392.vs青うさぎ
2月末に2巻が発売されることになりました。
よろしくお願いします。m(_ _)m
『きゅぅーーーーー!!!』
青うさぎの雄叫びが、辺りに響き渡る。
ん?
森から、何かがやってくる
『敵の増援だーーー!』
森から現れたのは、うさぎの増援だった。
その数100匹。
冒険者たちは、浮足立つ。
俺はその様子を、会議室で見ていた。
さすがにアレは、まずそうだ。
「す、すみません。ちょっとトイレに……」
「丸山君、会議中だよ」
「すいません。もう漏れちゃうので」
トイレにいくふりをして抜け出した。
【瞬間移動】で自宅へ飛び、
エレナとアヤに事情を説明してヒルダのもとへ。
「2人とも、すまないが後は頼んだ」
「はーい」「分かりました!」
俺は急いで会議へ戻った。
『冒険者さんたちのケガは、私が治します!』
『じゃあ、私は敵が来ないように防ぐね』
置いてきた2人は、素早く分担して動き出した。
あれ?
ヒルダを助けにいかないのか?
そのヒルダは、青うさぎと睨み合ったまま、
増援のうさぎたちに囲まれていた。
ちょっ!
なんで、誰もヒルダを助けにいかないの!
「丸山君、どうしたのかね?
さっきからそわそわして、またトイレか?」
「い、いえ……」
会議に出席していた他の部署の部長さんに怒られてしまった。
もうトイレに行くという、言い訳は使えない。
後は2人に任せるしかないか。
青うさぎが合図を送ると、
うさぎたちが一斉にヒルダへ襲いかかった。
しかしヒルダは、華麗なステップで、うさぎたちの攻撃を避けまくる。
まるで、うさぎと戯れる踊り子のようだ。
そのすきにエレナは、ケガをした冒険者たちの治療を始める。
「あなたは、エレナ姫様!」
「エレナ姫様が助けに来てくれたぞ!」
どうやら、エレナのことを知っているみたいだ。
前は、あまりエレナの顔は知られてなかったけど、
最近になって知名度が上がってきてるのかな?
まあ、いろんなところで活躍しているもんな~。
別のところでは、うさぎたちが冒険者を襲おうとしていたが、
アヤが素早く駆けつけて、倒してまわっていた。
「あの女、すごい強さだ!」
アヤは、わざわざ大げさな技を繰り出して、うさぎと戦っている。
冒険者たちに褒められて、調子に乗っているようだ……。
2人の活躍によって、冒険者たちの安全が確保されつつあった。
さて、ヒルダは大丈夫だろうか?
ヒルダはまだ、うさぎたちと踊り続けていた。
ってか、さっきより踊りのキレが増してきているような気がする。
「あの子が、1人で魔物の群れと戦っているぞ!」
「俺たちも加勢をするぞ!」
「おー!」
エレナとアヤによって体勢を整えた冒険者たちが、ヒルダを助けに向かう。
30人の冒険者たちが、100匹のうさぎを取り囲む。
包囲して滅殺するつもりらしい。
大丈夫なのかな?
……あんまり大丈夫じゃなかった。
30人の冒険者は、うさぎたちを包囲してはいるが、相手は100匹、しかも動きが速い。
せっかくエレナに治してもらったのに、またケガをする者も出てきている。
それにしても、エレナとアヤは、
あまり積極的に戦いに参加しようとしていない、何でだ?
ヒルダは、うさぎたちの猛攻撃を避け続けていた。
なんか、踊りのキレが、さらに良くなってきているようなきがする。
動きに余裕が出てきた感じだ。
しばらくしてヒルダは、踊りのリズムを変えてきた。
魔力のロッドを取り出し、
近づいてくるうさぎを、ロッドでクリーンヒット。
うさぎは、宙を舞った。
次々と天高く舞い上がるうさぎ。
ヒルダが攻勢にでたことで、
100匹のうさぎは徐々に数を減らし、
ついには50匹ほどにまで減っていた。
うさぎたちは、それでも攻撃をやめようとはせず、しつこく襲い掛かってくる。
かわいくみえても、所詮は魔物なんだな。
ヒルダは、うさぎを殴り飛ばす方向を、徐々に一方向へコントロールし始めた。
青うさぎのいる方だ。
青うさぎは、飛ばされてきたうさぎを、邪魔くさそうに耳で払いのける。
しかし、飛んでくるうさぎの数が、徐々に増えていき、
苛立ちを見せ始めていた。
バコーンッ!
ライナー性の当たりが、青うさぎを襲う。
青うさぎは、苛立ち紛れに飛んできたそれを払い落とす。
『っ!?』
払い落としたうさぎのすぐ後ろを、
ヒルダがものすごい勢いで、迫ってきていた。
ちょうど死角に潜り込んでいたのだろう。
急に接近された青うさぎは、
とっさにバックステップをして森の中へ逃げ込む。
ヒルダもそれを追いかける。
森の中を、高速で移動するヒルダと青うさぎ。
あと一歩。
届きそうで届かない。
その時、ヒルダの体は、後ろからの【追い風】に押された。
アヤが手助けをしたのかと思ったけど、
どうやら、ヒルダが自分で魔法を発動させたようだ。
『きゅっ!?』
青うさぎは、ヒルダに追いつかれたことに動揺していた。
そして、ヒルダの魔力のロッドが、
青うさぎの頭に向かって振り下ろされる。
『きゅーーーーっ!!』
青うさぎは、地面に激突して、断末魔を上げ、
そして、動かなくなった。
ヒルダを追いかけてきていた他のうさぎたちは、
その光景を見て、
一目散に逃げていってしまった。
-----
『あの娘。青うさぎを1人で倒しやがったぞ!』
『うをーーー!!』
青うさぎを引きずって森から出てきたヒルダは、
冒険者たちに拍手で迎えられていた。
『撃退したぞーー!』
『やったー!』
冒険者たちが、勝ち名乗りを上げる。
その後、たくさんの冒険者たちが、街からゾロゾロと出てきて、
その辺に転がっている倒したうさぎの解体を始めた。
おそらく、戦いには参加できない経験の浅い冒険者が、
後方支援のために、どこかに待機していたのだろう。
あ、ミーニャちゃんもいる。
ミーニャちゃんは、ヒルダに抱きついてきた。
『お姉ちゃん!
見てたよ~!!
強いんだね~』
『ありがとう。一緒に解体しましょ』
『うん』
2人は、仲良く解体作業を始めた。
その日、ヒルダは、
『Dランク』に昇格した。
ご感想お待ちしております。




