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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
風と雷の魔法編
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35.危険な夜道

夕食を終えた後、俺は『アジド』さんの様子を確認した


『アジド』さんは、何処かの街の『酒場』で酒を飲んでいた


「どうやら『アジド』さんが街に到着したみたいだ」

「街って事は『ニッポの街』だっけ?」

「多分そうだ」


「セイジ様は、これからあちらに行くおつもりなのですか?」

「ああ、これから向こうに行って

 0時過ぎたら帰ってくる」


「私達はお留守番ですか?」

「ああ、夜だし行って直ぐに帰ってくるだけだしな」

「分かりました、お留守番しています」



俺は服装を整え【瞬間移動】で『アジド』さんの近くへ飛んだ


到着して直ぐ『アジド』さんに気づかれないように、その場を離れたのだが、その必要は全然なかったようだ

飛んだ先は『酒場』だったのだが、明かりはランプなどだけだったので暗くて顔など分かるはずもない


取り敢えず『酒場』から出た俺はどうしようか迷っていた


外が真っ暗なのだ

『酒場』に戻って酒を飲むという選択肢もあるが、流石にそれだと『アジド』さんに気づかれる確率が上がってしまう


ピコン!

電気が無いなら俺が電気を作ればいいじゃないか



俺は【雷の魔法】を使って【蛍光灯】が出来ないか試してみた

しかし、上手く行かなかった

【蛍光灯】って【蛍光灯】だけじゃなくて【点灯管】も必要なんだっけ?どういう仕組かよく分からん


俺は【蛍光灯】は諦めて、今度は【白熱電球】を試してみた

今度はうまく動いて辺りを明るく照らしだした


目立つけど仕方がない

もしかしたら、これを見た人は【光の魔法】と勘違いしてくれるかもしれないし、まあいいか


俺は顔の右上辺りに【白熱電球】の明かりを固定して夜の街を散策した

店は全て閉まっていて人っ子一人いない

散策の意味は殆ど無いけど0時まで帰れないし、まあ、地図埋めも出来るしいいか


ここで、おかしな事に気がついた

地図は俺の行ったことのある場所だけしか表示されないのだが、俺の行ったことのないのに表示されている場所があるのだ

地図を追ってみると、町の外に続いている

更に辿って行くと、ずっと先まで続いていて、王都まで続いていた


なんだこれは?


ピコン!

そうか、これは『アジド』さんが王都からこの街まで旅した道だ


もしかして、地図が表示されているということは、その場所に【瞬間移動】で移動できるのでは?

俺は『王都』とこの街の中間地点辺りを地図を見ながら意識して【瞬間移動】を使った



そこは森のなかの一本道だった

移動できてしまった


これはいい、『アジド』さんがたどった道なら何処にでも【瞬間移動】出来る

今回みたいに『アジド』さんが街に着く毎にこっちに来る必要もない

『アジド』さんには好きなだけ旅してもらって、俺は表示された地図を後から利用するだけ


俺は真っ暗な夜の森のなかで、喜びの舞を踊っていた

俺の喜びの舞に、5つの影が駆けつけてくれた


5つの影は【狼】の様な魔物だった

俺は浮かれていてすっかり囲まれてしまった



誰も見ている人がいないので、俺は遠慮をせずに【電撃】を5匹の【狼】の眉間にヒットさせ瞬殺してから、インベントリにしまった



「ちょっとはしゃぎすぎたかな?」


反省した俺は、元の街に戻った


今度は街の中の探索ではなく、街の外周をぐるりと見て回ることにした


しばらく行くと見渡すかぎりの【畑】があった、【畑】には青々とした植物が植えられていた

【鑑定】してみると、それは【小麦】だった


「ほうほう、これが全部小麦か」


小麦畑は街の東側に広がっているらしい


更に歩いて行くと【森】が広がっていた


【森】と【小麦畑】の間を歩いて行くと

【警戒】の魔法が反応し、地図上に『注意』のマークが現れた


『注意』のマークが現れた地図上の場所をよく見てみると

【小麦畑】がガサガサ動いていた


念のため【クイック】の魔法をかけて『注意』して見ていると

大きなネズミが1匹【小麦畑】から飛び出してきて、俺の【白熱電球】の光に驚いて立ち止まり、こっちを睨みつけてきた


俺と【大ネズミ】のにらみ合いが続いていると、さらにガサガサと音がして【小麦畑】から20匹の【大ネズミ】が現れた


俺が数の多さにビビって一歩後ずさると、21匹の大ネズミが一斉に襲いかかってきた

【未来予測】と【クイック】のお陰でほとんどの攻撃は回避できていたが、たまに攻撃が当たってしまいそうになり【バリア】でその穴を埋めざるを得なかった


面倒くさくなった俺は

タイミングを見計らって10m手前に【瞬間移動】して、敵を見失った21匹の【大ネズミ】の集団に向かって【落雷】を炸裂させた


ドカーン!!

轟音とともに一瞬辺りが真っ白になり

光が収まると黒焦げになった21匹の【大ネズミ】が転がってた

俺は取り敢えずその21匹をインベントリに格納しておいた



『レベルが13に上がりました。』

頭の中にレベルアップのメッセージが響いた


21匹も倒して上がったレベルは1だけか

弱い敵だったのかな?


でも、やっぱり夜道は危険だな



俺は、そのまま歩いて街まで戻ってきた

街に着くと丁度0時を過ぎていたので【瞬間移動】を使って自宅へ戻った



「ただいま、まだ起きてたのか

 エレナは寝たのか?」

「おかえり、エレナちゃんは途中まで起きてたんだけど

 ちょっと前に寝ちゃった

 新しい街はどうだった?」


【地図】の事、【狼】や、【大ネズミ】の事を話したら

「お兄ちゃんだけずるい!」と、妹にボコられてしまった


アジドさんの大冒険になりつつあるかも?w


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