396.ヒルダ様
小説内の時間が、すでに土曜日になっていたので、
それに合わせて、「395.ヒルダの災難2」にその記述を追加しました。
『ヒルダ様ご指名の依頼が入っております。
お受けなさいますか?』
『ご指名!?』
『はい、ロン……いえ、とある高貴な方からのご依頼です』
なるほど、ロン……なんとか様からの依頼か……。
特別扱いしないんじゃないのかよ!
まあ、依頼だから別にいいか。
あいつなら変な依頼ってこともないだろうし。
『ヒルダさんは、西の開拓村はご存知ですか?』
『はい!』
レイチェルさんが村長をしている村だな。
『その村に冒険者ギルドが新しくできたのですが、
冒険者が足りなくて困っています。
そこで、溜まってしまっている依頼をこなして欲しいとの依頼です』
あそこにも冒険者ギルドができるのか、
ずいぶん村らしくなってきたんだな。
『依頼をこなすのが、依頼なんですか?』
『はい。報酬も二重に出ますので、お得ですよ。
具体的には、1500ゴールド分の依頼をこなすと達成となり、
報酬として追加で500ゴールドが受け取れます。
ギルドポイントも合計で200ももらえて、お得ですよ~』
たしか、ヒルダのギルドポイントは現在100くらいだったはず。
この依頼でもらえる分を合わせて、Cランクにアップできるな。
ヒルダは依頼を受け、
紹介状を受け取って開拓村へ向かった。
まあ、ヒルダは開拓村への【瞬間移動の魔石】も持ってるから、すぐなんだけどね。
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瞬間移動で開拓村へやってきたヒルダは、
村人に場所を聞いて新設された冒険者ギルドへやってきた。
ってか、ギルドというより……。
これは、酒場だな。
『こんにちは』
『おや、見ない顔だね? 何のご用かな?』
気の弱そうな、酒場のマスターが一人で店の準備をしていた。
『えーと、ここは冒険者ギルドで間違いありませんか?』
『ああ、本当は酒場だけど、冒険者ギルドの窓口も兼ねてるよ』
なるほど、まだまだできたばっかりの村だから、
ギルドも兼業なんだな。
『ニッポの街から紹介状をもらってきました』
『ん? 紹介状?? なんだろう?』
酒場のマスターは、紹介状を読み終わり……。
少しがっかりした表情を浮かべた。
『なるほど、お嬢ちゃんは冒険者さんだったんですね。
まあ、できたばっかりのこの村に来てくれる人がいるだけで、ありがたいと思わなきゃダメですよね』
使えない冒険者を充てがわれたと思ったのかな?
『とりあえず、村長さんのところへ挨拶に行きましょう』
『はい!』
ヒルダはニコニコ顔で元気よく答えた。
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村長のレイチェルさんの家は、相変わらず質素だった。
『村長さん、ニッポの街に要請していた冒険者さんが来ましたよ』
『お、もう来たか。速いな』
『レイチェルさん、こんにちは』
『えっ!?
ヒルダじゃないか!』
『え? 村長のお知り合いだったんですか?』
酒場のマスターは、かなり驚いていた。
『この子は、私と同じ、元魔法使い部隊の一員だったんだ。
この前の悪魔族との戦いの時も、あたしよりも大活躍したんだ』
『どひゃー! そんなにすごい人だったんですか?
先ほどは失礼なことを言いました』
どうやら、誤解は解けたみたいだな。
『ところでヒルダ、冒険者になったのか?』
『はい』
『セイジはどうしたんだ?
奴に捨てられたのか?』
何を言っているんだ!
ヒルダを捨てるなんて、とんでもない!
『Sランクになれば、エレナお姉ちゃんの正式な妹にしてくれると、
王様が言ってくださったので、頑張ってみることにしたんです』
『エ、Sランク!? また大層な話だな。
本気なのか?』
『Cランクまで昇格できたら、セイジお兄ちゃんも手伝ってくれるそうなので、
きっとだいじょうぶです』
『なるほど、
それなら有り得る話だな』
レイチェルさんは、俺のことをそこまで信頼してくれているのか。
ただ、2人のその話をきいていた酒場のマスターは……。
口をアングリと開けて、ビビりまくっていた。
『ヒルダ。
お前もこの村に来るのは久しぶりだから、
どんなふうに変わったか見学するかい?』
『はい』
『そうか。
じゃあダイル。ヒルダを一通り案内してくれ』
『は、はい!』
酒場のマスターは、ダイルというらしい。
『それでは、ご案内いたします』
なんかこの人、急に腰が低くなったな。
ヒルダは、ダイルさんに案内されて村を見て回ることになった。
『ヒルダ様は、すごいお方だったんですね』
『様?? 私は冒険者なので、呼び捨てでお願いします』
『いやいや、Sランクになるかもしれない人を、呼び捨てなんてできません』
そんな話をしながら村を案内されていると……。
『大変だ!』
男性の村人が一人、大慌てで走ってきた。
『そんなに慌ててどうしたんです?』
『村はずれにオークが出た!』
『なんと!』
『急いでレイチェル様を呼びに行かないと』
どうやらレイチェルさんは、
村長をしながらも、村に現れた魔物の退治もやっているみたいだな。
『あ、それなら、私が退治します。
案内してください』
ヒルダが、オーク退治を買って出る。
『え? 君が??
ダイルさん、この子は誰なんだ?』
『この御方は、
レイチェルさんと共に、悪魔族討伐で大活躍なさった、
Sランク 冒険者のヒルダ様だ!』
『エ、Sランク!?』
『先生。よろしくお願いします』
『あ、はい……』
ヒルダは、
村人に案内されて、オーク退治へ向かった。
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