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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ヒルダの冒険編
404/438

394.ヒルダの災難1


『生まれたー!』


 その日の夕方近くになって、

 依頼者の奥さんが赤ちゃんを出産した。


 かなり危ない状況だったが、

 回復魔法やヒルダ飴のおかげで、なんとか事なきを得た。



『なんとお礼をいっていいか……。

 君がいなかったら、母子ともにダメだったかもしれない』

『お役に立てて良かったです』

 ヒルダもそうとう疲れただろう。



『そう言えば、冒険者ギルドに依頼達成の報告に行かないといけないんだったね。

 妻も赤ちゃんも、もう大丈夫そうだし、

 今のうちに済ませてしまおう』

『はい』


 ヒルダと依頼主は、ギルドへ報告に向かった。


-----


『確かに……依頼達成の報告を受けたまわりました。

 ヒルダ…さんには、1000ゴールドと100ギルドポイントが報酬となります』

 クエストの報告は無事に終了した。


 でも、何かこの受付のお兄さん……。

 笑顔が引きつっている。

 どうしたんだ?



『それじゃヒルダさん、ありがとうございました。

 私は妻が心配なので、ここで失礼しますね』


 依頼者は、ものすごい勢いで帰ってしまった。

 まあ、ムリもないけどね。



 そして、ヒルダもギルドを後にしようとした時。

『おい、お前。

 お前は、まだ話がある』

 あれ?

 誰かと思ったら、

 さっきまでクエスト完了の手続きをしてた受付のお兄さんだった。


 なんか、依頼主が帰った途端に口調が急変したぞ。



『上手く依頼主を騙した(・・・)みたいだが、

 その日の内に王都からここまで護衛するなんて、できるわけないだろ!

 どうやったんだ?』

 どうやら、ヒルダのことを疑っているみたいだ。


 しかし、この態度はヒドくないか?


『え? 騙してなんかないですよ』

 ヒルダも困惑している。



『それにお前、その歳でDランクなんて、とてもじゃないがありえない。

 王都の冒険者ギルドは騙せても、俺はだまされないぞ!

 今回は……まあ、見逃してやるが、次はないと思え。いいな!』


 ヒルダは悲しそうな顔をして、ギルドを後にした。


 あいつ、絶対に許せん!

 夜中に忍び寄って暗殺でもしてやろうか?



-----


 翌日、ヒルダは元気よく冒険者ギルドにやってきた。

 どうやら、昨日のことはあまり気にしてないようだ。



『またお前か』

 ヒルダが受付に行くと、昨日の嫌な男が担当だった。


 くそう、昨日のうちに暗殺しておけばよかった。



 今日ヒルダは、オークの討伐のクエストをやるみたいだ。

 しかし……。


『お前のようなガキに、オーク討伐なんてできるわけないだろ!

 却下だ、却下!』

『大丈夫です。やれますよ!』

 ヒルダは、食い下がる。


 当たり前だ!

 オーク程度、ヒルダなら楽勝に決まってるだろ!



『そこまで言うなら、保証金として100ゴールド支払え。

 そしたらこのクエストを許可してやる』


 はぁ? なに言ってるんだこいつ?


『わ、分かりました』


 ヒルダは、その男に100ゴールドを渡した。


『よし、じゃあ、クエストを受けてもいいぞ』

 男は、ニヤリと笑って金を受け取った。



 ヒルダは、あまり気にした様子もなく、

 元気よくクエストに向かった。



-----


 元気よく森の中を進むヒルダ。

 オークを探してズンズン森を進んでいく。



 最近、俺も冒険者してないな。

 明日は土曜日だから、久しぶりに冒険者してみるかな~。



 ヒルダは森の奥まで来てるけど、

 なかなかオークを見つけられないでいた。


 うーむ、ゴブリンキングとの戦争の時に、オークもけっこう倒しちゃったからな~。


-----


 その後ヒルダは、なんとか探し出したオークを3匹倒し、

 ギルドへ戻ってきた時には夕方になっていた。


『オークを倒してきました』

 ヒルダは、討伐の証であるオークの牙を、

 例の男に手渡した。



『これは……オークの牙……。

 どこで盗んできたんだ?』


『盗んでません、倒してきたんです』

『はぁ?

 お前のようなガキが、オークを倒せるわけないだろ!』


 こいつダメだ。

 こんな奴を受付にしているなんて、

 この冒険者ギルドは何を考えてるんだ?


 もうすぐ俺も仕事が終わる。

 そしたら、すぐに暗殺しに行こう。そうしよう。



『もういいです。

 他の街の冒険者ギルドに行きますから、

 オークの牙と、今朝の100ゴールドを返してください』


『知らないな~。

 俺は、オークの牙も100ゴールドも受け取ってないぞ~』

『え?』


 これは酷い。

 こいつ、着服するつもりだ!


 ヒルダは、泣きそうな顔をして冒険者ギルドを出ていってしまった。



 絶対にぶっ殺す!


-----


 俺は、素早く仕事を終え、

 エレナとアヤに事情を話して、一緒に奴の所へ向かった。


 たくさん冒険者はいるのに、なぜか奴の窓口には人が並んでいない。

 おそらく、もうみんな奴のことを理解していて、避けているんだろう。



 俺たちは、3人で奴の窓口へ向かった。


「何のようだ?」

 奴は、俺たちを弱そうだと判断したのだろう。

 いきなり横柄な態度だ。


「おいお前、

 俺たちの仲間のヒルダから、オークの牙と100ゴールドを巻き上げたな?

 絶対に許さんぞ!」


「さ、さあ、何のことだか知らないな。

 何か証拠でもあるのか?」

 逃げ切れるとでも思っているのか?



「証拠ならあるぞ」

「え?」


 俺は、【追跡用ビーコン】の映像を、でかでかと表示した。



  『そこまで言うなら、保証金として100ゴールド支払え。

   そしたらこのクエストを許可してやる』


  『これは……オークの牙……。

   どこで盗んできたんだ?』


  『知らないな~。

   俺は、オークの牙も100ゴールドも受け取ってないぞ~』


 冒険者ギルド全体に響き渡る奴の悪行。



「これでもしらを切るつもりか?」


「お、俺は、この街の領主と知り合いなんだぞ!

 こんなことをして、ただで済むと思うなよ」


 へー、この街の領主と知り合いね~。



「じゃあ、その領主を連れてきてやろう」

「え?」



 俺たちは、【瞬間移動】でロンドのところへ飛んだ。


ご感想お待ちしております。


※一時的に知能が低下してきているみたいで、今週は少し遅くなっちゃいました。m(_ _)m

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