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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
アイドルマネージャー編
391/438

381.情報セキュリティ


「さーてと……。

 やり残したことを片付けてしまうかな」


 俺は、忍者の格好に着替えて、

 最後の仕上げに取り掛かった。



 【夜陰】で姿を消して、黒山社長の所へ【瞬間移動】する。


「ぐへへへ、1億円……。

 なんど見ても興奮してしまう」

すりすり。


 うゎぁ、ひくわ~。

 お金にすりすりしてる……。



 見ていて気持ち悪くなり鳥肌が立ってきたので、

 さっそく行動に移すことにした。


「【睡眠】!」

「ふゃっ!?」


 黒山社長は、気持ち悪い声を上げて意識を失い、

 気持ち悪い顔で1億円に埋もれながらスヤスヤと寝入った。


「き、気持ち悪い……」



 俺は、汚い雑巾を扱うかのように黒山社長を1億円から引き離し、

 札束をキレイにジュラルミンケースに詰め戻してインベントリへしまった。


「ふう」


 コレで目的の1つ目はクリアした。


 俺としては、なるべく早くこの気持ち悪い場所からトンズラしたいところだが……。

 そうもいかない。



 俺は社長室を見まわし、

 犯罪の証拠になるようなものがないか、探してみた。


「ん?」


 俺が目をつけたのは、社長用デスクの上に置かれた、

 PCだった。


 ここに何か保存されているかも。



 俺は、指紋がつかないように注意しながら、

 マウスを動かしてみた。


フォーン。


 PCは、スリープ状態から立ち上がり、

 パスワード入力画面が表示された。



「うーむ、パスワードか……」


 【追跡用ビーコン】の映像を過去にさかのぼって確認してみたが、

 パスワードを入力している映像は無かった。


「パスワードが分からなくても、直接ファイルを調べればいいか~」

 俺は、【電気情報魔法】でPC内のファイルを調べようとした……。


 しかし。

暗号化・・・されてる……」

 ハードディスクには全体的に暗号化が施されていて、

 パスワードを解除しない状態では、ファイルを読むことができなかった。



「うーむ、大手IT企業なみの情報セキュリティだな」


 個人情報を扱う会社以外でここまで厳重なのは、けっこう珍しいかも?


 まあ、それだけ重要な情報が保存されているということだ。

 もしかしたら、犯罪の証拠になるかもしれない。



 俺は『SE』であって『ハッカー』ではない。

 さすがにパスワードを突破するのは、俺には無理だ。


 仕方ないので、専門家?のお力を借りることにした。



「【スーパーオラクルちゃん召喚】!」


 召喚魔法を使うと、髪の毛が逆立った精霊が登場した。


「オッス、オラ、スーパーオラクルちゃん。

 呼んでくれてありがとな!

 オラ、なんだかワクワクすっぞ!」

「誰だよお前!」

 超オラクルちゃんが、何かのモノマネをしながら登場した。



「何か面白そうなものでもあったの?」

 いきなり素に戻るな。


「うむ。

 このPCのパスワードを、なんとか解析できないかと思って」

「パスワード?

 ちょっとやってみる!」


 超オラクルちゃんは、モニタの中に飛び込んでいった。



『なにこれ!

 パズルみたいで面白いぃ!!!』


 超オラクルちゃんは、データの海に飛び込み、

 あんなことやこんな事をしながら、ハッスル(・・・・)していた。



『あともう少しで……キちゃうぅ。

 パスワードが、キちゃうのぉ』


 お前はナニをやっているんだ?


『キターーー!!!』

 超オラクルちゃんはデータの海の中で、

 ダブルピースをしながら、恍惚の表情を浮かべていた。


 どうやら、終わったらしい……。



 その時、例のアナウンスが、俺の頭のなかで鳴り響いた。


『【電気情報魔法】のレベル上限が2になりました。

 【電気情報魔法】がレベル2になりました』


「ふぁっ!?」


 魔法レベルがあがった?

 このタイミングで?


 超オラクルちゃんがパスワード解析を成功させたのが原因かな?



 【電気情報魔法】の内容を調べてみたところ、2つの魔法が追加になっていた。


┌─<電気情報魔法>─────

│【パスワード解析】

│ ・強度の低いパスワードを解析できる。

│  レベルに応じて、解析できる強度が上がる。

│【どこでも通信】

│ ・離れた位置と電波通信ができる。

│  電波通信の種類は問わない。

└──────────────


 これはいいな。


 【パスワード解析】は、いまやってたやつだな。

 強度の低いパスワードってどんなレベルなんだろう?

 気になるところだ。


 【どこでも通信】は、かなり便利だ!

 最近では地下鉄内でも携帯の電波が通るけど、

 エレベーターの中とか、電波が途切れる場所もまだまだあるんだよね。

 それに、『電波通信の種類は問わない』ってことは、

 家のwifi電波を、出先で使えるってことなんじゃないか?

 だとすると、かなり使える魔法だ。



 ひとしきり、新しい魔法の使いみちについて考えた後、

 モニタから満ち足りた表情で出てきた彼女に、パスワードを教えてもらった。



「パスワードは……『1230』だと!?」

 どうやら、黒山社長の誕生日がパスワードだったらしい。

 設定してはいけないパスワードランキングのトップ3に入るやつじゃないか……。

 アレだけ厳重にPCを暗号化までしているというのに……。

 『片手落ち』とは、まさにこれのことだな。


 強度の低いパスワードって、こんな低いレベルなのか?

 後で、検証が必要だな。



 俺は、判明したパスワードを入力して、PC内を調査した。


-----


 PC内のファイルを、一通り調査し終わった……。



「犯罪の証拠を追ってて、とんでもないものを見つけてしまった。どうしよう……」


 俺は、とんでもないものを発見して、唖然としていた。


 超オラクルちゃんは、あまりにショッキングな情報を目の当たりにして、

 逃げるように帰っていってしまった。



「しかし、まさかここまでクズだったとは……」


 スヤスヤ眠る黒山社長を、クズを見る目で蔑んでいた。


-----


「さて、そろそろ起こすか」


 もう一度【夜陰】で姿を消し、黒山社長を起こす。


「【起床】!」

 俺が魔法を使うと、黒山社長はゆっくりと目を覚ました。


「……あれ?

 俺はどうしてたんだ?

 ……。

 ふぁ!

 い、1億円が……無いぃ!!!」


 黒山社長は、1億円が消えているのに気がつき、

 大騒ぎし始めた。



 よしよし、この分なら、

 黒山社長のやつ、俺の思わく通りに行動してくれそうだ。



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