 とうぜん、目もあるだろうと思っていたが、ビンゴだったみたいだ。



「行くぞ!」

「「おー!」」


 俺たちは、竜巻の上の穴から突入を開始した。



 竜巻の目は、かなり広くて、

 野球場が入りそうなサイズだ。


 けっこう、ガバガバだな。



 だが、あまり油断はできない。

 竜巻の目の穴は、クネクネと曲がりくねっているし、

 ちょっとでも外側に近づけば、

 風に巻き込まれて、とたんに外へ投げ飛ばされてしまう。



 慎重に真中部分を通って、下降していく。



「いた!」


 暫く進むと、竜巻の中心でクルクル回転する超巨大タコの姿が見えた。



「最後のチャンスだ。

 出し惜しみなしで、全弾撃ちつくせ!」

「「おーーー!!!」」



 無数の、雷の竜と火の鳥が、タコに向かって降り注ぐ。


 俺も、残りの魔力をすべて使って、

 光のブレスを、真下に吐き出した。



 光のブレスは、レーザービームとなって、タコの額を撃ち抜いた。


 それと同時に、無数の雷と火が降り注ぎ、

 タコは、焼きダコになった。



 辺り一面に漂う、焼きダコの美味しそうな香り。

 醤油でもぶっかけてかぶりつきたいな。



 そして、大回転も止まり、竜巻も解けていく。



「あ」


 魔力を使いすぎた俺は、空中で竜化が解けて元に戻ってしまった。


「お、落ちる」


 精霊たちは、俺の頭にしがみつき。

 その状態で、すっ裸のまま落下する俺。

 今度は、忘れずに【変身の指輪】で服を着替え。

 着地に備える。



ドスン!

ビタン!


 かっこよく着地しようとしたら、

 着地にミスって、激しく転んでしまった。

 は、恥ずかしい。



「二人とも大丈夫だったか?」


「大丈夫だけど、もう、魔力が空っぽだ」

「真っ白に……燃え尽きた……」


 二人とも、かなり頑張ってくれたみたいだ。



「もう帰る」

 火精霊は、そういって俺の中に帰っていってしまった。



「雷精霊も、ありがとうな」

 最後まで残っていてくれるなんて、

 もしかして、俺に気があるのかな?


「これ、返す」

 雷精霊は、【核融合の魔石】を差し出した。


「あ、そうか」

 そういえば、貸したままだった。



 2人でニッコリ笑いあって、

 雷精霊の差し出す魔石を、受け取る。




!!!


 その時、足元が大きく揺れてバランスを崩し、

 魔石が手からこぼれ落ちて、コロコロと転がってしまった。



「あ、あたしが、取ってくる」


 転がった魔石を、雷精霊が追いかける。



!!!!?


 その瞬間だった。



【警戒】魔法が、けたたましく危険を知らせ、

 そして、俺たちの周囲に、【攻撃予想範囲】が!



「雷精霊、戻れ!」

「え?」


 ヤバイ、MPが尽きていて【瞬間移動】も使えない。

 ダメだ、このままじゃ間に合わない!



 俺は、全力で走った。



 ちょうど、魔石を拾い上げた雷精霊を、

 すり抜けながらかっさらい、

 180度反転して、力の限り走った。



 か、体が重い。

 まるで、電動アシスト自転車の電池が切れた時のようだ。


 MPが底をつき、魔法が使えない。


 足が、沈む。

 空気が、まとわりつく。

 体中の筋肉や骨が軋む。


 魔法でアシストされた状態に慣れてしまうと、

 こんなにも体が重く感じるのだろうか?



 重い体を引きずり、やっと攻撃予想範囲の外へ……。



ドスン。


 激しい音とともに、体に衝撃が走った。



 あれ?

 俺、倒れてる?


 雷精霊は?


 よかった、無事だ。


 でも雷精霊は、

 俺の頭の近くで、今にも泣き出しそうな顔をしている。

 どこかケガをしたのかな?



 次の瞬間、

 足の方から、とてつもない痛みが襲い掛かってきた。


「っ!!!!!」


 痛みに耐えながら、下の方を見てみると……。



 触手の攻撃によって、俺の膝から下が、

 潰されていた(・・・・・・)



「セイジ……」


 雷精霊は、

 俺にしがみついて泣き出してしまった。


「ここは、危ない。

 君も早く帰るんだ」

「イヤだよ」



 俺は動けない、

 もう一度、攻撃をされたら、ひとたまりもない……。



 なんとしても生きのこらなければ。



ドスン。


 また、大きな音がした。


 何事かと思って見てみると、

 俺の足を潰した触手が、力なく横倒しになり、

 タコの体の下の方へと落ちていくところだった。



 そうか、

 奴も瀕死で、さっきの攻撃が最後の力を振り絞ったものだったのか。




 で、あるなら……。


 どちらが先に、復活するかの勝負だ!!!


ご感想お待ちしております。

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