378.ボスの正体
俺と超オラクルちゃん(雷ちゃんバージョン)が、やってきたのは……。
めぐみちゃんに真っ赤な飴を渡そうとしてきた娘のところだ。
あの飴は、辛かったんだぞ!
仕返しに、イタズラでもしたいところだけど……。
女の子の部屋に【夜陰】にまぎれて【瞬間移動】で忍び込んだ俺(と、精霊)。
これは、ぜっこうの チャンス?
その女の子は、ジャージ姿で携帯をいじっていた。
今どき、ガラケーか……。
お金が無いのかな?
俺が、姿を消したまま 忍び足で近づくと……。
プルルル!
いきなり、電話が鳴りだした!
び、びっくりして心臓が口から飛び出るかと思った……。
「はい」
女の子は、急いで電話に出た。
画面を確認したところ、
例のボスの電話番号だった。
なんというタイミング。
俺は、超オラクルちゃん(雷ちゃんバージョン)に、ジェスチャーで逆探知をお願いする。
俺の意図が伝わったらしく、超オラクルちゃん(雷ちゃんバージョン)は、女の子が通話中の携帯電話の中に。
「あ、すいません、いまちょっと電波の具合が……。
もう大丈夫です、すいません」
少し電波を乱してしまったみたいだが、
それ以外は特に問題なく、携帯の中に入れたみたいだ。
後は、【追跡用ビーコン】の映像を見ながら、
逆探知が完了するのを待つばかりだ。
「そ、それは……。
も、申し訳ありません……」
なんだか女の子が、猛烈に謝り始めた。
めぐみちゃんに飴を渡しそびれた事を叱られているのかな?
「それだけは、お許しください。
そ、そこをなんとか……。
な、なんでも、しますから……」
ん?
なんか、雲行きが怪しくなってきたな。
うーむ、なんとか相手の声が聞こえないかな?
あんまり近づきすぎると気づかれかねないし……。
そう思った時、とつぜん話し相手のボスの声が聴こえるようになった。
『そもそも、お前が失敗したのが原因だろうが!
あんな簡単なことを失敗するようなやつはいらん!』
何ごとかと思ったら、
オラクルちゃんが【逆探知】に成功し、
そちら側の【追跡用ビーコン】から声が聞こえてきたというわけだ。
「そんなことをいったって……。
飴を渡せなかっただけで、なぜ1億円もの違約金を払わなければいけないのですか?」
1億円!? こいつら何の話をしているんだ?
『この前おまえがサインした契約書にちゃんと書いてあっただろ、
仕事を失敗して発生した損害は、すべて賠償してもらうことになっている。
お前が失敗したせいで、1億円の損害が出た。そういうことだ』
「そ、そんな……」
すいぶんとアホくさい話をしているな~。
そもそも1億円という値段設定がアホっぽい。
契約とかいって未成年を騙しているのか?
ちょっとボスの所へ行ってみるか。
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俺はオラクルちゃんの【追跡用ビーコン】の場所を頼りに、
ボスの所へ【瞬間移動】した。
場所は、趣味の悪い金ぴかな物がたくさんおいてある社長室っぽい部屋だった。
そこにいるのは、40歳前後の目つきの悪い男。
あいつがボスか……。
「わかったな、1億円だぞ。
払えなかったらお前を海外に売り飛ばしてやるからな!」
ボスは、アホっぽい捨て台詞を言い放って、
あの娘との通話を終了させた。
「かかか! バカな娘だ!
あんな嘘の契約書にだまされるなんてな!
しかし、あんな使えないやつは、さっさと誰かに売り飛ばしちまおう。
ま、その前に一発くらいヤッておこうかな」
ヤッちゃうのかよ!
ボスを【鑑定】してみると、
名前は黒山、職業は芸能事務所社長となっていた。
なるほど、めぐみちゃんのライバルということか。
それにしては、やっていることが悪質すぎるけど……。
さて、ボスの正体も分かったし、
こいつをどう料理してやろうかな?
とりあえず、超オラクルちゃんを回収し、
攻撃を加えるために、忍び足でボスに近づいた。
トントントン。
うわ!
部屋のドアがいきなりノックされて、
またビビってしまった。
「なんだ?」
「社長、例のやつから連絡が入りました」
「おお! そうか、それじゃあ準備をするか」
ボスは、部下らしきやつに呼ばれて、部屋を出ていってしまった。
ち、運のいいやつめ。
もうちょっとで、俺が懲らしめてやったのに。
他のやつと一緒だと、手を出しにくい。
俺は、いったん出直すことにした。
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「兄ちゃんおかえり、どうだった?」
お風呂上がりのアヤが出迎えた。
「ボスの正体は分かった、
やつが一人の所を狙って、懲らしめに行くつもりだ。
やつを叩きのめす時、お前もついてくるか?」
「うーん……。
私は、今回のことにはぜんぜん関わってないから、別にいいや」
「なんだよ、薄情なやつだな」
「そんなことより、おうどん食べたい」
「え!?」
なんだよ!
俺がせっかく苦労して ボスを見つけたと言うのに!
そういえば、夕飯がまだだったっけ。
仕方ないので、おうどんを作っていると、
オフロに入っていたエレナとヒルダも出てきたので、
みんなで美味しくおうどんを食べました。
美味しいおうどんを食べ、まったりしていると……。
プルルルるる!!!
俺のスマホが、けたたましく鳴り響いた。
誰かと思ったら社長から電話だ。
なんだろう? こんな時間に。
「社長、こんな時間に何ですか?」
『た、大変だ!
めぐみが、いなくなった!!』
「え!?」
もう、けっこう遅い時間だ。
とても未成年の女の子が一人で出歩く時間ではない。
急いで【追跡用ビーコン】を確認してみると……。
めぐみちゃんは、
とんでもない所に、いた。
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