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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
空手大会編
363/438

353.世界空手大会決勝1


ワーワーワー。


 みんなで楽しくお茶をしていると、

 何やら急に外が騒がしくなった。


「何かあったのかな?」

 俺は、追跡用ビーコンを飛ばして、様子を見にいった。



 どうやら、またケガ人が出たみたいだ。


 アマゾネス三姉妹の一番下、アン選手が足を負傷して医務室に運び込まれていた。


『くそう、あのイリーナとかいうロシア女、

 クソみたいな力しやがって!』

 アン選手はドクターに治療されながらぼやいていた。

 どうやら相手は、きみよちゃんをケガさせたイリーナ選手だったらしい。

 おそらく、また【肉体強化】の魔法を使ったのだろう。


『まったく、今回の大会はやけにケガ人が多いですね』

 ドクターも、ぼやきながら治療をしていた。

 きみよちゃんと、アン選手以外にもケガ人が出てるのかな?



 俺たちが試合を見てない間に、変なことになってるみたいだな。


「そろそろ観客席に戻るよ。

 きみよさんも観客席に行くかい?」

「いいえ、私はもうしばらくここにいます。

 お茶、ごちそうさまでした」

 きみよちゃんはニッコリ微笑んだ。


 俺は、手を降って、

 エレナとヒルダと一緒に、控え室を後にした。


----------


 観客席に戻り、試合の進み具合を見てみると、

 もう『軽量級、準決勝第2試合』が始まっていた。


 試合は、つつがなく決着し、

 カナダの選手が決勝進出を決めていた。


-----


 次の『中量級、準決勝第1試合』は、ロシアのマトリョーシカ三姉妹の真ん中、

 マーシャが決勝進出を決めた。


-----


 次は、『中量級、準決勝第2試合』アヤの出番だ。

 対戦相手は、アメリカのエミリー選手。


 試合前、エミリーがだいぶいきがっていたが、

 圧倒的な強さでアヤが勝利した。


 そして、試合終了後にエミリーが、涙目になりながらアヤに話しかけている。


「おい、ジャパニーズ」

「なに?」


「私の完敗だ。

 でも、ロシア女にだけは、絶対に負けるなよ!」

「まあ、私に任せておきなさい」


 そうして、アヤとエミリーは固い握手を交わし、

 会場全体から二人に、温かい拍手が送られていた。


-----


 次の試合、『重量級、準決勝第1試合』は、

 舞衣さんが、なんなく勝ち進んだ。

 まあ、当たり前だけど。


-----


 『重量級、準決勝第2試合』は、

 ロシアのマトリョーシカ三姉妹の長女オリガとブラジル選手の試合だった。


 地元ブラジルの選手が登場すると、会場から大歓声が上がった。



 しかし、その大歓声は、すぐさま静かになってしまった。


 ブラジルの選手は手も足も出せず、オリガ選手に完敗した。

 まったく試合にもなっていない、赤子の手をひねるような試合だった。


 地元応援団の落ち込みっぷりは、すごかった。




 各階級の準決勝戦がすべて終わり、

 決勝進出する6人が決定した。


 軽量級は、ロシアのイリーナ選手と、カナダの選手。

 中量級は、ロシアのマーシャ選手と、アヤ。

 重量級は、ロシアのオリガ選手と、舞衣さん。


 ロシアは、マトリョーシカ三姉妹が、全員決勝進出を決めている。

 さすがだな。


----------


 続いて、決勝戦が始まった。


 最初に行われた『軽量級、決勝戦』は、ひどかった。


 ロシアのイリーナ選手は、

 カナダの選手がわざとガードするように仕向け、

 そのガードの上から、わざとケガをするような強打をしつこく浴びせていた。


 カナダの選手の顔が苦痛で歪むたび、

 イリーナは薄ら笑いを浮かべていた。


 とうとう、カナダの選手はガードすらできなくなり、

 棒立ち状態になってしまった。


 イリーナは、壊れたおもちゃを捨てるような冷たい目をして、

 無防備な相手に最後の一撃を加えた。



 勝敗は決した。

 カナダの選手は試合会場の壁まで吹っ飛び、まったく動かない。


 急いで担架が運び込まれ、医務室に運ばれていった。


 会場は静まり返り、

 勝利を宣言されたイリーナは、無表情のまま控え室に戻っていった。


-----


 続いて『中量級、決勝戦』

 アヤとロシアのマーシャが会場に姿を表した。


 マーシャは無表情のまま、位置につき、

 アヤは、会場の観客たちに手をふって愛想を振りまいている。



 なんか嫌な予感がする……。

 俺は、マーシャを【鑑定】してみた。


┌─<ステータス>─

│名前:マーシャ 年齢:16

│職業:被験者

│レベル:5

│HP:448

│MP:60

│力:48 耐久:24

│技:48 魔力:6

│スキル

│ 肉体強化2

│ 体術4

└─────────


 きみよちゃんをケガさせたイリーナより、さらに強い。

 肉体強化もレベル2だし。

 普通の人が勝てないわけだ。


 まあ、アヤにはかなわないだろうけどね。


 それでも、やっぱり、嫌な予感がする。



「始め!」

 審判の合図で、とうとう試合が始まってしまった。


 マーシャは、開始と同時に猛然とアヤに襲いかかる。


 しかしアヤは、その初撃を苦もなく避けてみせた。


 マーシャの拳が空を切り、

 その風圧が、低い音となって会場全体に響き渡った。


 どよめく会場。


 初撃が避けられ、目を丸くするマーシャ。

 あの選手が表情を変化させたのを始めて見た。


 しかしマーシャは、すぐに表情を元の無表情に戻し、

 懲りずにアヤに襲いかかる。


 アヤに避けられる可能性も考慮し、

 今度は連続攻撃を繰り出してきた。


 初撃の失敗をすぐさま判断し、次に活かす。

 冷静な判断力だ。



 しかし、その連続攻撃も、アヤはすべて避けてみせた。


 マーシャは、驚愕きょうがくの表情を浮かべて、

 いったん距離をとった。



 同じように、会場の観客からも、どよめきが沸き起こっていた。


「うそだろ、信じられない」

「あのふたりは、とても人間の動きじゃないぞ」

「動きを目で追うのがやっとなくらいだ」


 うーむ、相手が相手だけに仕方ないけど、

 ちょっとマズイかも。



 そして、距離をとっていたマーシャは、

 ニヤリと笑みをこぼし……、

 何かに集中しているようなポーズをとりはじめた。


 おそらく【肉体強化】の魔法を使っているのだろう。



 それと同時に、

 アヤもまた、ニヤリと笑みをこぼしていた。


ご感想お待ちしております。

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