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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ヒルダの冒険編
397/438

387.初めての冒険


 俺たちは冒険者ギルドの前でたむろしていた。

 ヒルダが冒険者登録するのを待つためだ。


「ヒルダは、ひとりで大丈夫でしょうか?」

 エレナもだいぶ心配している。


「なーに、平気さ。

 ただ冒険者登録するだけだし」


 うーむ、自分で言っててなんだけど、

 何かのフラグが立ってそうで不安になってきた。



 ちょっと【追跡用ビーコン】の映像を見てみるか。


 なんか、初めてお使いに行く子供をテレビで見ているみたいだな。


-----


『これで登録は完了です。

 かんばってくださいね』

『はい!』


 ヒルダは、受付のお姉さんに冒険者ギルド証をもらっていた。


 なーんだ、ちゃんと登録できたじゃないか。

 心配することなかったな。



 だが……。


『おい、そこのガキンチョ。

 ママのお使いかい?』


 ヒルダが、ニコニコ顔でギルドを出ようとした時、

 柄の悪そうなガタイの良い冒険者が、ヒルダを呼び止めた。



『お使いじゃありません。

 私、冒険者になったんです』

『けっ! 何が冒険者だ。

 最近、お前みたいなガキンチョが増えて、目障りなんだよ。

 ガキンチョはガキンチョらしく、ママのおっぱいでもしゃぶってろ!』


 なんてことを言うんだ!

 そんなに言うなら、俺が代わりにヒルダをペロp……。

 じゃなくて、なんか雲行きが怪しくなってきた。



『私はエレナお姉ちゃんの妹として認めてもらうために、

 Sランクの冒険者になるんです!』

『かはは! 聞いたかお前ら。

 このガキンチョがSランクになるんだとよ!

 笑いすぎてヘソで茶が沸いちまうよ!』


 そりゃあ、ヒルダの事を知らない奴が聞いたら、

 そういう反応になるよな。



『お前のような世間知らずには、実力というものを教えてやるぜ!』


 そいつは、こともあろうにヒルダに攻撃を仕掛けやがった。


 ここは、ヒルダを助けに行きたいところだけど、

 ぐっと我慢をして見守ることにする。



『くらえ!』


 小さなヒルダに向けて、ガタイの大きい奴の拳が迫りくる。



くるっ。


 ヒルダは、その拳を、

 まるで羽毛が宙を舞う様に、するりと体を回転させて避けてみせた。



『てめぇ! 避けるんじゃねえよ!』

 奴は、そうとう怒っている様子だ。

 ムキになってヒルダを捕まえようとする。


 しかしヒルダは、踊るようなステップで、それをすべて避けてしまう。


 そうか!

 めぐみちゃんとのダンスレッスンを戦いのステップに生かしてるのか!



 ヒルダは、まるで妖精のように、そいつの周りを舞っている。


『このやろー!!』

 そして奴も、ヒルダを追いかけ、ピエロのように無様ぶざまに踊っていた。



『いいぞいいぞ!』『もっとやれー!!』

 イザコザに気がついた周りの冒険者たちが、二人を煽る。



ドスーン。

 ついに奴は、尻餅をついて目を回してしまった。

 奴の頭の上に、ヒヨコがぴよぴよ飛んでいる幻が見える。



『『うおー!』』

 冒険者たちから歓声と拍手が巻き起こった。


-----


「あれ? ねえ、兄ちゃん、

 なんかギルドの中が騒がしくない?」

「そうだね~、なんだろうね~」



 しばらくすると、ヒルダがニコニコ笑顔でギルドから出てきた。


「ヒルダちゃん、おかえり!

 ちゃんと冒険者になれた?」

「はい! なれました!」

 ヒルダは、冒険者ギルド証を嬉しそうに見せた。


 登録でお約束はあったものの、これでヒルダも晴れて冒険者だ。



「それじゃあさっそく、

 今日くらいは皆でクエストをやりに行くか?」

「ダメです!

 私ひとりでやるんです!

 皆さんは、お家でゆっくりしててください」


 ヒルダは、だいぶやる気になっているようだ。



「ヒルダ。本当に一人で大丈夫?」

「はい!」

「ヒルダちゃん、がんばってね」

「はい!」


 やる気になったヒルダを、もう誰も止めることはできない。



 ヒルダは、俺たちに別れを告げ、

 元気よく歩いていってしまった。


 仕方ない、引き続き見守るだけにしておこう。



 俺たちは、【瞬間移動】で日本に帰った。


----------


「兄ちゃん。ヒルダちゃんの様子を見せてよ」

「はいよ」


 テレビにヒルダの様子を映し出す。



「あ、ヒルダちゃん、薬草を集めてる」

 なるほど、薬草集めのクエストなのか。

 さすがにFランクの冒険者に、強い魔物退治のクエストなんかやらせないよね。


「ヒルダ、がんばれ……」

 エレナも応援している。



 いやあ、しかし、

 土日に家にいるなんて久しぶりだな~。


 このところ毎週のように、異世界やら海外やらに行ってたからな~。



 しばらく3人で、ヒルダをじっと見守る……。



「ちょっとトイレ」

 断りを入れてトイレに行こうとすると……。


「兄ちゃん、ダメ!」

「なんで止めるんだよ。

 漏れちゃうだろ」

「兄ちゃんがトイレに行っちゃったら、

 ヒルダちゃんの様子が見れなくなっちゃうでしょ!」


「俺がトイレに行く間くらい我慢しろよ」

「その間にヒルダちゃんが変なのに襲われでもしたらどうするつもり!」

「そんなこと言ったって、漏れちゃうよ」



 その後も、うるさく食い下がるアヤを説得し、

 なんとか最悪の状況は避けられた。


 しかし、この状況だと、

 俺はおちおちトイレにも行けやしない。



 無事トイレを終えて見守りを再開すると、

 何やらヒルダがキョロキョロしている。


 そして、急に森の奥へ進んでいった。



 もしかして、ヒルダもトイレかな?

 ここはしっかり見守らないと!!!



 しかし、その時!

 向かった森の奥でヒルダが見たものは……!


ご感想お待ちしております。

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