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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
アイドルマネージャー編
393/438

383.ワイドショー

あけまして

おめでとうごうざいます。


「うぎゃーーーー!!!」


 黒山社長は、自分の腕が斬られた事に気が付き、

 (きたね)え悲鳴を上げた。



「腕がーーー!!」

 黒山社長は人質をすっ飛ばし、自分の斬られた腕を転がるようにして拾い上げ、

 血をどくどく流しながら、一生懸命に元の場所にくっつけようとしている。


 仕方ない、少しだけ【回復魔法】を使ってやるか。


 俺は、【夜陰】で姿を消したまま、

 とりあえず、大きめの血管と神経と骨を、そこはかとなくくっつける感じにしておいた。

 動かないようにしていれば、それなりになんとかなるだろう。



「救急隊員を!」

 やっとフリーズから回復した警察官が、もしものために待機させていた救急隊員を呼ぶ。

 すぐさま救急隊員が駆けつけ、警察官が取り囲む中で、応急処置を施す。



 人質だった女性は、女性警官が身柄を確保していた。


「いやー、あの手がちょん切れるシーン、すごかったですね~。

 アレはどんな仕掛けなんですか?」

 人質女性は、まだドッキリだと思っているらしい。


 女性警官は、その発言を聞いて、

 人質女性が精神的にショックを受けていると判断したらしく、

 急いで救急車に連れていった。



 黒山社長の方はというと……、

 斬られた腕を包帯でぐるぐる巻きにされ、

 救急隊員と警察官と報道陣にもみくちゃにされながら、

 ギャーギャー騒いで救急車に乗せられていってしまった。



 やっと終わった……。

 つ、疲れた……。


 後のことは警察に任せて、俺は帰宅した。


~~~~~~~~~~


「兄ちゃん、おきろー!」


 翌朝アヤに、フライングボディアタックで起こされた。


「何するんだ!」

「いいから、早く起きてテレビを見てよ!」

 まったく、何だっていうんだ。

 昨日はアレのせいで、帰るのがおそかったんだからな。


 だいたい、こんな起こし方は、小学生くらいの子供がやることだろ。



 俺が、寝ぼけ眼でリビングにいくと、

 エレナとヒルダもテレビを見ていた。


『これが、今日未明に黒山プロダクションで起こった事件の映像です』

 ん?

 朝のワイドショーを見ているのか。



『ここです!

 ここからとんでもないことが起きます』

『あ、何もないところから忍者が!!』

 忍者オレが現れるシーンを見て、コメンテーターが驚きまくっている。

 ってか、俺のことをニュースでやってるのかよ!


「兄ちゃん、これ、どういうこと?」

 アヤは、腕を組んで俺のことを睨みつけている。



 どう言い訳をしようか考えていると、

 アナウンサーに横からメモが渡された。


『いま、警視庁から新たな情報が発表されました!』

 テレビニュースが、急に慌ただしくなってきた。


『こ、これ、本当なんですか!?』

 原稿を渡された女性アナウンサーが、カメラがまわっているのを忘れて、

 原稿を持ってきた人に聞き返している。

 よほど、信じられないないようなのだろう。


『し、失礼しました。

 ただいま、警視庁から発表された情報によりますと……。

 黒山社長は、人質への暴行容疑に加えて、

 未成年者への暴行の容疑でも緊急逮捕されたそうです。

 被害者の人数は……37名とのことです』

 アナウンサーは、その驚愕の内容をくりかえし読み上げ続けている。

 さらに報道番組は続き、

 放送内容を変更して、このニュースを報道し続けた。


 人数までは確認してなかったけど、

 被害者はそんなにいたのか……。



『いま、警視庁前に○○さんが到着しました。

 中継を繋ぎます。

 警視庁前の○○さん~、そちらの様子はどうですか?』

『はい、警視庁前の○○です。

 現在、警視庁前は、詰めかけた報道陣がごった返し、騒然としています』

 なんか、大変なことになっているな。



『ただいま、警視庁から被害者に関する新しい情報が入ってきました。

 被害者37名の内訳は、女性33名……だ、男性4名!? ……だそうです……』


 しかし、男性4名って……。

 未成年者なら見境なしかよ!



 その後も、某放送局をのぞいたすべてのチャンネルで、

 このニュースが報道され続けた。



 みんなしてしばらくニュースを見ていたが、

 俺は会社があるので、

 簡単な朝食を取って、出社した。


-----


「丸山さん、社長がおよびだそうです」


 会社につくと、朝イチで社長に呼び出されてしまった。



「しつれいします」

 俺が、社長室に入ると。


「丸山くん!」

 社長がいきなり襲いかかってきた。


「うわ、何ですか!?」

 社長は、俺にしがみついて泣いている。


「今朝のニュースを見たよ。

 もし、君が助け出してなかったら、

 めぐみも、同じ目にあっていた。

 そう思うと……。

 君には、感謝しきれないよ」

 今朝の黒山社長のニュースが、よほどショックだったのだろう。

 なにせ、孫のめぐみちゃんが、その直前まであの犯人と会っていたのだから。



「社長、お孫さんがお見えで……」

 社長秘書さんが、そう言いつつ社長室のドアを開けたのだが、

 社長が俺の腰のあたりに抱きついているのを見て、固まってしまった。


「し、失礼しました!」

 そして、見てはいけないものを見てしまったように、逃げていく。



 どうやら誤解をしてしまったかもしれない。

 勘弁してくれ……。



「お祖父様、参りました」

 その後、しばらくしてめぐみちゃんが社長室に現れた。


「めぐみ、もう大丈夫かい?」

 俺に抱きついていた社長は、

 今度はめぐみちゃんに抱きつき、頭をなでている。

「お、お祖父様……」


 めぐみちゃんは、昨日家に帰った後、すぐに寝てしまって、

 社長とはあまり話ができなかったらしい。



「私は、大丈夫です。

 それより、丸山さんのお金が……」

「お金、それはどういうことだ?」


 めぐみちゃんは、

 俺が救出のために1億円を使ったことを、社長に説明した。



「その1億円は、もしかして……」

「はい、前に社長からもらったものですよ」


「す、すまない……。

 めぐみのために、そんなことをさせてしまって……」



「まあ、めぐみちゃんがアイドルになって返してくれるそうなので、

 ゆっくり待ちますよ」

「なんなら、ワシがすぐに一億円を……」

「お祖父様、ダメです。

 私が返すと、約束したのですから!」


「わかった。

 必ず返すのだぞ」

「はい!」

 めぐみちゃんは、熱い瞳で大きく頷いた。



「改めて、丸山くん。

 礼を言わせてくれ。

 ありがとう」


 社長は、ソファーから立ち上がり、

 俺の横にやってきて、

 社長室の床に跪いて、土下座・・・をした。


「ちょ、社長!」


 それを見ためぐみちゃんも。


「ありがとうございました」

 俺の隣にやってきて、ほっぺにチュウ(・・・)してきた。


 め、め、めぐみちゃんの……唇ががが……。



 めぐみちゃんにチュウ(・・・)をされ、

 俺が激しく動揺していると……。


「社長、お茶をお持ちしました」


 そこにタイミング悪く、さっきの秘書さんが現れた。


ガシャン。


「し、し、失礼しましたーーー!」

 秘書さんは、お茶を落とし、片付けもせずに逃げていってしまった。


 秘書さん、ノックぐらいしようよ……。



 まあ、めぐみちゃんにチュウ(・・・)してもらっちゃったし、

 1億円くらい安いもんだよね。


 まあ、もう取り返してるんだけどね!


ご感想お待ちしております。

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