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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
王国の危機編
427/438

417.タコ大回転


 俺と雷精霊、闇精霊の3人でチマチマ攻撃をし続け、

 超巨大タコのHPを、やっと半分にまで減らすことに成功した。


「やっと半分か!」


 やっと半分、

 でも、ここまでも、かなりキツかった。


 本来だったら3人とも、とうにMPが底をついているところなのだが……。


 俺の【魔力回復速度強化】で、無理やりMPを回復させ、

 雷精霊には、俺が生成した電気を、

 闇精霊には、俺の魔力をそのまま、

 それぞれ渡していたので、なんとか攻撃を継続できていた。



 この状況のまま、あと半分も削るのは、

 正直しんどいな。


 もうちょっと仲間がほしいところだが……。



「ふぁ~、よく寝た」


 寝ぼけた声が急に、俺の竜の体の鼻の穴の中から、聞こえてきた。


 そう言えば、こいつもいたんだっけ……。



「火精霊、やっと起きたのか。

 雨の日のお休みは、もういいのか?」


「うん、もうそろそろ晴れそうだから……」


 ん?

 晴れそう?


 この雨は、巨大タコが降らしている雨だから、

 あいつを倒さないと雨はやまないと思うんだけど……。



「ほら、晴れてきた」


 え?



 本当に晴れてきた……。



 今までずっと、雨雲に隠れていた超巨大タコ。

 なぜか、その雨雲が消えていき、

 すきまから太陽が顔をのぞかせていた。



「これは……」


 タコ本体を覆っていた雨雲。

 そして、触手を覆っていた竜巻も、

 徐々に晴れていき……。


 ついに、超巨大タコの全貌が見えてきた。


 しかし、これはいったい、どういうことだ?

 体力が減ってきて、雨雲や竜巻を維持できなくなったのか?


 それにしては、触手を元気よく振り回して暴れている……。



 しばらく様子を見ていると、

 触手が、俺に向かって振り回されることが多くなってきた。


「ん?

 どうした?

 急に、攻撃が集中しだしたぞ?」



「ご、ごめんなさい、セイジさん。

 太陽が出てきて、もう……隠しきれない……」


 闇精霊が、悲痛な声を上げる。



 そうか!

 雨雲の中だからこそ、闇で隠れられていた。


 それを無効にするために、雨雲を消したのか!



「闇精霊、無理しなくていい、いったん戻れ」

「は、はい」


 闇精霊は、力を使い果たしてしまったらしく、

 俺の体の中に帰っていってしまった。



 ここに来て1人脱落は辛い……。



「雷精霊は大丈夫か?」

「あたしは、まだ大丈夫だ。

 もっと電気をよこしてくれ」


 さっきまでは、隠れながらだったから大丈夫だったけど、

 タコの攻撃を避けながらだと、けっこう辛いかも。



ピコン!


「そう言えば、いいものがあったんだった!

 これを使ってくれ」



 俺は、インベントリにあった【核融合の魔石】を雷精霊に渡した。


「おぉ!!! いいもの持ってるじゃないか!」



 これは、以前に日の出の塔59階でゲットした魔石で、

 常に1GW(ギガワット)の電気を発生させるという、とんでもない代物だ。


 これ1つで、日本全体の発電量の100分の1を(まかな)える計算だ。


 こんなすごい魔石の存在がバレたら、国連に没収されかねない代物だ。



「バリバリ行くぜ!」


 雷精霊は、ノリノリでタコを攻撃する。


「あたしもやるぜ!」


 火精霊もやっと攻撃に参加してくれる気になったらしい。



 雷精霊が放った雷と、火精霊が放った火は、

龍と不死鳥の姿となり、超巨大タコに襲いかかる。

それを受けたタコの体には、無数の火傷が作られていく。

 そして、その激しい痛みに、

 半狂乱になって、触手をデタラメに振り回している。



「あ、あぶねえ!」


 2人に攻撃を任せ、

 俺は、回避に専念することにした。


-----


 しばらく攻撃を続けていると、

 いい感じにタコのHPが削れ、

 あと10分の1というところまで減らすことに成功した。



「行けるぞ! このまま押し切れ!!」

「「おー!」」



 一気にたたみかけようとした、その時!


 タコに、今までにない動きが見て取れた。



 なんと、超巨大タコが回転し始め、

 その速度がどんどん加速してきている。



「なにが起こってるんだ?」



 タコは、さらに回転速度を速めていき、

 まわりに巨大な竜巻ができつつあった。



「なんか、ヤバそうだ!

