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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ヒルダの冒険編
401/438

391.ぴょんぴょん


 ヒルダが冒険者を始めて数日がたった。

 平日は、ゆっくり見ていることができないので、

 俺だけ仕事をしながら、たまに確認する程度になってしまった。


 最近は、ゴブリンをそれなりに倒して、

 目立たないようにギルドポイントを稼いでいる。


 あまり稼ぎすぎると目をつけられ、

『ズルしている』だのと、云々いわれちゃうからね。

 ポイントも溜まり、Dランクに昇格ももうすぐだ。



 今日もヒルダは、冒険者ギルドに足を運ぶ。

 さて、今日もゴブリン退治に行くのかな?



『緊急事態ですー!!

 皆さん協力してくださーい!!』

 ん?

 受付のお姉さんが、大声を上げている。

 どうかしたんだろうか?


 冒険者たちは、みんなお姉さんのところに集まった。

 ヒルダも、そこへ向かう。



『王都の東の森で、魔物の大量発生が確認されました。

 緊急討伐隊が組織されます。

 冒険者の皆さんは、ぜひ参加してください』


 マジか!

 何というテンプレ展開。

 俺の時は発生しなかったのに……。うらやましい……。



 しかし、もうすぐ仕事に出かける時間だ。

 俺は参加できないけど、ヒルダは大丈夫だろうか?


 とりあえず、アヤとエレナに話しておいた。

 もしもの時は、二人を向かわせよう。


-----


 昼前になり、俺が会社で仕事をしながら様子を見ていると、

 王都の東の草原に、30人の冒険者が集合していた。

 ヒルダもいる。



 この前、森で知り合った『茶番3人組』もいる。


『やあ、君も来たのかい?

 ケガしないように気をつけるんだよ』

 などと話しかけてきた。


 ヒルダがケガをするような敵がいたら、

 君たちヤバイけどね。


 そう言えば、敵はどんな奴なんだろう?

 大量発生だから、ゴブリンなのかな?




『来たぞー!!!』

 森から出てきた冒険者が、魔物来襲を知らせる。


ぴょんぴょん。

 ん??


ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん。

 なんだありゃーーーー!



「丸山君、仕事中にどうしたんだね?」

「す、すいません……」

 ビックリして、思わす席を立ってしまった。



 森から現れた魔物の群れは……、

 うさぎ(・・・)……だった……。



 うさぎって、アレだろ?

 こころが、ぴょ……じゃなくて、ウキウキしてくるような、

 癒し系の生き物だろ?



 そんな『うさぎ』が、森から大量にぴょんぴょん飛び出してくる。

 数は、50匹ほど。



 血に染まったような真っ赤な目。

 ニン○ンをガリガリかじりそうな、丈夫な歯。

 ものすごいジャンプ力を生み出す、強靭な足。


 うん、どれをとっても……かわいらしい。



 草原で待ち構えていたヒルダたち冒険者が、それを迎え撃つ。



 よく見ると、俺の知ってるうさぎにくらべて、けっこう大きい。

 大型犬くらいの大きさはあるな。


 そして、飛び跳ね方が素早い。


 ぴょんぴょんぴょんと、連続でジャンプをして、いっきに距離をつめてくる。



『うわー!』


 冒険者の1人が、体当たりを食らって吹っ飛んだ。

 それなりに強いらしい。


『魔法を使います!』

 ヒルダは、周りの人に断りを入れ、

 大きな水の玉を、うさぎの集団にめがけて発射した。


バサンッ。


 水の玉は、うさぎを5匹まとめて吹き飛ばす。

 その周囲にいた10匹も、水をかぶってびしょ濡れになり、動きが鈍っていた。

 どうやら、水が苦手らしい。



『君、すごいじゃないか』

 茶番3人組のリーダー、アロンソがヒルダを褒めている。


 まあ、ヒルダが本気を出せば、こんな程度じゃすまないけどね!



『ボス敵がいるぞ!!!』

 冒険者の1人が、大声を上げる。

 それまでの楽勝ムードが一転した。



 敵の集団の奥に、ひときわ大きいボスが現れた。


 そいつは、色が青くて体が大きい。

 強そうな、うさぎだった。



ぴょん。

 ボスの青うさぎは、冒険者たちから少し離れた位置で大きく飛び跳ねた。

 そして、大きな耳を広げて……。

 グライダーのように滑空してきた。


『上から来るぞ! 気をつけろぉ!』

 冒険者の1人が、とっさに叫んだが……、

 青うさぎは空中で素早く方向転換し、

 地面すれすれから冒険者の群れに突っ込んだ。


『うわぁーーー!』

 青うさぎの素早い動きに、

 冒険者が次々となぎ倒されている。



 ヒルダは、魔法で攻撃しようとしているものの、

 冒険者たちを巻き込んでしまうために、攻撃できないでいた。



『いかん! いったん撤退だ!』

 冒険者たちは撤退を試みるも、

 青うさぎに回り込まれてしまう。


『くそう! もうここまでか……』


 冒険者たちが死を覚悟した、その時!



ぴょん。

 空中を滑空する青うさぎに向かって、

 大きくジャンプする、かわいらしい影が1つ。


 ヒルダだ。


 どうやら、魔法での攻撃をあきらめ、

 魔力のロッドを握りしめて、

 物理で殴ることにしたようだ。



バコォンッ!!


 ヒルダの攻撃が空中で炸裂し、

 森の方へ吹き飛ぶ青うさぎ。


 やったか?



 しかし青うさぎは、

 着地地点で、すっくと立ち上がった。

 あまりきいてないのか?


 うーむ、あいつ、けっこう強いかも。



 ヒルダは、冒険者たちがまた攻撃されるのを防ぐため、

 ひとりで青うさぎに向かって、突撃する。


 それを見た青うさぎも、

 受けて立つといわんばかりに、ヒルダへ突っ込んでくる。



 草原の中央で、激しくぶつかりあうヒルダと青うさぎ。


 青うさぎは、立体的な速い攻撃を繰り出す。

 ヒルダは、それをギリギリで回避する。


 青うさぎは、空中で鋭く方向転換をして、

 なんども突っ込んでくる。


 しかしヒルダは、その攻撃をすべて回避している。



 避けるというより……。

 まるで踊っているような……。


 そうか!

 あれは、めぐみちゃんとのダンスレッスンの時に習得した、

【踊りスキル】の『回避の踊り』だ。



 そしてヒルダは、回避のすれ違いざまに、

 魔力のロッドで、ふたたび青うさぎを叩き落とす。


『きゅっ!!』

 青うさぎは、短い悲鳴を上げる。

 なんか、ボス敵のくせに、かわいらしい鳴き声だな……。



 青うさぎは、なんとか立ち上がり、

 すばやくヒルダから距離を取る。


 さっきの攻防で、かなり警戒しているようだ。



 そして、青うさぎは……、


『きゅぅーーーーー!!!』


 雄叫びのような、かわいい鳴き声をあげた。



 青うさぎは、

 いったい何をしようというのだろうか?


ご感想お待ちしております。

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