 いったん離脱する」


俺たちは、攻撃をいったん中止して、

 タコから少し距離を取った。



ぴゅぴゅっ。


 ん?

 少し距離を取った位置から見ていたら、

 タコから何か粘っこいものが飛び出しているのが見える。


 しかも回転しているので、それが四方八方に飛び散っている。


 何だアレは?



 観察してみると、

 それは……、

 巨大な『スライム』だった。


 タコからスライム?


 タコがスライムを召喚したわけじゃないよね?

 体内で飼っていた?

 それとも、寄生していたのかな?


 しかし、なぜスライムを撒き散らしているんだ?



 あ!

 街だ!


 スライムたちは、各街に着陸して暴れ始めている。



 くそう!

 タコとの戦いが忙しくて助けに行く余裕なんてないのに!



「雷精霊、火精霊、

 ちょっとエレナに連絡をするから、攻撃中断だ」

「了解」「わかったぜ!」


「竜化を解くから、気をつけろよ」


 俺は、空中で竜化をとき、

 2人の精霊が俺の頭の上に着陸したのを確認して、

 素早く森のなかに【瞬間移動】した。



「うわ! 何で裸なんだよ」


 あ、また忘れてた……。


 雷精霊が、俺のアレを見て顔を真赤にしている。


 全裸の30歳DTが、

 小さな女の子を、

 人けのない森に連れ込む事案発生。



 素早く着替えをして、

 エレナに連絡を入れた。


「エレナ、そちらの様子はどうだ?」

「セ、セイジ様! 大変です。

 とっても大きなタコと、小さな竜が戦っていました。

 そして、空からスライムが!」


 見えてたのか……。


 しかし、小さな竜って……。

 そりゃあタコと比べたら、小さく見えるかもしれないけどさ~。



「エレナおちつけ。

 竜は俺だ。タコと戦ってた。

 スライムまで手が回らない。

 そっちでなんとかできないか?」


「え?

 セイジ様が竜!?

 スライムは、避難所に侵入しようとしてきていて、

 今リルラさんが食い止めています」



「では、エレナは他の街の救援に向かってくれ」

「他の街にもスライムが降ってきてるんですか?」

「ああ、他の街にも行ってるはずだ。

 状況を確認して、ヤバそうなところを優先するんだ」

「はい、分かりました」



 俺は、いったんエレナとの通話を切って、

 今度はアヤに連絡を入れる。


ブルルル~。


 しかし、いっこうに出ない。


「こんな時に!

 アヤの奴、まだ寝てるのか?」



 仕方がないので、ヒルダに連絡を入れる。


ブルルル~。

ガチャ!


「セイジお兄ちゃん、そちらの様子はどうですか?

 こっちは、ちょうど子供たちが朝ごはんを食べ終わったところです」


 なんとできた妹だ。

 昨日、鉱山で助けた10人の女の子たち。

 その10人の朝食を、一人で用意して面倒を見てくれていたのか。



「緊急事態だ。

 巨大スライムが各街の避難所を襲ってる。

 アヤを起こして、すぐに向かってくれ」

「子供たちは、どうしますか?」

「おとなしく留守番するように伝えておいてくれ」

「はい!」



 できた妹であるヒルダが、さっそく行動を開始した。


 そして、それと入れ替わりにエレナから連絡が。


「セイジ様。各街の状況がわかりました」

「さっそく報告してくれ」


「はい、

 9個所の街の避難所の全部に、巨大スライムが現れています。

 シンジュ、ニッポ、開拓村は、

 リルラさん、ロンド様、レイチェルさんによって、持ちこたえています。

 スガ、イケブ、エビスは、

 水魔法師たち、冒険者たち、回復魔法師たちによって、交戦中。

 王都、トキ、シナガは、ケガ人が出ている模様です」


「よし、まずは、

 エレナは王都、ヒルダはシナガ、アヤはトキに向かってくれ」

「はい!

 2人にも連絡しておきます!」



 あっちはあいつらに任せておけば大丈夫だろう。


「よし、俺たちも戦いを再開するぞ」

「「おー!」」



 俺は、再び竜化して、

 精霊2人を鼻に乗せ、

 超巨大タコと最後の戦いをするために、

 再び飛び上がった。


ご感想お待ちしております。

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